個人的AWS認定12試験の難易度ランキング+取得順のおすすめ+勉強法
無事AWS認定試験12冠を達成
こんにちわ。
DevelopersIO BASECAMP参加者の加藤です。
昨日SAP on AWS試験を終了し、無事AWS認定12資格の取得となりました。
当記事は簡単ですが、難易度・取得順序・勉強法についてまとめております。
AWS認定資格の種類
現存する試験
こちらにもありますが、2023年5月1日現在、以下の試験が存在します。
【Foundational】
Cloud Practitioner - Foundational
【Associate】
Solutions Architect - Associate
Developer - Associate
SysOps Administrator - Associate
【Professional】
Solutions Architect - Professional
DevOps Engineer - Professional
【Specialty】
Security - Specialty
Database - Specialty
Data Analytics - Specialty
Machine Learning - Specialty
Advanced Networking - Specialty
SAP on AWS - Specialty
リタイア(廃止)した試験
以下試験は現在リタイアしています。
Big Data - Specialty(※2020年7月1日/後継 DataAnalytics- Specialty)
Alexa Skill Builder - Specialty(※2021年3月23日)
個人的難易度ランキング
前置き
- 取得順序によって、その時備えている知識が違う事
- 学習にかけた時間にばらつきがある為、一概に点数では判断できない
- アップデートされた試験は難易度が変わっている可能性がある
以上のような理由で、純粋に難易度を比較するのは難しいかもしれませんが、私はAWS認定の取得を開始した時点ではインフラ・ネットワークに関する知識は全くの0だった為、明らかな得意不得意は存在しない事と、取得順序の影響は加味し、若干の補正をかけて順位付け+どういう難しさがあったかを添えています。
1. Advanced Networking - Specialty
2位のSAPに劣らない問題・選択肢の文章の長さ、多項選択問題(特に三択)の多さ、明らかに不正解であるとわかる問題を省くのが難しく、事前に利用した教材に登場した問題であってもそれに気付く事にすら他の認定に比べ時間がかかります。三時間いっぱいを利用して見直しを一周出来なかった唯一の試験です。DirectConnectなど、事前に触って感覚を得る事が難しいサービスが中心にある事、リソースや連携の範囲が、これまでのリージョンやVPC内だけでなくオンプレミスや、別アカウントに広がっている事が一因にあるかと思います。
2. Solutions Architect - Professional
文章量の多さに加え、範囲が圧倒的に広く、サービス毎の特徴だけでなくそれぞれがどう連携するかや、必要な権限など、問われる知識の種類が多角的で「広く、深い」を求められます。救いは参考書や問題集が多い事かと思います。ここを乗り越えれば三時間試験の時間配分や、他の資格に必要なサービスの土台が出来るので多少学習に時間を割いても他の試験の基礎にもなるかと思います。
3. DevOps Engineer - Professional
SAProに合格していれば、問題文の長さや問われる内容については要点は掴めているかとおもいます。範囲の広さ等からしてもこの位置かと思います。
4. Data Analytics – Specialty
4位〜7位は性質の違う試験の為 甲乙つけ難いのですが、DASはSpecialty試験の中ではサービス同士の連携についても確りと記憶しておかなければ本番で「どっちだったっけ?」が多発する印象があります。実務で範囲内のサービスを触る機会のあった方については学習無しでわかる部分も多いように思います。Professional試験を取得している方であれば、同じ三時間試験とはいえ、Pro試験の3分の1程度の準備期間で取得出来るかと思います。
5. SAP on AWS - Specialty
オンプレミスからの移行+ネットワーク+SAPというAWS外の製品に関する知識という掛け合わせの試験です。問題文も要点を掴んでいればすっと入ってくる内容ではあるものの、そこそこの文章量であるかと思います。ネックは全試験の中で最も教材が少ない事です。2023年5月1日現在Udemyにも英語の問題集がいくつか登場していますが、正解に対しての説明・考察は添えてありますが、正解以外の選択肢がなぜ除外されるべきなのかについての説明がされていないものが多数で、消去法を利用して感覚を構築していく事が難しかった印象です。
6. Machine Learning - Specialty
SAP on AWSと同じくAWSサービスでない部分について最も出題される試験になります。AWSというよりも機械学習の関しての知識取得に時間を割く事になります。この位置にした理由はMLについてはYoutube動画なども含め、調べれば出てくる情報が多く、問題も「どれですか?→〇〇」というレベルで問われる短文問題も少なくない為、試験当日の難易度はそう高くないと感じた為です。
7. Database - Specialty
こちらも各DBサービスについての内容を復習する事で取得可能かと思います。それぞれのDBサービスには明確な特徴がありますので、基礎的な部分を網羅した上で、詳細を詰めていけば当日に困る事はないかと思います。コンソール画面で実際にリソースを作成してみる事で要領が掴みやすいです。(※削除し忘れにご注意ください。)
8. Security – Specialty
Professional相当の知識を持っていれば主にKMSを中心に勉強するだけで済むかと思います。Specialty資格の中では難易度は一番低い部類かと思います。
9. SysOps Administrator – Associate
私が受験した時点ではいわゆる「試験ラボ」が導入されたばかりで、事前にどう準備して良いかわからなかった事もあり、苦戦した記憶があります。内容については守秘義務が存在する為詳しくは書けないのが心苦しいですが、2023年3月28日以降試験ラボは一時的に廃止になっているようです。あくまでも一時的な処置のようですが、ラボがなければSAAと同等かそれ以下の難易度なのではと思います。
10. Solutions Architect - Associate
AWS認定の登竜門的扱いをされる事が多い資格かと思います。Cloud Practitionerより踏み込んで、各サービスや権限等について問われます。
11. Developer - Associate
恐らくSAAより先にこちらを受ける方は少ないかと思います。同試験を突破した方であれば問題ないかと思います。サービスについてSAAとは少し違った視点で問われる面白みを感じるかと思います。
12. Cloud Practitioner - Foundational
AWSについて0からスタートしている場合、まずこちらを受験するのが妥当かと思います。クラウドやインフラを始め、AWSとはなんぞや、どんな事が出来るサービスがあるかといった「概念」を知る事からスタートとなります。AWSのドキュメント構文にも慣れていない事が想定される為、Youtube、書籍・学習サイト、ブログ記事等、自分にあった教材探しをしながらの学習になるかと思います。私も一定の理解を得るまで「○○とは?」という検索を繰り返した記憶があります。
取得にかけた準備期間・順序についてのおすすめ
Specialty試験については順不同になるかと思いますが、恐らく皆さん似た順序を辿るのではないかと思います。以下が私の取得順となります。
※()内は準備にかけた期間を添えています/Pro資格の準備と同時期に子の出生が重なる為、準備期間に若干の影響があるかもしれません。
Cloud Practitioner - Foundational(1ヶ月半)
Solutions Architect - Associate(2ヶ月)
Developer - Associate(2ヶ月)
SysOps Administrator – Associate(1ヶ月)
Solutions Architect - Professional(3ヶ月)
DevOps Engineer - Professional(3ヶ月)
Security – Specialty(1週間)
Database - Specialty(1週間)
Data Analytics – Specialty(2週間)
Machine Learning - Specialty(2週間)
Advanced Networking - Specialty(1ヶ月)
SAP on AWS - Specialty(4日)
※ SysOpsを後にしたのは、前述の試験ラボが開始された為、先に受験した方から情報が出る事を期待して。
※ Data AnalyticsとMachine Learning、Advanced NetworkingとSAP on AWSは関連サービスが重複する為、纏めて取得するのがおすすめです。
勉強法
- AWS公式ドキュメント
- DevelopersIOを始めとする技術ブログ
- 書籍
- Udemy
- TechStock(旧通称:KoiwaClub)
- Wizlabs(海外/ブラウザに翻訳のアドオン推奨)
- 各試験の 公式練習問題集、サンプル問題、デジタルトレーニング(日本語に翻訳した動画つき)
- JAWS-UG(AWSのユーザーグループの勉強会/※ConnpassやDoorKeeper等でイベント参加者の募集があります)
- AWS Hands-on for Beginners
- AWS Black Belt Online Seminar(Youtube視聴)
- AWS What's New
3〜7を各試験2、3個を三周程度すれば大体問題ないと思います。
不明な部分があれば1、2、10で詳しく理解する。
実際にAWSマネジメントコンソールにログインしリソースを作成、9のハンズオンに挑戦、8のユーザーグループの活用。
もおすすめです。
個人的には、アソシエイト取得〜プロフェッショナル前後で、CloudFormationによるIacに挑戦出来れば、ユーザーガイドと向き合う→プロパティの設定に慣れるというサイクルにおいて、知識がベタっと横に広がらずに階層的な情報整理が同時進行で出来ると感じています。
おまけ
料金請求やセキュリティが不安で、実際のAWSに触るのが怖いと感じている方へ
実は私もこれに該当しており、
「知識のないうちにリソースを立てて、変な料金を請求されたらヤバいのでは」という感覚で、実際のAWSに積極的に触るのを後回しにしていました。不安はある意味間違っていませんが、結局触らなければいけない時が来ます。
結論からいうと、マネコンを触る時は、リソース作成時「①どんな画面で②どんな手順を踏むか、③連携しているサービスは互いのリソース画面でどんなふうに表示されるか」の確認だけを、まず心がけるので良いかと思います。
過去の自分に理解を示す意味では、知識がない状態でAWSを触っても、何のことかわかりませんし、序盤は自分が何をしているかもわからないままとりあえず触ってみたはいいものの何も得られていなかった事や、余計にAWSがややこしく感じるような瞬間もありました。
データベースなど一部リソースでは削除を忘れると選択したインスタンスタイプ等によっては一晩で数千円単位の料金が発生します。削除に失敗すると、どこをどうしていいかわからなくなり途方に暮れ、その間にも料金はかかり続けている意識で、学習の手がしばらく止まります。
しかし、触らないと失敗を蓄積出来ず、視覚に訴える記憶が出来ず、情報に実体がない状況が続きます。これはかなり不健康です。
選択するリソースのサイズは無料お試しのタイプや、サイズの小さいものでOKです。
リソースの削除に失敗したらネットで起きている事の解決策やエラー文をそのまま検索しましょう。大体同じ事に困った経験のある方が解決策をどこかしらブログに残していたりします。
細かく言えば例外はあるかもしれませんが、試してみる程度において、データベース系のサービス以外で一日程度放置して大金を請求される心配のあるリソースはないと思います。
加えて言えば、アカウント作成時点では様々なサービスにお試し用の無料期間が存在します。
※翌日朝イチでコストエクスプローラーを見る事だけ習慣化してください。変な料金がかかっていたら料金の動きで前日〜前々日作ったものから察しがつきます。
アクセスキー等を公開するような事をせず、MFAをしっかりかけていればセキュリティも一旦心配しすぎないで良いかと思います。
「AWS 初期 セキュリティ」等で検索する事で、最初にするべき設定について書いた記事にあたるかと思いますのでいくつかを覗いて、そのまま踏襲が良いかと思います。
終わりに
ちなみにですが、先日のAWS Summit 2023時点では現在AWS認定12冠の方は国内に600人弱いらっしゃるのだそうです。
私自身もAWSの学習開始時点では「サーバーってなんだっけ、ネットワークについて少し理解しておきたいな」くらいの動機・レベルであった為、12個の認定を全て取得するに至るにはそのモチベーションの維持と興味を失わず(むしろ増える)にいられる状況を下支えする様々な外的要因があったように思います。
公式ドキュメントの丁寧さ、学習教材の多さ、パートナー企業等のブログ記事の充実、各種イベントやユーザーグループが開催する勉強会の頻度と敷居の低さなど枚挙に暇がありません。
資格を取る事自体は目的やゴールではなく、基礎力の向上とサービスを触ってみるきっかけや足がかりになるかと思います。今後も継続して学び続けたいと思います。
各試験にご興味があれば、是非挑戦してみていただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
Discussion
自身のサイト記事(2023年3月28日以降試験ラボは一時的に廃止)を参考にしてくださり、ありがとうございます!
とんでもないです!こちらこそわかりやすい記事を有難うございました!