副業をする
はじめに
この記事はCommune Advent Calendar 2024、シリーズ1の23日目の記事です。
こんにちは近藤です。
コミューンという会社でグローバルチームで、サービス開発をしています。
エンジニアの副業については賛否両論あり、本業のパフォーマンスへの影響を懸念する声もよく聞きます。この記事では、今年から始めた副業を通じて私が実際に経験したことや、その価値について考察してみたいと思います。現在、副業先では業務委託であるもののテックリードとして従事させていただいており、その経験を通じて得られた気づきや成長について共有します。
結論を先に述べると、個人の置かれた状況によって判断は大きく異なると思いますが、少なくとも現在の私にとっては非常に有意義な機会となっています。本記事では副業先企業の具体的な話には触れず一般的なエンジニアとしての副業として書きますが、私の経験が同じような状況にある方の参考になれば幸いです。
技術的意思決定の実践の場として
副業先では、テックリードとして技術的な意思決定に関わる機会を得ています。システム全体のアーキテクチャ設計から、チームビルディング、技術選定まで、幅広い観点での判断が求められます。本業とは異なる文脈で、より包括的な視点からの意思決定を経験できることは、非常に貴重な学びとなっています。
新たな取り組みの実践の場
比較的小規模な環境である副業先では、新しい手法や技術を試験的に導入しやすい利点があります。例えば、イベントストーミングなどの手法を実践する機会がありました。本業では新しい取り組みには慎重な検討が必要な場面もありますが、副業では様々な試みをより軽量に実践できます。この「実験の場」としての価値は非常に大きいと感じています。
技術的視野の拡大
副業を通じて、コードや設計について考える総量が増加しました。特に、普段接することのない領域のサービスに携わることで、新しいアーキテクチャパターンやハードウェアとの連携など、技術的な視野が大きく広がりました。
社外エンジニアとのネットワーク形成
上の項目と重複する部分もありますが、副業先では、様々なバックグラウンドを持つ優秀なエンジニアと協働する機会があります。プロジェクトのフェーズによっては、他の業務委託エンジニアと一緒に働くこともあり、そこでの技術的な議論や問題解決のアプローチから新たな気づきを得ることも少なくありません。このような社外の優秀なエンジニアとの繋がりは、技術者としての視野を広げる貴重な機会となっています。
家庭との両立という現実
妻と子どもがいる身として、時間の使い方には制約があります。独身時代と比べ、自由に使える時間は大幅に減少しました。これは私個人の状況であり、一般化するつもりはありませんが、以前のように無制限に個人開発や学習に時間を費やすことは難しくなりました。
そんな中、副業という形で経済的なメリットを得ながら技術的な成長もできることは、非常に大きな意味を持ちます。家族との時間とのバランスを取りながら、キャリアの成長を続けられる貴重な機会となっています。
体力面での懸念について
副業によって時間的・体力的な負担が増えることは間違いありません。個人開発の時間が減ることや、休息時間が限られることは避けられない現実です。しかし、私自身は今のところ体力面での問題は感じていません。むしろ、限られた時間の中で効率的に成果を出すことを意識するようになり、より計画的な時間の使い方ができるようになった面もあります。ただし、これは個人の状況や体力によって大きく異なる部分だと認識しています。
おわりに
本業であるCommuneでは、グローバルチームの一員として多国籍のメンバーと協働する機会に恵まれており、扱うドメインも非常に興味深く、日々刺激的な環境で働けることを大変ありがたく感じています。さらに、副業先では異なる立場と視点から技術に関われる機会をいただき、両者の環境で成長できることは私にとってかけがえのない財産となっています。
このような貴重な時間を支えてくれている家族には心からの感謝の気持ちでいっぱいです。技術力の向上、意思決定能力の強化を通じて、両社そして家族への恩返しができるよう、これからも精進を重ねていきたいと思います。
副業に関する状況や判断は個人によって大きく異なりますが、本記事が似たような状況にある方の意思決定の一助となれば幸いです。
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