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CAMEYO完全ガイド - ブラウザで実現する次世代アプリケーション配信ことはじめ:(2)主要機能編

に公開

第1章:はじめに

お疲れ様です。SKYこと関谷です。

CAMEYO(カメヨ、「メ」にアクセント) という VAD (バーチャル・アプリケーション・デリバリー)ソリューションですが、昨年6月に Google 社が買収をして、1年5ヶ月の沈黙を破り、とうとう、GA(Generally Available=一般提供) しました!
正式には、CAMEYO by Google というサービス名のようですが、このブログでは、便宜的に CAMEYO で統一いたします。

前回の(1)CAMEYOの全体像とビジネス価値編の公開時には気づかなかったのですが、リリースノートの更新もありました。

(1)CAMEYOの全体像とビジネス価値に続く本編では、もう少し機能を深堀りし、CAMEYO の5つの主要機能を解説します。
次回の(3)アーキテクチャ編では CAMEYO のアーキテクチャについて記載する予定です。

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2025/12/09更新
(1)CAMEYOの全体像とビジネス価値編
(3)アーキテクチャ編

第2章 HTML5 ブラウザベース配信の仕組み

2.1 従来型とブラウザベース配信の違い

CAMEYO の最大の特徴は、ブラウザだけで Windows アプリケーションを利用できる という点です。従来の仮想化ソリューションでは専用クライアントのインストールが必要でしたが、CAMEYO は HTML5 技術を活用することで、ブラウザさえあればどこからでもアプリケーションにアクセスできます。

HTML5 は Web ページを表示するための標準技術で、動画やグラフィックスをプラグインなしで表示できます。CAMEYO はこの HTML5 を使って、Windows アプリケーションや Linux GUIアプリケーションの画面をブラウザに配信します。

図1: CAMEYO のアーキテクチャ概要

2.2 仕組みの概要

CAMEYO は次のように動作します。
Windows アプリは Windows Server 上で動作し、Linux アプリは Linux Server 上で動作します。
このアプリを動作させるサーバーを CAMEYO では、Play Server と呼びます。

  1. アプリケーションのインストール: 管理者が Play Server 上にアプリケーションをインストール
  2. HTML5 への変換: CAMEYO が「Your App into HTML5 in 3 Steps」のプロセスでアプリケーションをブラウザ配信可能な形式に変換
  3. ユーザーアクセス: ユーザーが https://online.cameyo.com/portal にアクセス
  4. ストリーミング配信: アプリケーションは Play Server 上で実行され、画面情報がブラウザにストリーミング配信される

図2: ユーザーアクセスのシーケンス

重要な技術的ポイント:

  • アプリケーションの実行は サーバー側 で行われる
  • ユーザーのデバイスには 画面情報のみ が送信される
  • ユーザーの入力(キーボード、マウス)は サーバーに送信 される
  • このため、ユーザーのデバイスは低スペックでも問題なく動作

2.3 ユーザーのアクセス方法

CAMEYO は複数のアクセス方法を提供します。

A. ポータルベースアクセス

  • URL: https://online.cameyo.com/portal
  • ユーザーはログイン後、利用可能なアプリケーション一覧を表示
  • アイコンをクリックするだけでアプリケーションが起動

B. 直接 URL アクセス
各アプリケーションには固有の URL が割り当てられます:

  • 形式1: https://online.cameyo.com/apps/[AppID]/play
  • 形式2: https://cameyo.app/[AppID]

ここで [AppID] はアプリケーション固有の識別番号です。

C. 認証不要アクセス(オプション、私的には非推奨)

  • 管理者が設定することで、URL を知っている人なら誰でもアクセス可能
  • ゲストユーザー向けアプリケーションなどに最適

図3: ユーザーアクセス方法の選択フロー

2.4 メリットと特徴

エンドユーザーのメリット:

  • クライアントソフトのインストール不要: ブラウザだけで利用開始
  • OS を問わずアクセス可能: Windows、Mac、ChromeOS、Linux など
  • デバイスの処理能力に依存しない: サーバー側で実行されるため、低スペックデバイスでも快適
  • ファイルのドラッグ & ドロップに対応: ローカル PC からブラウザにファイルをドラッグして転送可能

IT 部門のメリット:

  • クライアント配布の管理コスト削減: クライアントソフトの配布・更新作業が不要
  • 幅広いデバイスサポート: ブラウザさえあれば利用可能
  • アプリケーション更新の簡素化: サーバー側のみ更新すれば全ユーザーに反映

ユーザーポータル画面:

第3章 PWA 対応の実用的メリット

3.1 PWA とは

PWA (Progressive Web App) は、Web 技術を使いながらネイティブアプリのような体験を提供する技術です。通常の Web サイトとネイティブアプリの良いところを組み合わせたもので、ブラウザ経由でアクセスしながら、デバイスのホーム画面にアイコンを追加したり、オフラインで動作したりできます。

3.2 PWA そもそもの特徴

では、 PWA にはどのような特徴があるのか、先におさらいしておきましょう。

  • インストール可能:
    スマートフォンやPCのホーム画面・デスクトップに、アプリアイコンとして追加できます。ブラウザのアドレスバーを消して、全画面で表示することも可能です。
  • 高速・快適:
    アプリのように素早く起動し、スムーズな操作感を提供することを目指して設計されています。
  • 自動更新:
    根幹はウェブアプリなので、アクセスするたびに常に最新のバージョンが表示されます。アプリストア経由での面倒なアップデート作業は必要なし。
  • 安全:
    HTTPS(暗号化通信)での接続が必須条件となっており、安全性が担保されている。
  • オフライン動作:
    CAMEYO は画面転送という方式上関係のない特徴 ですが、Service Worker(サービスワーカー)という技術を使い、一度読み込んだコンテンツやデータを端末にキャッシュ出来ます。これにより、インターネット接続がない場所や、電波が不安定な場所でも、一部の機能やコンテンツを利用できます。
  • プッシュ通知:
    現状、CAMEYO は未対応と考えられるが、(OSやブラウザが対応していれば)アプリを閉じていても、サーバーから新しい情報やメッセージの通知を受け取ることができます。

3.3 CAMEYO での実用的なメリット

1. ネイティブアプリライクな操作感

  • PWA としてインストールすると、タスクバーやデスクトップからアプリを起動できる
  • ブラウザの UI(アドレスバーやタブなど)が表示されず、専用アプリのように見える
  • 独立したウィンドウで動作し、他のブラウザタブと分離される

2. ローカルファイルシステムや Google Drive へのアクセス

  • OS標準ファイル選択ダイアログを独自のダイアログに自動で置き換え ※標準に戻すことも可能
  • 独自のダイアログでは、補助アプリを導入せずにユーザーの ローカルファイルや Google Drive にアクセス 可能
  • クラウドとローカルのシームレスな連携を実現

3. 強化されたクリップボード機能

  • ローカルアプリケーションと CAMEYO 上のアプリケーション間での コピー & ペースト がスムーズに ※禁止設定も可能
  • テキスト、画像、ファイルパスなどのデータ転送が効率化
  • クロスプラットフォームでの作業が快適に

4. ユーザーへの自動配布

  • Chromebook 端末であれば、Web URL のショートカットと同様な手順で Google 管理コンソールからシェルフ(ChromeOS のタスクバー)へ自動配布可能
  • Windows 端末であれば、Chromebook と同様の配布手順を行っておけば、Chrome ブラウザへ対象アカウントのプロファイルを追加した段階で、デスクトップへアプリのショートカットが張り付く

5. アプリ固有の URL

  • 本質的には Web アプリの一種であるため、配布したアプリ単位で固有の URL が紐づく
  • 配信アプリごとに固有の URL があるため、Google 管理コンソールでのアプリ自動配布や組織管理の Chromebook ネイティブの制御(URLに対するスクリーンショットや印刷の禁止ルール など)、Chrome Enterprise Premium での Chrome ブラウザ DLP 制御等が行え、Chromebook との親和性が非常に高い

3.4 考えられる利用シーン例

シーン1: 営業担当者の出先作業

  • 社内 CRM システムへのアクセスを PWA として ChromeOS デバイスに自動インストール
  • ネイティブアプリと同じ感覚で起動・利用
  • 顧客訪問先でも、シェルフから1クリックでアクセス

シーン2: 経理担当者のファイル処理

  • 会計ソフトを PWA として利用
  • ローカルに保存された請求書 PDF を直接開く
  • クリップボード経由で他のアプリケーションにデータを貼り付け

第4章 CAMEYO Admin コンソールでの管理

4.1 CAMEYO Admin コンソールの概要

CAMEYO Admin コンソール(旧CAMEYO ポータル)は、複数の仮想アプリケーション配信を一元管理できる Web ベースのプラットフォームです。
Google アカウントとの SSO 連携 が行えます。

Admin コンソール とは、IT 管理者がユーザー、デバイス、アプリケーション、セキュリティポリシーなどを一元管理するための Web インターフェースです。

4.2 アクセス方法

A. Google Admin コンソールからのアクセス

  1. Google Admin コンソールにサインイン
  2. デバイス > Chrome > 仮想アプリ に移動
  3. (初回のみ)利用規約を確認・同意
  4. 「Go to Cameyo by Google」をクリック

B. 直接 URL アクセス

  • 会社固有のサブドメイン: https://mycompany.cameyo.com(mycompany は会社名)
  • 汎用ポータル: https://online.cameyo.com

C. 認証方式

図4: CAMEYO Admin コンソールへのアクセスフロー

4.3 主要機能セクション

CAMEYO Admin コンソールは、4つの主要セクションで構成されています。

表1

セクション 主な機能 利用目的
Dashboard リアルタイム統計、サーバー・アプリ一覧 環境全体の監視と迅速な状況把握
Apps アプリインストール、公開、設定 アプリケーションのライフサイクル管理
Servers サーバー追加、接続、監視 インフラストラクチャの管理
Admin ユーザー管理、ポータル設定、会社設定 組織全体の設定と制御

4.4 Dashboard の詳細

CAMEYO Admin コンソール画面 Dashboard

図5: Dashboard の主要機能

4.5 管理効率を向上させるワークフロー

ワークフロー1: 迅速なアプリケーション配信

従来の方法では、アプリケーション配信に複数のツールと手順が必要でした。CAMEYO では、すべてブラウザ上で完結します。

アプリの導入は、
ワンプッシュでインストールできるプリセットと

管理者用のデスクトップ画面でインストーラを流すパターンがあります。

図6: アプリケーション配信のワークフロー

所要時間: 約 5分~(個々のアプリケーションインストール時間に依存)

主な時間短縮ポイント:

  • プリセットアプリはワンプッシュで導入
  • 個別インストーラでのインストールは、PCで導入する方法と同様
  • 各アプリインストーラのダウンロード & アップロードは、ドラッグ & ドロップでの転送でも可能
  • 公開設定は即座に反映(再起動やキャッシュクリア不要)

ワークフロー2: Google Workspace グループベースの配信

既存の Google Workspace のグループを活用することで、ユーザー管理を簡素化できます。

手順:

  1. CAMEYO の Company 設定(online.cameyo.com/company)で Google Workspace アカウントを連携
  2. Apps セクションでアプリを選択
  3. Restrictions で Google Workspace のグループを選択(例: 営業部、経理部など)
  4. 選択したグループのメンバーにのみアプリが自動的に表示される

メリット:

  • ユーザーグループを二重管理する必要がない: Google Workspace の既存グループをそのまま利用
  • 自動同期: Google 管理コンソールでの変更が自動的に CAMEYO に反映される
  • アクセス制御の一元化: 1つの場所でユーザー権限を管理

図6: Google Workspace グループ連携の仕組み

4.6 統合によるメリット

1. ユーザー管理の効率化

  • Google Workspace ディレクトリを活用
  • MFA 設定等アカウントは Google Workspace の認証設定で完結
  • 二重管理の排除によるヒューマンエラーや負荷の削減

2. リアルタイム可視化

  • Dashboard による環境全体の即時把握
  • 履歴トレンド分析(最大 90日)
  • アプリごとの使用状況追跡によるライセンス最適化

3. 柔軟な展開オプション

  • セルフホスト型と BYOクラウド型サーバーの混在管理
  • Cloud Tunneling による VPN 不要のセキュアな接続(複雑なファイアウォール設定不要)

第5章 Google Drive 連携のワークフロー改善

5.1 統合の概要

CAMEYO は Google Drive とネイティブに統合されており、ユーザーはパソコン版 Google Drive を別途導入せずとも 仮想アプリケーション内から直接 Google Drive のファイルにアクセス できます。この統合により、ファイルのダウンロードやアップロードの手間が不要になり、ワークフローが大幅に改善されます。

従来の課題:

  • クラウドストレージからファイルをダウンロード → 仮想環境にアップロード → 編集 → ダウンロード → 再アップロード、という多ステップ

CAMEYO の解決策:

  • 仮想アプリ内から Google Drive に直接アクセス
  • ファイルは元の場所に保存されたまま編集可能
  • リアルタイムなコラボレーションが継続

5.2 技術的な実装

設定方法:

  1. ブラウザで <契約単位の prefix >.cameyo.com/company` に移動
  2. 「LOGIN TO YOUR ACCOUNT」セクションで Google login オプションを選択
  3. 「Connect user's storage (Google Drive)」 チェックボックスを選択
  4. ユーザーは次回接続時に Google Drive へのアクセス権限を求められる
  5. 権限を許可すると、以降のセッションで Google Drive が利用可能に

認証レイヤー:

  • OpenID Connect での認証認可
  • Google の OAuth2.0 も OpenID Connect 仕様に対応
  • 以前に認証済みのユーザーは自動的にログイン
  • SSO 連携先の IdP は、Google Cloud Identity / Google Workspace のほか、Entra ID、Okta、Auth0 が対応しています。一般的な OpenID Connect が使える IdP でも連携出来るかもしれません(未検証)。
    SSO 連携先の IdP 選択

図7: Google Drive 統合の認証フロー

5.3 ファイルアクセスの方法

CAMEYO は2つの方法で Google Drive へのアクセスを提供します。

方法1: カスタムファイルダイアログ

  • ファイル設定で有効化すると、アプリケーションの「開く」や「保存」ダイアログに Google Drive のオプションが表示される
  • ユーザーは通常のフォルダーと同じように Google Drive を選択
  • My Drive、共有ドライブ、共有アイテムなどが表示される

方法2: Explorer パス統合

  • Windows Explorer 内のパスとして Google Drive が表示される
  • 通常のネットワークドライブのように扱える
  • ドラッグ & ドロップ操作が可能
  • パスは G:\GoogleDrive\ のように表示される

図8: Google Drive へのアクセス方法

5.4 ワークフロー改善の具体例

改善前: 従来の手順

  1. Web ブラウザで Google Drive にアクセス
  2. 必要なファイルを検索・ダウンロード
  3. ダウンロードしたファイルを仮想環境にアップロード
  4. アプリケーションで編集作業
  5. 編集済みファイルを仮想環境からローカルにダウンロード
  6. ローカルから Google Drive に再アップロード
  7. バージョン管理の確認と調整

改善後: CAMEYO の統合ワークフロー

  1. CAMEYO セッション内でアプリケーションを起動
  2. アプリの「開く」ダイアログから Google Drive のファイルを直接選択
  3. 編集作業
  4. 「保存」で Google Drive に直接保存

5.5 コラボレーションの強化

リアルタイムアクセス:

  • ファイルは Google Drive の元の場所に保存されたまま 編集
  • 他のチームメンバーとのコラボレーションが継続
  • バージョン管理は Google Drive の機能をそのまま利用
  • 「誰が最後に編集したか」などの情報も保持

セキュリティの一貫性:

  • Google Workspace の MFA 要件が 自動適用
  • 既存の Google Workspace セキュリティポリシーが継承される
  • 管理者は Google Workspace グループベースでアクセス制御 が可能
  • データは CAMEYO サーバーに残らず、Google Drive 上に保存(データ主権の保持)

権限管理の統一:

  • Google Drive のファイル共有権限がそのまま適用
  • 「閲覧のみ」「編集可能」などの権限は Google Drive の設定に従う
  • 管理者による二重管理が不要

5.6 実用シーン

シーン1: 経理部門の月次処理

  • 会計ソフト(CAMEYO 配信)を起動
  • Google Drive 上の「経理共有フォルダ > 2025年度 > 03月」から直接会計データを開く
  • 仕訳処理や集計作業を実施
  • 処理後、「上書き保存」で Google Drive に直接保存
  • 他の経理メンバーがすぐに最新データにアクセス可能
  • バージョン履歴は Google Drive で自動管理

シーン2: 営業資料の作成

  • Microsoft PowerPoint(CAMEYO 配信)を使用
  • Google Drive 上の「営業部 > テンプレート」から提案書テンプレートを開く
  • 顧客情報や製品情報を入力
  • 完成資料を Google Drive の「営業部 > 提案書 > 2025 年度」に保存
  • 上司がレビューし、コメントを追加(Google Drive のコメント機能)
  • 修正版をそのまま Google Drive に保存し、即座にチームと共有

シーン3: リモートワークでのファイル編集

  • 自宅の低スペック PC から CAMEYO にアクセス
  • 重い CAD ソフトウェア(CAMEYO 配信)を起動
  • Google Drive 上の「設計図 > プロジェクト XYZ」から図面を開く
  • 編集作業を実施(処理はサーバー側で実行されるため、低スペック PC でも快適)
  • 保存後、オフィスの同僚が同じファイルを開いて続きの作業

第6章 ChromeOS 親和性の概要

6.1 戦略的背景

CAMEYO と ChromeOS の統合は、Google 社への join によって実現した戦略的な取り組みです。Google の公式ブログ記事「ChromeOS + Cameyo: Reimagining Legacy Apps for the Modern Enterprise」で発表されたように、この統合は レガシー Windows アプリケーションを ChromeOS デバイス上でシームレスに動作させる ことを目的としています。

背景にある課題:

  • 多くの企業が ChromeOS デバイスの導入を検討
  • しかし、業務に不可欠な Windows アプリケーションが障壁に
  • CAMEYO が「アプリギャップ」を解決し、ChromeOS 導入を加速

CAMEYO の位置づけ:

  • Google の公式 Virtual Application Delivery (VAD) ソリューション
  • Chrome Enterprise Premium との統合
  • ChromeOS Flex のサポート

6.2 主要な統合機能

Google による買収後、以下の ChromeOS 最適化機能が追加されました:

表1.主要な統合機能

機能 説明 メリット
PWA 配信 仮想アプリを PWA として配信 タスクバーから起動、ネイティブアプリのような体験
ローカルファイルシステム統合 ChromeOS のローカルストレージにアクセス ChromeOS の「ファイル」アプリと連携
強化されたクリップボード ChromeOS とのクリップボード連携 Chrome ブラウザと CAMEYO アプリ間のコピー & ペースト
Google Admin コンソール配信 Admin コンソールからの直接管理 Chrome Enterprise 管理と統一

図9: ChromeOS と CAMEYO の統合によるメリット

6.3 統合ポイント

管理者向け統合:

  • CAMEYO Admin コンソールは Google Admin コンソール内から直接アクセス 可能
  • パス: Google Admin コンソール > デバイス > Chrome > 仮想アプリ
  • Google の管理ツールと CAMEYO のシームレスな切り替え
  • Chrome Enterprise のポリシー管理と統合

配信ワークフロー:

  • CAMEYO サーバーで公開されたアプリは Google Admin コンソールからChromeOS への配信管理 可能
  • ChromeOS デバイスへの仮想アプリケーション配信を一元管理
  • Chrome Enterprise 管理インフラストラクチャとの統合
  • デバイスポリシーによるアプリ配信制御

エンドユーザー体験:

  • ChromeOS の「ランチャー」から CAMEYO アプリを起動
  • PWA として配信されたアプリは、シェルフ(タスクバー)にピン留め可能
  • ChromeOS の「ファイル」アプリから Google Drive や ローカルファイルにアクセス
  • Chrome ブラウザとのシームレスな統合

6.4 主なメリット

エンドユーザー向け:

  • 軽量な ChromeOS デバイスでレガシー Windows アプリケーションにアクセス: 重いハードウェアが不要
  • PWA 配信によるネイティブのような体験: アプリの切り替えがスムーズ
  • クラウドとローカルストレージのシームレスなファイルアクセス: ファイル管理が統一
  • ChromeOS のセキュリティモデルを維持: 安全な環境で Windows アプリを利用

IT 管理者向け:

  • 統一された管理コンソール体験: Google Admin コンソールだけで完結
  • 既存の Google Workspace インフラストラクチャを活用: 新しいツールの学習不要
  • Chrome Enterprise のセキュリティとポリシーフレームワークとの統合: 一貫したセキュリティポリシー
  • ChromeOS デバイスの展開を加速: レガシーアプリが障壁にならない

組織全体向け:

  • 重要なレガシーアプリケーションへのアクセスを維持しながら ChromeOS を採用可能: 段階的な移行が可能
  • アプリケーション配信インフラストラクチャの近代化: クラウドネイティブな配信方式
  • ハードウェア要件の削減: シンクライアント ChromeOS デバイスで Windows アプリを実行
  • TCO (Total Cost of Ownership) の削減: デバイスコスト、管理コスト、運用コストの削減

図10: TCO 削減の比較

6.5 具体的な活用例

例1: 教育機関での活用

  • 学校が ChromeOS デバイスを生徒に配布
  • 専門的な教育ソフトウェア(CAD、統計解析ソフトなど)を CAMEYO で配信
  • 生徒は自宅からでも高度なソフトウェアにアクセス可能
  • IT 部門は Google Admin コンソールで一元管理

例2: 製造業でのモバイルワーク

  • 工場の現場監督が ChromeOS タブレットを携帯
  • 生産管理システム(Windows ベース)を CAMEYO で配信
  • 現場で設備の状態を確認し、リアルタイムでデータ入力
  • 軽量で持ち運びやすいデバイスで業務効率化

例3: 金融機関でのセキュアなアクセス

  • 営業担当者が ChromeOS デバイスを使用
  • 顧客管理システムや社内システムを CAMEYO で配信
  • ChromeOS のセキュリティモデルとマルウェア対策を活用
  • データはサーバー側に保存され、デバイスに残らない

6.6 将来の展望

ChromeOS と CAMEYO の統合は、Google の公式 Virtual Application Delivery ソリューションとして位置づけられており、今後さらなる機能強化が期待されます。

期待される機能拡張:

  • ChromeOS 固有のハードウェア(タッチスクリーン、スタイラス)との統合
  • AI を活用したアプリケーション最適化
  • さらなる管理機能の強化
  • より高度な PWA 機能(プッシュ通知など)

第7章 まとめ

本編は、CAMEYO の5つの主要機能を解説しました!

  1. HTML5 ブラウザベース配信: 専用クライアント不要で、ブラウザだけで Windows アプリケーションを利用できる革新的な仕組み。ユーザーは online.cameyo.com/portal にアクセスするだけで、大半のデバイスからアプリケーションを利用できます。利用できるアプリは管理者

  2. PWA 対応: ネイティブアプリのような体験を提供し、ローカルファイルシステムとの統合、強化されたクリップボード機能を実現。タスクバーから起動でき、ブラウザ UI が表示されない専用アプリのような操作感を提供します。

  3. Admin コンソール統合: Google Admin コンソールとの深い統合により、管理効率が大幅に向上。アプリケーション配信先の制御が、Google Workspace / Google Cloud Identity のグループを利用し、利用ユーザーの二重管理が不要になります。

  4. Google Drive 連携: 仮想アプリ内から直接 Google Drive にアクセスでき、ワークフローが劇的に改善。リアルタイムなコラボレーションが継続します。

  5. ChromeOS 親和性: Google による買収後、ChromeOS 最適化機能が追加され、レガシーアプリの近代化を実現。軽量な ChromeOS デバイスで Windows アプリケーションを利用でき、各アプリ配信定義単位で URL が特定されるため、Chrome Enterprise Premium での DLP 等の制御にも向いています。

これらの機能により、CAMEYO は ハイブリッドワークの実現DX 推進 を強力に支援します。特に、Google Workspace や ChromeOS を活用する組織にとって、CAMEYO は既存のインフラストラクチャとシームレスに統合でき、レガシーアプリケーションの近代化を加速します。

次回は、アーキテクチャを紐解いていきます。
是非、購読頂けたら幸いです。ありがとうございました!

参照情報

本編で参照した主な Google 公式サポートページを記載します。

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