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2025年8月版:Google Cloud の AI エージェントまとめ

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こんにちはSKYこと関谷です。
だいぶ間が空いてしまいましたが。。。(苦笑)
今回は、2025年8月に Google Cloud から発表された「AI エージェント関連の最新機能や製品」について、初めて触れる方でも理解しやすいよう、やさしく丁寧にかつ簡素にご紹介します。

AI エージェントと聞くと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、Google Cloud は、開発者だけでなくビジネスユーザーや運用担当者も扱いやすいように、ツール群を進化させています。

この記事では、以下のようなテーマを取り上げていきます:

  • Agentspace の新機能
  • Agent2Agent(A2A)プロトコルの進化
  • Agent Development Kit(ADK)とその役割
  • 開発や運用を支える便利な周辺機能たち

1. Agentspace:使いやすく進化する「エージェントの登竜門」

▶ 8月に追加された注目の機能

• アイデア創出エージェント(Idea Generation Agent)

2025年8月、Agentspace に「アイデア創出エージェント」が追加されました。このエージェントは、ユーザーからの質問やトピックに対して複数の案を出し合い、それらを比較・評価しながら最適なアイデアを選び出す“ブレスト支援”のような役割を担います。

• データエージェント(Data Agent)

また、企業の中にあるドキュメントやナレッジにアクセスして質問に答える「データエージェント」も登場(※現在はプライベートプレビュー中)。社内ガイドラインや提案書の情報をもとに回答ができます。

• BigQuery への分析エクスポート

利用状況やプロンプト履歴を BigQuery に出力できるようになり、社内での効果測定や可視化がしやすくなりました。

• スタータープロンプトのテンプレート拡充

エージェント開発の第一歩として使える「スタータープロンプト」の種類が増え、エージェント作成のハードルが下がっています。

▶ Cloud Console からの利用が可能に

Agentspace は Cloud Console から直接操作できるようになり、よりスムーズに試すことができます。

2. Agent2Agent(A2A):エージェント同士がつながる仕組み

▶ A2A v0.3 の登場(7月31日)

AI エージェントが別のエージェントを呼び出してやりとりできる共通プロトコル「A2A」が v0.3 にアップデートされ、以下のような機能が加わりました:

  • gRPC 対応
  • セキュリティカード署名による信頼性の向上
  • Python SDK の強化

150以上の組織がこの仕組みに参加しており、エージェントの相互運用が現実的になってきました。

3. ADK(Agent Development Kit):開発者向けツールキット

ADK はエンジニアが自分でエージェントを開発できる公式ツールです。A2A プロトコル準拠の設計に役立ちます。8月は新機能はないものの、A2A v0.3 への対応が完了しています。

4. その他:運用や拡張を支える便利な機能

▶ Memory Bank(長期記憶)

Vertex AI Agent Engine では、会話内容を記憶できる「Memory Bank」機能が追加されました。個別のユーザーごとのやりとりを保持して、パーソナライズが可能になります。

▶ カスタムサービスアカウント対応

セキュリティ強化のため、各エージェントに個別のサービスアカウントを設定できるようになり、最小権限での運用ができるようになりました。

▶ Gemini CLI の GitHub Actions 連携

Gemini CLI を GitHub Actions に統合し、CI/CD の中で AI エージェントを使えるようになりました。PR レビューや Issue ラベル付けを自動化できます。

おわりに:まずは小さく始めてみるのがおすすめ

Google Cloud の AI エージェント環境は、もはや実験段階ではなく、実運用が現実的な段階に入っています。

  • まずは「Agentspace」で体験し、
  • 必要に応じて「Data Agent」で社内情報に接続
  • 外部連携には「A2A」
  • 高度な開発には「ADK」

自分の業務に役立ちそうなところから、少しずつ試してみるのがおすすめです。

Google Cloud の良い所は、上述した部分だけではなく、ベンダーロックインしにくいオープンアプローチや、セキュアバイデザイン思想に則ったサービスなど、AIサービス自体への懸念・リスクも低減できる点です。

ぜひ、AI エージェントを活用してみて下さい。ありがとうございました!

電算システム 有志

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