【Google Workspace Flows】日常業務を自動化!機能紹介
Google Cloud Next Tokyo お疲れ様でした!
DAY1基調講演でも発表された「Google Workspace Flows」はご存知でしたか?これは、私たちが日常的に使っているGmail、Google Chat、GoogleドライブといったGoogle Workspaceのツールを連携させ、面倒な作業を自動化してくれる画期的な機能です。「AIエージェントと共に作業を自動化する」というコンセプトの通り、私たちの働き方を大きく変える可能性を秘めています。
この記事では、Google Workspace Flowsがどのような機能で、私たちの仕事にどんな革命をもたらすのか、具体的な活用例を交えながら、解説していきます。
そもそもGoogle Workspace Flowsって何?
一言でいうと、「もし〇〇が起きたら、△△を実行する」という一連の作業(ワークフロー)を、プログラミングの知識なしで簡単に設定できるツールです。
例えば、「特定のキーワードを含むメールを受信したら、Chatに通知する」「Googleフォームに回答があったら、スプレッドシートに内容を転記し、担当者にメールで知らせる」といった、これまで手作業で行っていた複数のステップからなるプロセスを、完全に自動化できます。
公式のデモ動画もあります(英語)
自動化のきっかけ(トリガー)と実行内容(アクション)
Workspace Flowsでは、様々なイベントを「きっかけ(トリガー)」として設定できます。
主なトリガー
- Gmailでメッセージを受信したとき
- Google Chatで新しい投稿があったとき・リアクション絵文字が入った時
- Googleドライブにファイルが追加されたとき
- Googleカレンダーの会議の予定が近づいたとき
- Googleフォームに回答があったとき
そして、これらのトリガーをきっかけに、以下のような「アクション」を自動で実行させることができます。
主なアクション
- Geminiに指示を出す: メールの内容を要約・分析させたり、返信文を生成させたりできます。
- Gmail: メールの送信、返信の下書き作成、ラベル付けなど。
- Google Chat: スペースへのメッセージ投稿。
- Googleスプレッドシート: 新しい行の追加。
- Googleドキュメント: ドキュメントの新規作成や追記。
-
Googleカレンダー: 会議の設定・メンバーの追加
これらのトリガーとアクションを組み合わせることで、アイデア次第で無限の自動化が可能です。
こんなに便利!具体的な活用事例
それでは、実際にどのような業務を自動化できるのか、具体的な例を見ていきましょう。
活用例1:問い合わせ対応を劇的に効率化!
顧客からの問い合わせ対応は、多くの企業にとって重要な業務ですが、時間も手間もかかります。Workspace Flowsを使えば、このプロセスを大幅に効率化できます。
ワークフローの例
- トリガー: Googleフォームで顧客から問い合わせを受信
- アクション1: Geminiが問い合わせ内容を分析し、緊急度(高・中・低)を判定
- アクション2: 担当者のGoogle Chatスペースに、問い合わせ内容の要約と緊急度を通知
- アクション3: Geminiが製品情報や過去の対応履歴をさがすGemを使って、返信メールの下書きを作成
-
アクション4: 作成された下書きを本文にしたGmailを保存
これにより、担当者は問い合わせ内容と緊急度をリアルタイムで把握できます。さらに、ここで真価を発揮するのが、特定の役割を持たせたGemです。
Geminiアプリで製品情報やサポートポリシーを参照する「カスタマーサポートGem」が作られていれば、それを呼び出すことで問い合わせ内容に対して、より専門的で精度の高い返信メールの下書きを自動で作成させることが可能です。
AIが作成した質の高い下書きを元にすることで、担当者は迅速かつ的確な対応が可能になり、ゼロから返信を書く手間が省けるだけでなく、対応品質の標準化にも繋がります。
活用例2:会議前の準備を自動化し、議論を活性化!
「会議が始まる直前になって、慌てて資料を探す…」なんて経験はありませんか?Workspace Flowsを使えば、そんな手間もなくなります。
ワークフローの例
- トリガー: Googleカレンダーの定例会議の5分後
- アクション: 会議に添付されたドキュメント(議事録メモ)をGeminiに要約
- アクション: 関連するGoogle Chatスペースに「〇〇会議のまとめです」と議事録概要を自動で投稿
これだけで、参加者全員に会議で何が話されたか・ネクストアクションなどの情報共有が簡単になります。
会議の事前・事後どちらでもトリガーは設定できるので、事前に要約した情報で会議概要を伝えることもでき「今日何話すんだっけ?」ということもなくなり会議の質がグッと上がりそうですね。
活用例3:新しいメンバーアサイン時の初動を自動化
プロジェクトや課へ新たなメンバーが配属になった時、定例会議のカレンダー追加、各種資料がここにあるよなどの事前事項の共有などなど…やることってありますよね。
ワークフローの例
- トリガー: チャットスペースに新しいメンバーが追加された時
- アクション: プロジェクトのGoogle Chatスペースに新しいメンバーへメンション付きでプロジェクトフォルダや各種資料のリンクを提示、必要な説明を自動で通知
- アクション: 定例会議に新しいメンバーを自動で追加
これにより、新しいメンバーへの情報共有の漏れがなくなりますね。
定例直前にメンバー入れ忘れていた・そういえばファイル共有していなかったね、なんてこともなくなりそうです。
自然言語でフローを作成 広がる可能性
Workspace Flowsでは 「何を自動化したいか」を自然言語で入力するだけで、AIが自動でフローを生成してくれる機能も搭載さています。
「マネージャーからメールが来たら、チャットで通知して」と書くだけで、最適なワークフローを提案してくれそうです。
これにより、誰もが直感的に、より高度な自動化を実現できるようになるでしょう。
まとめ:働き方が変わる、未来が始まる
Google Workspace Flowsは、これまで専門知識が必要だった「自動化」を、すべてのビジネスパーソンに解放し、一人ひとりが自分の働き方をデザインできるようになる、新しい働き方のツールです。
Geminiアプリの時間指定アクションもそうですが、自動化により必要な時に手を動かす必要がなくなり欲しい時に自動でGeminiが情報を与えてくる、そんな使い方が増えてきそうです。
現在はプレビュー版として一部ユーザーへ展開中のみ
6月末頃に早期アクセスのリクエスト(抽選)期間を経て、現在は一部ユーザーへのプレビュー版の展開のみとなっています。続報をお待ちください。
組織全体の働き方が変わるような大きなサービスではないものの、Google Workspace を日頃からご利用されているユーザーの皆様の身近で小さな定型業務の負担が減ることでより付加価値の高い仕事に集中できる ようになると思います。
Google Workspace Flowsが正式にリリースされる日が、今から待ち遠しいですね!
Google Workspace Flowsの情報についてはまた追って発信していきます。
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