「忘れるため」のタスク管理 〜脳の外部メモリ化でストレス解消〜
Zennでははじめまして。
電算システムのアドベントカレンダー5日目担当、この企画のためにZennデビューしたべしべしと申します。
業務効率化とかが好きな、仕事イヤイヤ人間です。
仕事ってイヤじゃないですか?
できることならいっときも考えていたくない。
でも明日とか来週とか何ヶ月後とか何年後とか、未来に発生しまくる。
イヤ過ぎますね。
仕事のことは、なるべく忘れて脳のメモリを減らしたい。
だからこそ私はタスク管理を徹底しています。
「忘れないように頑張る」ではなく 「安心して忘れる(脳のメモリを解放する)」ために、今回は私が実践している「脳をクリアに保つためのタスク管理運用」と、それを支える具体的なツールの活用設定を紹介します。
少しでも「自分もやってみようかな〜」という気持ちになっていただけたら幸いです。
「忘れない」はストレスの種になる
タスク管理とまではいかなくても、メモを残すくらいは誰でもやっているのではないでしょうか。
メモを取ることについて、「忘れないため」「覚えておくため」だと思っている人が多いと思います。
でも実際のところ、それは「忘れるため」にやっているのではないでしょうか?
忘れた時に見て思い出す。そのためのメモです。
逆に、「この後すぐやることだから」とメモを取らずに頭の中に留めてしまうと、「絶対忘れちゃダメ!覚えておかないと!」という気持ちで知らずしらずのうちにストレスが溜まってしまいます。
(あと、ブラウザで仕事してるとタブがたくさん増えるのもストレス⋯)
「忘れない」はストレスだけど、「思い出す」は気持ちいい。
30分後だろうが5分後だろうが、必ずやることが出来たら メモして一旦忘れましょう。
「急ぎじゃなくていいからやっておいて」という作業や、「やれたらいいよね」という作業も。
言うなれば、外部ストレージ(メモ)に書き出し、脳内からは消去するという作業です。
メモしたことを忘れないようにだけしてください。(その対策については後述)
「忘れないように」していると目の前の仕事に集中できない
「忘れるように」すれば目の前の仕事に集中できる
「タスク管理」という言葉に騙されない
ここで言うタスクとは、何かしらのツールによって作られるタスクを指します。
メモだけでも問題ない!メモが無くても問題ない!という方は、超人なのでご自身を誇ってください。
私個人の考えとしては、 仕事に余裕がない、もしくは仕事ができないと感じている人こそタスク管理をするべき です。
そもそも「タスク管理」という呼び方が誤解を生んでいる気がしてなりません。
「タスク自体が大変なのに、その管理までしてられるかよ」ってなりますよね。
私が「タスク管理」を別の言葉に変えてもいいよ!と言われたら、 「タスク補助」 とか 「タスク整理」 、 「タスクアシスト」 という名前に変更します。
「やること(タスク)が多すぎて管理する時間も余裕もないから、ツールにお願いするか〜」という考え方で使われるべきものなのです。
タスク管理ツールには諸々の自動化機能や、最近はAI機能なんかもあるので、日々のタスクの整理をすべてツールにおまかせしちゃいましょう。
そうすることで、 一度忘れた仕事もツールが適切なタイミングで思い出させてくれます。
タスク管理=目の前の仕事に集中するためのもの と認識を改めて見ると、少しネガティブなイメージが消えるのではないでしょうか?
「予定」ではなく「タスク」にする意味
さて、私の思惑どおりであれば、これを読んでいるあなたは既にちょっとタスク管理に興味を持ち始めているはずです。
ここからは、私がタスク管理をする際に気をつけた方がいいかも?という点を書いていきます。
まずお伝えしたいのは、 タスク管理はタスク管理ツールでやった方がよい 、ということです。
(そのためのツールなので当たり前ですが⋯)
たまに、カレンダーツールにタスクを書き込んだり、メモ機能のオプションのような簡易的なTo Doリストでタスク管理をしている人を見かけます。
そのやり方は、なるべくやめておいた方がいいというのが私の意見です。
まず前者について。タスクはタスクであって、予定ではありません。
予定と違って、タスクはスケジュール通りにいかないことも多々あります。
カレンダー機能だけでは、「いつやるべきか」は補えても「それを終わらせたか、終わらせてないか」まで表すことは難しいです。
(できないこともないですが、やや手間かと)
カレンダーは言わばフロー型。タスク管理はストック型であることを意識しましょう。
次に後者について。To Doリストを使えば「いつやるべきか」も「それを終わらせたか、終わらせてないか」もわかるかもしれません。しかし、それを人に共有する機能はあるでしょうか?
意外と「自分だけわかっていればいい」という作業は多くないというか、 「自分以外にも知っておいてもらった方がいい」 という作業の方が多いです。
「メールのCCから担当者が漏れていて、二重で対応してしまった」「チャットでの『これ終わった?』という確認作業が多い」などなど⋯小さなことですがチリツモで時間を取られがちです。
もちろん、毎度通知がいきまくるとかはイヤですが、人のカレンダーを見に行く感覚で「あ、この人この作業終わってるんだな」と気づける仕組みがあるツールを使った方がよいでしょう。
そのあたりをタスク管理ツールは網羅しています。
加えて、その作業で使うファイルや他の人とどんな会話をしたかなど、仕事の情報をタスク内にまとめることができる機能をもったものがほとんどです。
無償で使えるツールも多いので、是非それらを使っていきましょう。
各ツールの棲み分け表
期日ではなく着手日を設定する
タスクを作る際、私は必ず早めに期日を設定します。
正しくは、 「そのタスクを実行開始する日(着手日)を期日にしている」 ですね。
前述の通り、私はタスクを忘れるためにタスク管理をしています。
例えば資料の作成について、実際の期日で設定してしまうと、その期日になってタスクを見た瞬間「えっ。今から作っても間に合わないじゃん⋯」となる訳です。
(今はAIの力で資料作成も爆速とか、一旦そういう話は割愛)
そのため、 期日でないタイミングを期日とすることで早めに思い出すようにしてバッファを設けています。
もしくは、実際の期日をタスクの期日として設定しつつ、その サブタスク でさらに細かく期日設定をしたりもします。
「資料作成」という親タスクに対して、「資料の内容を考える」「資料作成」「資料の展開」というサブタスクなど⋯。
一見面倒なように見えますが、これらは 安心して仕事を忘れるための準備 です。
忘れることに必死なんです。
また、早めに期日を設定していれば超過しても問題ありません。
「最悪明日とか来週でいいや」と気が楽になりやすいのも、早め期日の利点です。
私が使うおすすめツール
ここまで「こういう考え方でタスク管理してます〜」という話をしてきました。
これらの考え方に基づくタスク管理をうまいこと表現できるのが Asana です。
私のタスク一覧
私はAsanaの自動化機能(ルール機能)を使って、以下のようなロジックを組んでいます。
・トリガー: 期日が「今日」になったとき
・アクション: タスクを「今日やること」セクションに移動する
同様に、「期日が明日」なら「明日やること」セクションへ移動させます。「期日が1週間後」も同様。
この自動化により、私は基本的に「今日やること」のセクションだけを見ていればよく、未来のタスクは勝手に目の前に流れてくるから一旦は見なくてもいいという状態が完成します。
つまり、 自分が忘れても Asana が思い出させてくれる 、という仕組みを作ることができるのです。
タスクをクリックすると画面右側に詳細画面が表示される仕様
Asana を使っていて嬉しいのが、どの画面を開いていてもすぐにタスクを作れるという点。Asanaの画面上はもちろん、拡張機能を使えばGoogle ブラウザ上でどんなページを開いていても瞬時にタスクを作れるのが楽。
私はGmail連携もしているのですが、メールを丸々添付する形でタスク作成できるので多用しています。
他にも連携できるアプリがたくさんあるので大変便利。
モバイルアプリもUIが優れているので、外出先でのちょっとしたメモにも最適です。
もちろん他者との共有もスムーズに出来ます。個人的に以下の点が嬉しいポイント。
-
通知を受け取るための「受信トレイ」が充実している
- ⇨見ておきたい通知と不要な通知の仕分けが楽
-
不要な通知は受け取らずに済む
- ⇨メール通知やブラウザ通知などそれぞれ細かく設定可能
-
共有先(コラボレーター)は複数設定できるが、担当者は1名のみ
- ⇨「誰がそれをやるのか」が明確になる
-
いいねを始めとする絵文字ボタンやステッカーのような機能も
- ⇨カジュアルにコミュニケーションできる
受信トレイも見やすい2画面構成
他のツールもいろいろ使ってみましたが、痒いところに手が届くのはAsanaでした。
これまでに挙げた内容をカバーしつつ、+αでいろんなことができるので重宝しています。
常に15個以上は開いていたブラウザのタブが、今は基本3つ4つで済むようになりました。 ありがたや⋯。
タスク管理ツールとして紹介してしまいましたが、Asanaは正しくは ワークマネジメントツール。
プロジェクト管理はもちろん、有償版では複数のプロジェクトを横断管理できたり、業務フローを自動化できるなど、組織内の仕事の連携をスムーズにする機能が豊富にあります。そういう拡張性も魅力です。今後の進化も楽しみにしてます。
まとめ
「タスク管理」という言葉は堅苦しいですが、要は**「脳の外部メモリ化」**です。
仕事に余裕がない、あるいは実装に没頭したい人こそ、タスク管理ツールに記憶を委譲すべきです。
①頭の中のタスクを全て書き出す
②綺麗サッパリ忘れる
③目の前の仕事に集中
④終わったらツールに思い出してもらった次の作業に進む
このフローが回ると、脳のCPUリソースを「覚えること」ではなく「目の前の課題解決」にフルコミットできるようになります。
「タスク管理ツールなんて面倒だ」と思っている方こそ、**「楽をするためのタスク管理」**を試してみてください!
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