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大人の自由研究:どこまでも続く無限の海『円周率』に挑んだ夏

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こちらはDSKアドベントカレンダー202516日目の記事です!🦞

はじめに

私はエンジニアではありません。ですので、この記事は技術的なコードの話やアーキテクチャの話はありません。あるのはただ、「おじさんが生成AIをどんなふうに使っているか」 という、ごく等身大の事例です。

先に、この記事で 得られること と、 得られないこと をお伝えしておきます。

✅ この記事で得られること

  • 日常のちょっとした不便をAIで解決した具体的な事例
  • 企業のユーザー部門(のおじさん)が抱える課題を、AIがどう補完できるかというヒント

🚫 この記事で得られないこと

  • 技術情報や専門技術の解説
  • 明日から業務でバリバリ役に立つAI活用方法
  • GeminiやNotebookLMに関する最新のアップデート情報

今回の記事は、私が「脳の劣化」に抗うべく、Geminiと円周率に挑んだ夏の記録です。

円周率という無限の物語

円周率が好きです。

小学生の頃、初めて「円の周りの長さと直径の比」が無限に続く数字になると聞いたとき、雷に打たれたようなワクワクを覚えました。
円にどれだけ近づいても、永遠に計算しきれない──そんな数学のロマンに、子ども心が完全に掴まれたのです。

円周率を “3.14” で満足している人は、ぜひもう少し先の、美しい数字の世界をご覧ください。
円周率を “3” のまま人生を過ごしている方は、悔い改めてください。今日がその第一歩です。

円周率は、どこまで行っても同じ景色は二度と現れない不思議な数字の羅列です。
黄金比が「美しさの比率」を示すなら、円周率は、 「永遠を持った数字」であり、「人類が一生かけても辿りつけない海」 のような存在です。

「大人の自由研究」

そんな壮大な円周率に挑もうと思ったきっかけは、単純なものでした。 夏だし、新しいことをやりたい。そういえば昔から円周率が好きだったな──そんな気持ちです。

そして何より、最近感じる「脳の劣化」

これに抵抗するために、新しいインプットで脳に負荷をかけたいという思いがありました。
そこで私は、自由研究を始めることにしました。

✏自由研究テーマ:円周率を100桁覚える
100桁(小数点以下第100位  →語感が悪いので、単純に「100桁」と呼ぶことにします)

作戦:週10桁の積み上げ

目標は 100桁

いきなり全て覚えるのは無理でも、毎週10桁ずつ覚えていけば10週間で到達できます。

  • 1週目:10桁
  • 2週目:復習+新規10桁(計20桁)
  • 3週目:復習+新規10桁(計30桁)
    ...
  • 10週目:復習+新規10桁(計100桁)

これなら反復効果もあって、無理なくいけるはず。

立ちふさがった「物理的な壁」

最初のうちは順調でした。
しかし、桁数が増えてくると「あれ、この数字で合ってたっけ?」と不安になります。間違ったまま覚えるのは避けたいので、こまめに答え合わせが必要です。

通勤時間を活用しようと、揺れる電車の中で、スマートフォンやメモを取り出し、正解の数列を目で追っていく・・・

残念、ダメでした。

老眼です
数字がぼやけて見えません🙈🙈

脳を鍛える前に、眼の劣化という現実に直面しました。

救世主、Geminiの登場

「チェックしたいけど、見えない」
(正確には、見えるけど、ボヤけているので合っているか分からない)

このジレンマを解消するために登場したのが、生成AI Gemini です。
私はGeminiに、円周率が正しいか、確認するプロンプトを作成しました。(「カスタムGem」)

私が入力した円周率の数字の並びに間違いがないか、チェックしてください
入力された桁数までのチェックで良いです

例えば、
3.14159 正解
3.1415925 不正解 となります

不正解の場合には、間違えた箇所がわかるように教えてください

やっていることは単純な数字のチェックですが、これが非常に効果的でした。

  • 見えなくても大丈夫: 自分が覚えた数字を打ち込むだけで、合っているか間違っているか(マルバツ)を判定してくれます。
  • データの準備不要: わざわざ正解データを準備する必要はありません。
  • 未来永劫使える: このプロンプトさえあれば、将来もし私が「1億桁覚えたい」と思った時でも、即座にチェック係をしてくれます

AIの使い方としては初歩的かもしれません。でも、「老眼で細かい文字が見えない」というおじさんの課題を、テクノロジーが見事に解決してくれた瞬間でした。

そして、夏が終わる

Geminiという伴走者を得て、私の暗記の旅は順調に進みます。
4週目。通勤電車の中でも、スマホに打ち込むだけで瞬時にチェック完了です。


▲ 老眼でも安心。褒めてくれるのでモチベーションも上がります。


▲ 長い数字列も一瞬で判定。目を細めて小さな数字を追う必要はありません。

そしてついに100桁を達成🥳

当初の予定通り、きっちり10週間で覚えきることができました。
脳の劣化に打ち勝ち、無限の海の一部を自分のものにした達成感は、なかなかのものです。

……しかし、まもなくして、覚えた円周率はすっかり頭から抜け落ちてしまい、今は全然思い出せません。

でも、大丈夫です。Geminiがいます。
また気持ちが乗ったら、あいつと一緒に、あの無限の海へ漕ぎ出します。

おわりに

今回の取り組みは、大それた社会課題に挑んだわけでも、会社の新規事業を生み出したわけでもありません。ただ単に「老眼で細かい文字が見えない」という、極めて個人的で切実な困りごとをAIに相談しただけです。

しかし、そんな小さな「困った」をそっと助けてくれることこそ、テクノロジーの持つ本来の優しさである、そんなことを感じた2025年夏でした。

電算システム 有志

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