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「他社から引き抜かれる人材に」—IS未経験の課長が掲げた目標をチームが実現するまでの軌跡

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これは DSKアドベントカレンダー2025 9日目の記事です。

この投稿では、インサイドセールスについてなにも知らない素人課長が年間商談数300件を達成するインサイドセールスチームをどのように作っていったかをお伝えすると共にチームメンバーへの感謝を伝える内容になっています
誰に需要があるのかわかりませんが、私の回顧録と思ってもらえれば幸いです


🧑‍💻 はじめに:インサイドセールス素人課長の自己紹介

電算システムに入社して、早くも10年目を迎えました、おがた と申します。
簡単に私のキャリアについてご紹介です

2015年に入社し最初の4年間は、法人や文教を対応するフィールドセールスとして従事。

2018年途中から、某総合商社への出向を経験。
ここでは事業投資という形で、事業戦略の立案や推進に深く携わる機会を得ました。
この経験が、現在の私の「戦略的視点」の基礎になっています。
(このような機会をくれた会社に感謝!)

2020年に電算システムへ帰任し、企画マーケティング部に配属。
当時は
「マーケティング」「プロダクト戦略」「パートナー戦略」
といった、事業全体の成長を支える多様な役割を担当していました。

2023年、私は企画マーケティング部の課長に就任しました。

そのタイミングで、社内のセールス組織に属していたインサイドセールスチームが、
私の管轄する企画マーケティング部へ加わることになりました。

そしてここが今回のブログの最も重要なポイントです。

経歴をみてもらった通り、
私自身、インサイドセールスとしての実務経験は一切ありません
インサイドセールスという専門性の高い領域について、
まさになにも知らない素人課長だったわけです。

そんな素人課長が、偉そうに新しくチームとなったメンバーに向けて発信したメッセージは、

1.他社から引き抜かれるような市場価値の高い人材になりましょう。
2.たくさんの経験を積み、成功体験はもちろん、失敗体験もどんどんしましょう。
3.そのために、恐れずにたくさんのチャレンジをしましょう。

こんなメッセージを出してみたものの、
実際どうやってメンバーに業務を進めてもらったらいいんだろうか・・まさに暗中模索


🚀 当時のインサイドセールスチームの状況と直面した課題

さて、素人課長がチームを受け持つことになった当時のインサイドセールスチームの状況と、
私自身が感じた課題についてお話しします。

1.素人課長が見た「順調な滑り出し」と最初の成果
まずは「商談化件数」を目標とし、これまでの活動内容を踏襲することにしました。
具体的な活動内容としては「セミナー参加者へのフォロー」や、
「資料をダウンロードしてくれた方へのフォロー」でした。

以前のインサイドセールスチームは少数アカウントや機器の販売など、
クロージング(契約締結)までインサイドセールスチームで対応してましたが、
その時間を全てフォロー活動に回せるようになった結果、対応件数が格段に増加しました。
半年が経過した頃、昨対比と比較しても商談化件数は着実に増加しており、
私個人としては、
「よしよし、なかなかいいじゃないか」
と安堵していました。

2.素人課長の直感と深刻な課題の表面化
順調に結果が出始めた矢先、ふと疑問が湧きました。

このやり方ってそもそも正しいやり方なんだろうか?
もしかしたら、もっと効率よく結果を出せるやり方があるのではないか?

しかし、インサイドセールス未経験の私にとって、その疑問の答えを探すことは困難でした。
どこにボトルネックがあるのか、こうした方が良いというアドバイスも「素人意見」になってしまい、メンバーへの説得力がないのではないかという不安が常にありました。

  1. メンバーの成長に対する不安
    このままでは、メンバーの心理的不安も加速するのではないかと不安になりました。

このやり方を続けることで、どんなスキルが身につくのだろう?
おがたから言われていた『他社から引き抜かれる人材』になれるのだろうか?

改めて半年間活動してみて痛感した、根本的な課題は以下の2点でした。

「再現性」がないこと: なにが理由で商談化できたか言語化できない状態。
適切なKPIの設定: なにをKPIとして設定したら、効率と質が上がるのかが分からない。

「よしよし」と思っていた表面的な成果の裏側で、
チームは「再現性のない&メンバーが将来に不安を抱えてしまうようなチームになってしまうのではないか」という大きな壁に直面していたのです。


💡 インサイドセールス立ち上げの壁と、最適なパートナー選び

これまで、インサイドセールスを自己流で進めてきたため、専門的な知見を持つ人からのアドバイスが切実に欲しいと感じていました。
しかし、私たちが求めていたのは、単なるアドバイスだけではありません。

  • DSKにとって最適な方法や成功パターンを見つけてくれること。
  • そして、それらを実際に実務に入り込んで構築してくれること。

この「アドバイス」と「実務代行」の両方を提供してくれるパートナーを求めていました。

理想のパートナーとの出会いと依頼の決め手
そんなとき、とある会社が主催するオンラインセミナーに参加したところ、
まさに私たちが求めていた「アドバイス」と「実務」の両方を実現してくれる企業があることを知りました。
早速、その会社と連絡を取り、現在の悩みと具体的な要望を伝えたところ、

過去に同様の立ち上げ実績があること。
DSKと同規模の会社、同等のサービスラインナップを扱った経験があること。

これらが確認できたため、この会社に支援をお願いすることを決めました。


🎯 具体的な取り組み

私たちは、インサイドセールス組織が将来にわたって成果を出し続けられるよう、
3つのテーマで支援会社と取り組みを始めました。

1.「再現性」を実現するための体制づくり

  • リード対応における優先度付けの実施:
    過去の実績を詳細に分析し、効果の高いリードへの対応にリソースを集中できるよう仕組化
  • トークスクリプトの再編と改善:
    チャネルごとに改善ポイントの洗い出し、トークスクリプトの再編、アウト返し集の作成を実施。定期的なロープレを通じて定着化を図る

2.適切なKPI設定と達成するための取り組み

  • 管理項目とSFAの記載ルールの整備:
    SFA(営業支援システム)の管理項目を作成し、データの記載ルールを徹底することで、
    正確な現状把握を可能にする
  • 歩留まり改善のアプローチ検討:
    どこでリードが滞留しているかを明確にし、それを改善するための具体的なアプローチを検討

3.自走できる組織になるためのオンボーディング体制の構築

  • 各種資料のマニュアル化:
    トークスクリプトやSFAへの記入方法など、基本的な業務に必要な資料をマニュアル化
  • オンボーディングスケジュールの可視化:
    新しいメンバーがスムーズに業務に入れるよう、
    独り立ちまでのオンボーディングスケジュールを明確にし、早期戦力化を可能にしました。

✨ プロジェクトによる圧倒的な成果

今回の支援の結果、早速効果が現れてきました!

🚀 成果1:商談創出数が前年比 200% 増加!
特筆すべきは、この成果が人員増によるものではないという点です。
既存メンバーの活動のが向上した結果、この飛躍的な伸びを実現しました。

以前のコール数は月間300件程度でしたが、現在は400〜500件に増加しています。
しかし、商談数はそれ以上に伸びており、プロジェクト開始当初から目標としていた
「1回のコールで複数の商材の提案ができる組織」になるという目標を達成。
量の増加だけでなく、活動の質が向上した結果だと実感しています。

⚙️ 成果2:再現性の実現とマネジメント力の強化
組織的な仕組みが整備され、再現性のある体制が確立しました。

対応のためのマニュアルやスクリプトが整備されたことで、
誰でも一定レベルの業務を遂行できるようになりました。

チームリーダーは、日次・週次・月次で「どこを、どのように進捗確認すれば良いか」が
明確になり、目標に対する「リカバリー手段」も複数習得したことで、
目標達成に向けた柔軟な対応ができるようになりました。

再現性を実現できた結果、商談化の数が安定するようになり、
事業計画の精度向上にも貢献しています。

🌟 成果3:メンバーの意識と行動の変革
最も大きな変化の一つは、メンバー全員の意識が大きく変わったことです。

以前は目標数値があっても達成方法が不明確でしたが、
現在は月次・週次で必要なアクションが明確になったことにより、
メンバーから自発的な改善提案も出てくるようになりました。

業界経験がゼロで入社したメンバーも、目標と「やるべきこと」が明確になったため、
業務に余裕をもって取り組むことができ、高いモチベーションを維持しています。


🚀 今後の展望:成功モデルを横展開

この1年間の取り組みで得られた「再現性のある成功モデル」を、
今後は当社の事業全体へと広げていきたいと思っています。

1.ノウハウを他プロダクトへ展開
これまで効果が出やすい商材からインサイドセールスを強化してきましたが、
まだ全てのプロダクトを網羅できていません。このプロジェクトで培ったノウハウ、マニュアル、そして成功パターンを、現在取り扱っている他のプロダクトへ順次展開し、組織全体の売上向上に貢献したいと考えています。

2.自走モデルを他部門へ展開
インサイドセールスチームの運営においては、支援会社から教えてもらった目標設定や進捗管理の考え方が十分に浸透し、チームが自走できる状態に向けて着実に前進していると確信しています。
今後は、このインサイドセールス部門で確立した
定量的な目標達成とメンバーの成長を両立する成功モデルを他部門にも展開し、
当社の組織全体の成長に貢献していくことが目標です。


💖 チームメンバーへの感謝

ここまでお読みいただいた方はお気づきかと思いますが、
私自身がなにかメンバーに教えたことはありません。

チームとして、個人としてどうしたら成長できるかを考え、その最善の手段を手配したり、調整したりしたことぐらいしかしてないです。

しかし結果として、チームの定量的な数字は今年も前年比を大きく更新でき、
個人のスキルや考え方も大幅にアップデートできたと強く感じています。

なんの説得力もない私の進んでいきたい方向に何も文句を言わずついてきてくれたチームメンバーに感謝です。改めてチームメンバーに支えられていたと実感しています

今回の取り組みが、メンバーの皆にとって大きな自信になったり、次のステップへ進むための成長の糧、他社でも通用するためのスキルや経験になってくれたら、とても嬉しいです。

アドベントカレンダーを通じて、改めて今回のプロジェクトを振り返ることができました。
運営事務局に改めて感謝申し上げます。

ここまで読んでいただきありがとうございました!またどこかでお会いしましょう!

電算システム 有志

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