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生成AIを活用した効率的プロジェクト参画

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はじめに


こんにちは。
開発部でエンジニアをしている西尾です。
今年5月にDeltaXに入社しました。
入社してすぐの課題といえば、新しい会社やプロジェクトに参画する際の技術習得です。
技術習得は多くのエンジニアが異動や転職の度に直面する課題です。
今までは積み重ねてきた経験や知識を基盤として技術習得を進めていくことがほとんどでした。
しかし、ChatGPTやClaude、GitHub Copilotなどに代表される生成AIツールが普及しつつある中、この状況は大きく改善されつつあります。
本記事では生成AIを活用した効率的な技術習得について、実際の経験をもとに書かせていただければと思います。

従来の技術習得における課題

一般論として技術習得における課題として、以下のようなものが挙げられます。

1. 時間的コストの高さ

大規模なプロジェクトでは、基本的な構成を理解するだけで2〜3週間。
実際に手を動かして作業できるようになるまで1ヶ月以上かかることも珍しくありません。

2. 認知的負荷の高さ

  • 複雑なアーキテクチャパターン
  • 独自のフレームワークや内製ツール
  • 暗黙のルールや設計思想
  • ビジネスロジックの複雑な仕様

これらの要素を同時に理解しようとすると、大きな認知的負荷がかかります。

3. 質問機会の制約

チームメンバーに質問することは重要です。
しかし、メンバーの予定が詰まっているなどで、必要なタイミングで質問できない場合があります。
結果として、一人で悩む時間が長くなり、学習効率が低下することもあります。

生成AIツールによる改善

上記のような課題を克服し、早期に作業を開始するため、生成AIツールを活用することにしました。
私は主にClaude DesktopとClaude Codeを使用しています。
以降の説明は上記を用いたものとなります。

1. コードの即座な解説

Claude Codeなどの生成AIツールの最大の強みは、画面上のコードを直接参照しながらインタラクティブに作業できることです。
従来であれば、複雑なメソッドの理解に30分以上を要していた場面でも、画面共有機能を活用することで迅速かつ正確な解説を得られます。
ファイルを指定して「このコードの動作を説明して」と質問すると、数秒で解説とともに、各パラメータの意味やロジックの的確な解説を得ることができます。

2. プロジェクト全体像把握支援

プロジェクトのディレクトリ構造を把握させることで主要機能、技術スタックを始め、ディレクトリ構造や各層でどのような役割を担っているかを想定以上の早さで把握することができます。
弊社のプロダクトはMonorepoで管理されており、開発ドキュメントをリポジトリ内に集約する環境が自然とできていたこともプラスに繋がりました。
また、フルリモートベースの働き方に起因してか各モジュールにドキュメントが充実していたことも生成AIとの相性の良さに繋がっているように感じます。

3. 開発支援

Claude Codeはターミナル上でのコーディング作業を直接サポートしてくれるツールです。
新規参画時によくある「環境構築」や「初回のコード修正」といった場面で威力を発揮します。
入社したての場合、コードのどこを修正するかのみならず、プロジェクト全体の内容をある程度把握した上で、どのように実装するかを考慮してコーディングする必要があります。
生成AIツールを利用し、自然言語で指示を出すと既存のコードベースの構造を理解した上で、適切な修正を提案・実行してくれます。
「どのファイルのどの部分を修正すればいいのか」を修正内容と照らし合わせて把握できることは、新規参画者にとって本当に助かります。

実際の成果と効果

生成AIツールの活用により、技術習得期間の短縮、実装開始までのリードタイムの減少、質問頻度の最適化など様々な効果がありました。
その中でも特に強調したいのは理解の深さが向上したことです。
Claude Codeとの対話を通じて、コードの表面的な動作だけでなく、設計思想や最適化のポイントまで理解できるようになりました。
また、この過程で生成AIツールを用いた開発に慣れると共に、ドキュメンテーションの量を今までより自然に増やしていきました。
入社前に関わったプロジェクトでは、ルートディレクトリに申し訳ない程度のREADME.mdが書かれているだけというケースもありました。しかし、必要に応じて各モジュールごとに作成し、更新していくなど、リポジトリ内に情報が集約され、迷いながら開発することが圧倒的に少なくなったように感じます。

まとめ

生成AIツールは継続的に進化しており、今後さらに高度なサポートが期待されます。
より精密なコード解析、プロジェクト全体の把握に基づくアドバイス、パフォーマンス改善の提案など、更なる機能向上が見込まれます。
ただし、このツールはあくまで支援ツールであり、エンジニアとしての基礎的な技術力の向上と、チームメンバーとの協力関係の構築は変わらず重要であることを念頭に置く必要があります。
生成AIツールの活用により、技術習得をはじめとする様々な工程を大幅に効率化することが見込めます。
それだけでなく、従来と比較して短期間でより深い理解に到達することができ、チームへの貢献開始時期を早めることが可能になっています。

私は入社するまで生成AIツールをあまり利用していませんでした。しかし、今では使わずに業務を行うことが考えられないくらい利用しており、日々より効率的に成果を出すにはどうしたら良いか試行錯誤を繰り返す充実した毎日を過ごしています。
今後もツールのみならず様々な知見を吸収し、より成長していけるよう努力していきます。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

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