Claude Code + MCPの関係図解:2025年3月版
はじめに
皆さん、AIエージェントを使ったコーディングしていますか?
私もここ半年ほどいくつかのツールを使って生成AIと共にコードを書くことを試してきましたが、2025年3月時点ではCline + OpenRouter(主にClaude 3.7 Sonnet API)の組み合わせが一番信頼が高く快適にコードを書けると感じています。しかしClaude 3.7 Sonnet APIは料金が比較的高く、思う存分使いこなせないという課題を抱え始めるようになってきました。
このAPI利用に加えて個人でClaude Proもサブスクリプション契約しており、これだけですでに月額$20(約3,000円)を支払っています。
そこで、より効率的な料金プランを模索していたところ、興味深い解決策に出会いました。
より効率的な選択肢:ClaudeのLLMを月額固定料金で使用する方法
一方2025年3月頃から、「Claude DesktopがMCPクライアントとしてふるまい、Claude CodeをMCPサーバーとして登録すると、使用量に関わらずClaude Proの料金だけで済む」という方法が話題になっています。 私もせっかくClaude Proをサブスクリプション契約しているのだから、この方法を試さない手はありません。ということで自分の環境でもセットアップし利用してみたところ、Clineの操作性には劣るもののコードの生成や解析など自体は十分優秀でした。もちろん、Claude Proを契約することによりコーディング以外でも様々な用途に使うことができるので(ちなみに今回の記事の図もClaude3.7 Sonnetに描いてもらいました)、当分この組み合わせメインで行こうと思います。
図解してみた
しかし、この仕組みを構築するのに先立って、料金体系や各サービス間の関係性、どのシナリオで追加料金が発生するのかが分かりづらいと感じたので図解してみました。
下の図はClaudeの主な利用シナリオと料金体系を示しています。青色で示された「Claude Pro契約 + Claude Desktop経由でClaude Code利用」パターンでは月額固定料金のみで利用可能なのに対し、他の2つのシナリオでは従量課金のAPI利用料が発生します。色分けは料金タイプを表し、矢印は各サービス間の接続関係を示しています。それぞれのシナリオについて詳しく見ていきましょう。
各シナリオの説明
シナリオ1: Claude Pro契約 + Claude Desktop経由でClaude Code利用
このシナリオでは、まずClaude Pro(月額$20)を契約します。次にClaude Desktopアプリを使用し、その内蔵されたMCPクライアント機能を通じてMCPサーバーとして起動したClaude Codeに接続します。この方法では、Claude Codeの利用量に関わらず月額固定の$20のみで利用できます。コーディング作業を頻繁に行う方にとっては最も費用対効果の高い選択肢です。
シナリオ2: Claude Code単独利用
Claude Codeを単独で直接利用する場合、それはAPI経由で接続します。この場合、使用するトークン量に応じた従量課金が発生します。頻繁に使用する場合、コストが急速に増加する可能性があります。特に大規模なコード生成や長時間の使用では、料金が高額になることがあるため注意が必要です。
シナリオ3: クライアントApp経由(Cline等)
ClineなどのサードパーティアプリケーションからClaude APIを利用する場合も、使用量に応じた従量課金が発生します。これらのアプリは便利なインターフェースを提供しますが、バックエンドでは私のアカウントに紐づくClaude APIを呼び出しているため、使用した分だけ料金がかかります。料金はAPI使用量に基づいて計算され、OpenRouterなどのサービスを介して利用する場合もあります。
用語解説
Claude Pro
Anthropic社が提供するClaude AIの有料サブスクリプションサービス。月額$20(約3,000円)で、通常版よりも高速なレスポンス、長文処理能力、優先アクセスなどの特典が得られます。Claude DesktopやClaude Webアプリのフル機能を利用できます。
Claude Desktop
PCにインストールして使用するClaude AIのデスクトップアプリケーション。ウェブブラウザを経由せずに直接Claudeと対話できます。Claude Proのサブスクリプションをすることによって「開発者モード」が使えるようになり、それによって内蔵のMCPクライアント機能を使えるようになり、Claude Codeとの連携が可能です。
Claude Code
プログラミングや開発作業に特化したClaude AIのツール。コード生成、デバッグ、リファクタリングなどの作業をAIのサポートで効率化できます。単体で使用する場合はAPI課金が発生しますが、Claude Desktop経由で利用すれば追加料金なしで使用可能です。Claude CodeはMCPクライアントとしても、MCPサーバーとしても使うことができます。なお2025年3月時点ではプレビュー扱いです。
Claude API
開発者向けのプログラムインターフェース。自社アプリケーションやサービスにClaude AIの機能を組み込むためのツールです。従量課金制で、使用量に応じて料金が発生します。Claude 3.7 Sonnetなど、モデルによって価格設定が異なります。
MCPサーバー
Model Context Protocol(MCP)を介して生成AIモデルと接続することができ、それぞれのサービスは生成AIからのリクエストに応えることができます。Claude CodeはMCPサーバーとして機能し、MCPクライアントからの要求を処理します。Claude Desktop内のMCPクライアントと連携することで、APIを介さない直接的なClaudeの生成AIモデルとの通信が可能になります。
MCPクライアント
MCPのクライアント機能としてふるまいAIモデルを操作するためのインターフェースを提供します。Claude DesktopにはこのMCPクライアント機能が内蔵されており、これを介してClaude CodeなどのMCPサービスに接続できます。
まとめ
Claude(Anthropic)からは様々なコンセプト、サービスが立て続けに発表されています。似たような名前や概念が多く混乱しがちなので自分の理解の整理も兼ねて図解してみました。この記事が誰かの参考になれば幸いです。
また、この方法を活用すれば、Claude Proの月額料金だけでClaude Codeの強力な機能を無制限に使えるようになります。特にプログラミングやコンテンツ生成を頻繁に行う方には、大幅なコスト削減につながるでしょう。ぜひ試してみてください!
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