re2c

re2cは、PHPのソースコード（php-src）をビルドする際に、特にApache用のモジュールを生成するために必要なツールです。以下に、re2cがどのような役割を果たすのかを詳しく説明します。

役割と必要性

• レキサーの生成: re2cは、正規表現を用いて字句解析器（レキサー）を生成します。PHPのソースコード内で使用されるトークンを解析するために、効率的なレキサーが必要です。これにより、PHPの構文解析が迅速かつ正確に行われます。

• パフォーマンスの向上: re2cを使用することで、生成されるレキサーは非常に高速になります。これは、PHPの実行時におけるパフォーマンスを向上させるために重要です。特に、Apacheモジュールとして動作するPHPは、リクエストを迅速に処理する必要があります。

• メンテナンスの容易さ: re2cを使用することで、PHPのソースコードのメンテナンスが容易になります。正規表現を使ってトークンを定義することで、コードの可読性が向上し、新しいトークンや構文を追加する際の作業が簡素化されます。

devtoolset

devtoolsetは、Red Hat Enterprise Linux（RHEL）およびCentOSプラットフォーム向けに提供される開発者向けのツールセットです。このツールセットは、古いバージョンのOSに新しい開発ツールを提供するために設計されており、特にGNU Compiler Collection（GCC）やGDBなどの最新バージョンを含んでいます。

主な特徴

• 新しいコンパイラの提供: devtoolsetは、古いOSバージョンに対して新しいコンパイラやライブラリを提供します。例えば、CentOS 7の標準のGCCは4.8.5ですが、devtoolsetを使用することで、より新しいバージョンのGCCを利用することができます[1][15]。

• ソフトウェアコレクション: devtoolsetは、Red Hatのソフトウェアコレクション（Software Collections）フレームワークの一部として提供されており、これによりOS本体とは独立して新しいソフトウェアをインストールし、使用することが可能です[2][3]。

• 複数のバージョンのサポート: devtoolsetは、複数のバージョンが存在し、各バージョンは特定のGCCのメジャーバージョンに対応しています。例えば、devtoolset-7、devtoolset-8、devtoolset-9などがあり、これらはそれぞれ異なるGCCのバージョンを提供します[5][11]。

使用方法

devtoolsetを使用するには、まず必要なパッケージをインストールし、次に環境を有効化する必要があります。以下は一般的な手順です：

1. リポジトリの設定: devtoolsetをインストールするためのリポジトリを有効にします。

2. パッケージのインストール: yumコマンドを使用して、必要なdevtoolsetパッケージをインストールします。

3. 環境の有効化: scl enable devtoolset-<version> bashコマンドを使用して、指定したバージョンのdevtoolset環境を有効にします。

これにより、最新の開発ツールを使用しながら、安定したOS環境を維持することができます[4][6][10]。