Exastro IT Automationを入れると何が良くなるのかを説明してみる
Exastro IT Automation(以下ITA)というNEC社謹製のOSSがあります。
これを入れると何が良くなるのかを調べたので過程を残します。
公式?
github公式?
※Ver.1.x系列とVer.2.x系列があり、1.xを前提とした記事も多いので要注意です
何をするソフトウェアか
公式を見た方が早いかもしれませんが、「情報システムのインフラ(サーバ・NW・OS・MWなど)を構築・運用する業務フローの負担を最小化する」ためのSWと解釈しています。
誰のためのソフトウェアか
SIer、及びそこからサービスの供給を受けるユーザ企業の情シス担当者がメインターゲットと思われます。後述しますが、システムに対して何か変更作業をするときに作業手順書やチェックリストを作っているようなユースケースに対して威力を発揮しそうです。
どうよくなるのか
より正確にはgithub公式?の座学編が参考になりますが、自分なりにざっくり動作を解釈しました。
従来の作業
作業手順書などのドキュメントを主に動いているインフラ担当者は、下図のような日々の繰り返しではないでしょうか。
2台のサーバのホスト名変更やパッケージ更新を例に挙げました。
ドキュメント・手動作業中心で、作業自体にもミスが発生しますし、作業後の関係する全ドキュメント修正でもミスは発生し得ます。このようなことを繰り返すと、ゆくゆくはシステム全体の品質低下が危惧されます。
ITAによる改善
ITAを入れるとこうなります。
ITAは日々の作業の中で発生する繰り返しに着目・部品化し、再利用性を高めることでインフラの初期構築や運用作業の生産性を向上します。
自動化、という文脈ではRedhat Ansible Automation PlatoformやTerraform、もしくは各クラウドサービスプロバイダの自動化ツールがよく話題に出てきます。ITAはそれらのツールを包含しながら、(SIer系システムの)より上流・下流工程までカバーしたSWと捉えています。
(Exastro公式?の全体図参照)
ここには画像を出していませんが、GUIによるアニメーションはグリグリ動いてすごいです。
注意を要する点
ITAはSIer系システムの生産性向上に特化したSWであると認識しています。世の中でAnsibleやTerraformを使ったいわゆるIaCによる生産性向上の取り組み発表には、そもそも手順書やパラメータシートという概念が出てこないことが多いです。仮にそうであれば、ITAによって得られる成果は、Web系の企業で取り組んでいるようなモダンな開発・運用プロセスまで至ることを逆に難しくするSWであるとも考えています。公式?の全体図左下にはこのSWに対するインプットとしてドキュメントやGUIが登場します。つまり、
- 社内外のルールや商習慣によりスプレッドシート等の所謂ドキュメントが必須であること
- 例えば、請負契約によりドキュメントを納品することが定められており、受発注者間の最終的なインタフェースはドキュメントでなければならないこと
- UIはCUIよりGUIの方が好みというインフラ担当社員のITスキルレベル[1]と、企業としてそのスキルレベルを人材戦略上是としていること
というような社内環境がある状況で、威力を発揮するSWかなあと思いました。このSWを導入して業務フローを改善していくのであれば、商習慣や社内のドキュメント系のプロセスまで含めてどこまで変えるのか/変えないのかをしっかり考えたうえで進めるのが良いと思います。
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このあたりは議論があるかもしれません。好みというならよいですが、GUIじゃないと使えません、というのはスキルレベルが低い状態ではないでしょうか。また、個人的には、GUIになるとそれより上流工程は自動化を諦めることと同義なのでは、と考えています。エンドユーザがGUIを求めるのは勿論ですが、SWエンジニアが必要とするんですかね・・ ↩︎
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