📓

【書評】「技術書」の読書術 〜達人が教える選び方・読み方・情報発信&共有のコツとテクニック〜

2024/01/08に公開

https://amzn.to/3tykurs

はじめに(読もうとしたきっかけなど)

これまで度々本によるインプットは行ってたが、以下のような問題を抱えていた。

  • 読み終えたけど、身についている気がしない。
  • 内容が難しく、途中で読むのを止めてしまう。

今後、継続的に本によるインプットをしていきたいと思い、まず手始めに「技術書の読み方」を見直そうと思い、本書を手に取った。

本の構成

数多くの技術書を執筆されている、「増井敏克さん」「IPUSHIRONさん」が以下項目について、各々の視点で解説している。

  • 第1部:選び方
    • 1-1:あらゆる手段で本を見つける!書店の歩き方からITツールの活用法まで(増井さん)
    • 1-2:世界が広がる!貪欲に本を求めれば、出会うはずがない本にも出会える(IPUSHIRONさん)
  • 第2部:読み方
    • 2-1:比べて、使い分ける。時間をムダにせず理解を深める(増井さん)
    • 2-2:ルール無用。精読、多読、乱読し、読書の枠を超えてゆけ(IPUSHIRONさん)
  • 第3部:情報発信&共有
    • 3-1:成長のチャンスはアウトプットにあり(増井さん)
    • 3-2:アウトプットも「遅すぎる」ことはない(IPUSHIRONさん)

オススメ度:★★★☆☆(3/5)

あまり多くの技術書を読んでこなかった身としては役立つTIPS・ヒントが得られて良かったが、日頃から技術書を読んでいる人、中級者以上の方にとっては目新しい内容ではなさそう。また、著者のお二人は技術書に限らず「読書」自体が趣味なこともあり、かなり尖った内容も含まれているため、自分にとっては参考にならない内容も多数あった。(この辺りは、著者の方も自分に合ったものを実践していくべしと記載されている。)

勉強(参考)になったこと

各章で勉強(参考)になったことを以下にまとめる。

第1部:選び方

レベル感のあった本を選ぶ

技術習得には、自分のスキルから見て少し難しい本であれば効果的に学習できる。
最初は順調でも途中から難しく理解できない場合は、完全に理解することはやめ、最後までざっくりと目を通す。
その後、つまづいた内容について他の本や資料で調べる。

オライリー本がサブスクで読める

「O'Rreilly online learning」のサービスから一部日本語版のオライリー本(100冊超)が読める。
サブスク価格は月額約50ドル(年額499ドル)と高めだが、まとめてオライリー本が読む場合にはペイできる。
年額プランは年2回ほど200ドルのセールを行っているので、このタイミングで入るとよさそう。

第2部:読み方

1つのテーマで3冊の本を読む

「物事がドミノ倒し現象のようにつながっていく性質を理解するには、「2」の発想ではなく、「3」の発想が大切」

2つではその間の関係しか見えないが、3つから先に発想が広がっていく。
具体例として、

・「入門書」「専門書」「逆引き」のように視点が異なる本を読む。
・入門書を3冊見比べる

3冊とも載っている内容は超重要事項、他に載っていない場合は著者が類書と比べて差別化したいこと等、複数本読んだからこそ気づくことができる。
新しい技術を学ぶ場合も、複数の本を読むことで、ある本でわからない部分があっても他の本を読むことで解決することがある。さらに、ほぼ同じ内容が書かれている部分を一気に読み進めることができるメリットもある。

本の価値を時給換算する(サンクコストを考える)

少し読んでみて、合わない本は流し読みして終える。(無理して読んでも身につかないと思うなら、時間をかけても仕方がない。)
大事なのは「今」に自分に合っていないだけで、今その本に時間をかけるのではなく、数年後読み直してみるのも選択肢の1つとして捉える。
また、自分には物足りないレベル感の本でも後輩や初学者に教えるときに役立つこともある。

同じ本を何度も読む

①1度目はざっと流し読みをする

最初はとりあえず1冊の本にかかれている内容を把握するために読む。(「そんな機能があるんだな」くらいで読み飛ばしていく。)
この流し読みで全体像が読み取れない、内容がまったくわからない場合はその本を読むレベルに達していないということがわかる。(サンクコストを考えると、その本を読むのを止め、入門書へ切り替える。)
簡単な場合は、もっと難しい本を選ぶ or 気になった部分だけもう一度注意深く読む。

②2度目は手を動かしながら読む

実際にソースコードを入力したり、データベース・サーバーを構築して試してみる。

③3度目はノートにまとめながら読む

その本で注目したいポイントを整理しておく。2度目と3度目を分けるのは、後に振り返って手を動かすことで身につくことが多いため。(勉強の予習・復習の考え方)

過去に読んだ本を再読して成長を実感する

①過去にレベルが高いと感じた本を再読する。

以前よりスムーズに読み進められたのであれば、成長した証。

②過去に学び終えた本を再読する。

以前の読書では見落としていた箇所を発見することがある。既知の情報を頭で整理し直すことで、理解を深めたり新たな知見を得られる。

時間制限読書法

90分以内に1冊を読了する目標を掲げて読書をすることで、以下の効果を得ることができる。

・集中して読書できる
・締め切り効果でやるべきことを終わらせられる。
・悪書のリスク低減
・速読の訓練

速読のテクニック(全部読む必要はない)

・全体像を把握する必要があれば、目次を読む
・謝辞は飛ばす
・まえがき、あとがきは読む
・章末の箇条書き、本文中の太字、イラスト、表は注目する
・ひらがなは読み飛ばす(技術書は漢字、カタカナが重要)
・接続詞「順接」は注視する。
・接続詞「逆接」は注視する。
・接続詞「並列」「言換」は読み飛ばして良い。

第3部:情報発信&共有

本の内容をアウトプットしないと間違いに気づかない。
アウトプットする際には。「自分の視点」が大事。
「インプット → アウトプット → 改善」のサイクルを意識する。特に「改善」が軽視されがち。

GitHubで編集を提案

Discussion