Agentforce Analyticsのためのセマンティックレイヤー設定
セマンティックレイヤーの設定が必要な理由
Data Cloud上に収集、蓄積したデータをTableau NextやAgentforce Analyticsで分析することが可能です。しかしAgentは分析するデータについての知見を必ずしも持ち合わせているわけではありません。
Agentがデータを容易に分析できるように、ビジネスやドメイン特有のデータを理解できるような形で意味付けをする必要があります。これはデータのデータなのでメタデータとも呼ばれます。そのメタデータ設定を行うのがセマンティックレイヤーの機能になっています。
ベストプラクティスを見ていこう
実はセマンティックレイヤーの設定をする際に、埋め込まれたリンクからドキュメントへアクセスすることができます。ドキュメントへアクセスするための経路と重要なポイントについてご紹介いたします。
AIモデルのためのセマンティックレイヤー設計ベストプラクティス
画面左上のこちらのボタンから

分析エージェントの準備メニューに入りこちらの一番下にベストプラクティスへのリンクがあります。※分析エージェント = Agent Analyticsですね。

こちらのPDFドキュメントは公開サイトにリンクが無いか探してみたのですが、現時点では見つけられずこちらからアクセスする他ないようです。
Best Practices for Designing Semantic Models for AI Readiness
では、早速内容を見ていきましょう
Define Clear Object and Field Names Labelsのセクションを読むとオブジェクトや列名はわかりやすい名称をつけることが推奨されています。API名と表示ラベル名の両方をAgentは参照しているようです。
さらに読み進めていきます。セマンティックレイヤーはTableau Nextや標準レポートからアクセスしてBIのためのデータソースとしても利用できますが、Supported Semantic Model Featuresのセクションを読むとAgentから利用する際には特有の制約があることがわかります。
To guarantee compatibility with Agentforce for Analytics, make sure your semantic model adheres to
the following:
- DMOs Only: The semantic model should contain Data Model Objects (DMOs). Data Lake Objects (DLOs) and Calculated Insights (CIs) aren't currently supported.
- Full Relationship Map: The semantic model must contain a complete and accurate
relationship map of your data
1.分析用のAgentはDMOのみが現在は対応していて、Data CloudにあるDLOや計算済インサイトはサポート対象外であること
2.すべてのDMOにリレーション設定が必要なこと
がわかります。
ここから計算済インサイト同様の設定をする場合は、DMOから計算フィールドをセマンティックレイヤー内で定義する必要があることがわかります。
DMOのみがサポートされている点と先に記載のあったラベル名やAPI名についてここで少し考えてみます。
Data Cloudに取り込んだ段階でDLOの列名やAPI名がAgentに分かりづらい場合でもDMOにマッピングする際にデータを整えることで、Agentに対してのデータの解釈しやすさを担保できそうです。
さらに読み進めるとManage Similar Calculated FieldsのセクションにはAgentが混乱しないように類似や重複する計算フィールドの設定を避けるべきとの記載もあります。
Calculated fields with similar or overlapping logic can lead to misinterpretation of the semantic model.
ビジネス設定を追加するためのベストプラクティス
次に各DMOや列だけでなく、全体に対して影響する設定についても確認していきます。
画面左上のこちらのボタンから

ビジネス設定のための画面が立ち上がります。
先ほどと同じくベストプラクティスのリンクがありますのでこちらをクリックすると今度はHelpページが立ち上がります。

Helpページ:Best Practices for Adding Business Preferences
このページは25年10月下旬時点では日本語の翻訳が最新になっていないためか、英語版のページの方が内容が充実しています。
・ # ではじめること
・小さくスタートしてテストをしながら継続的に改善すること
Testing and Iteration
Optimizing business preferences is an iterative process. Experiment with different instructions and observe the agent's responses to learn what works best for your model and your users.
Start small: Begin with simple business preferences before adding more complex logic.
Test your agent: After adding a business preference, test the agent’s response.
Iterate gradually: Add more business preferences one by one, testing the agent’s response after each addition.
・計算フィールドとの使い分け
※表形式のためHelpページより抜粋しキャプチャ、日本語版に記載無し

あたりはまず確認しておくと良さそうです。
設定する箇所は中々多いですが、機能アップデートともにこれらのドキュメントもアップデートされていくと考えられますので、随時確認していきたいですね。
※本記事は、私が所属する会社とは一切関係のない事柄です。
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