ABテストをDataCloudで実現する方法~概要編
TL;DR
DataCloudを用いてセグメントを任意の割合でランダム分割して配信したい場合、一度公開したセグメントに対してデータ変換/計算済インサイトでランダム値を付与することで実現が可能
コントロールグループとターゲットグループ
マーケティングにおいてA/Bテストを行う際、対象となる顧客を
従来から変更を加えない施策を実行する「コントロールグループ(以下CG)」と
変更を加えた施策を実行する「ターゲットグループ(以下TG)」に分けたい場合があります。
例として
「直近1か月で購入があったお客様のうち、ランダムな10%の顧客をTG、残り90%をCGとして設定したい」
という要件があった場合、どのように実現するかをこちらの記事では記載していきます。
その前に:Marketing Cloudで出来るんじゃないの?
Salesforce Marketing Cloud Engagement(以下MCE)に詳しい方の中には、見出しのような疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思います。
結論として、MCEでTG/CGを割り振ることが可能です。
ご参考:https://handsonsfmc.com/2024/07/28/how-to-configure-the-random-split-activity-in-journey-builder/
一方で、MCEをご利用されていない方はもちろん、MCEをご利用されている方でもMCE以外に配信したい場合にはDataCloud内でTG/CGを設定することで、MCEに限らず様々な連携先で活用できるというメリットがあります。
全体の流れ
DataCloudでの処理の流れは下記のようになります。
要件例:直近1か月で購入があったお客様のうち、ランダムな10%の顧客をTG、残り90%をCGとして設定したい
1.セグメント作成:
母集団となるセグメントを作成する(例:「直近1か月で購入があったお客様」)
2.データ変換作成:
1で公開したセグメントを参照する形で母集団データを退避。
あわせて一意な文字列を付与
3.計算済みインサイト作成:
2で作成した計算済みインサイトを参照する形で、顧客にランダムIDを割り振る
4.セグメント作成:
3で割り振ったランダム値を元に、セグメントを作成する
今回はここまで。
次回は実際にどのようにDataCloud内で実装していくかをご紹介いたします。
※本記事は、私が所属する会社とは一切関係のない事柄です。
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