単位分数の和が1(Juliaで解いてみた!)
はじめに
2020年の年末に生徒から問題が送られてきました。さっそく考えてみます。
このとき,
を示せ。
Juliaで調べてみる
手で書いていってもいいのですが,Juliaで調べてみることにしました。
function aa1(n)
for x=1:n,y=1:n
if gcd(x,y)==1 && x+y>=n+1
println(x,",",y)
end
end
end
aa1(10)
1,10
2,9
3,8
3,10
4,7
4,9
5,6
5,7
5,8
5,9
6,5
6,7
7,4
7,5
7,6
7,8
7,9
7,10
8,3
8,5
8,7
8,9
9,2
9,4
9,5
9,7
9,8
9,10
10,1
10,3
10,7
10,9
を示せばよさそうです。関数を修正します。また,和が
function aa2(n)
s=0
for x=1:n,y=x+1:n
if gcd(x,y)==1 && x+y>=n+1
s= s+ 1/(x*y)
println(x,",",y,",",x*y)
end
end
println(s)
end
aa2(10)
1,10,10
2,9,18
3,8,24
3,10,30
4,7,28
4,9,36
5,6,30
5,7,35
5,8,40
5,9,45
6,7,42
7,8,56
7,9,63
7,10,70
8,9,72
9,10,90
0.5
n が1から8までのまとめ
-
のときはn=1 (x,y)=(1,1)
-
のときはn=2 (x,y)=(1,2)
aa2(3)
1,3,3
2,3,6
0.5
-
のときはn=3 (x,y)=(1,3),(2,3)
aa2(4)
1,4,4
2,3,6
3,4,12
0.49999999999999994
-
のときはn=4 (x,y)=(1,4),(2,3),(3,4)
aa2(5)
1,5,5
2,5,10
3,4,12
3,5,15
4,5,20
0.5
-
のときはn=5 (x,y)=(1,5),(2,5),(3,4),(3,5),(4,5)
aa2(6)
1,6,6
2,5,10
3,4,12
3,5,15
4,5,20
5,6,30
0.49999999999999994
-
のときはn=6 (x,y)=(1,6),(2,5),(3,4),(3,5),(4,5),(5,6)
aa2(7)
1,7,7
2,7,14
3,5,15
3,7,21
4,5,20
4,7,28
5,6,30
5,7,35
6,7,42
0.5
-
のときはn=7 (x,y)=(1,7),(2,7),(3,5),(3,7),(4,5),(4,7),(5,6),(5,7),(6,7)
aa2(8)
1,8,8
2,7,14
3,7,21
3,8,24
4,5,20
4,7,28
5,6,30
5,7,35
5,8,40
6,7,42
7,8,56
0.49999999999999994
-
のときはn=8 (x,y)=(1,8),(2,7),(3,7),(3,8),(4,5),(4,7),(5,6),(5,7),(5,8),(6,7),(7,8)
しかし,この後方針がわからず,2,3日停滞する。
Webで調べたこと
この停滞期にWebで調べたことをまとめます。
これらの中で
を用いて変形することが書かれており,この方針でいけばいいのかな?と思って,チェックしていきました。
しかし,
は説明できない変形が出てきました。
その後も
とでてきたので,違うロジックが必要なのだと理解しました。
そして,そもそも,
今回とは関係なかったのですが,1を2桁までの単位分数の和で表す話は面白かったです。
解答に向かって
解答の鍵となったのは
-
のとき,n=k である。k+1\leqq x+y\leqq 2k
とする。
-
のとき,n=k+1 である。k+2\leqq x+y\leqq 2k+2 -
の中で,\bigstar のものそのまま使える。p_r+q_r\geqq k+2 -
の中で,\bigstar のものはp_r+q_r= k+1
-
とすればよい。
このとき,
である。また,
よって,
よって,
Discussion
こんにちは、この問題はとてもおもしろいですね!
30分ぐらい、図を描いていたら解けました。参考まで。
(定石っぽいですが、n(=k)を増やした時にはみ出す部分と増える部分の対応を取りました。)
これ、どうやって気づいたんだろう、ということに興味がわきました。センスのある生徒さんですね。
※あまりにも日本語になっていなかったので補足
黄色のセルの→と↓にある緑のセルの和を計算すると、黄色のセルの値になります。その計算を図の下の方に書いていました。このような対応付をすると、黄色のセルと緑のセル2つの対応がつき、したがって全体の総和としても対応がつくので、和の値が一定=1になるということで、数学的帰納法によって示される、という事でした。