自宅サーバとインターネットの思い出
はじめに
インターネット老人会 Advent Calendar 2023の記事を読んでいて大変懐かしい気持ちになりました。ちょうど一日目が空いていたので、急遽飛び入りで自分の思い出をちょっと書いてみます。
2000年頃
私のインターネットとの邂逅は2000年、大学入学時でした。引っ越しと同時に今は亡きGATEWAY2000のPCを購入し、プロバイダは入学手続きかなにかでCDが配られていた無料ISPのライブドア(あの有名なライブドア社ではない)にしました。
まだテレホーダイ全盛期で常時接続はめずらしい時代でしたが、東京めたりっく通信のADSLサービスが始まり、初期の提供範囲にたまたま入っていた(マンションのとなりが電話局だった)ことから結構早く常時接続になりました。
初代サーバ: Libretto 100
最初のサーバは東芝製のノートPC Libretto 100でした。ヤフオクで入手してHDDだけ換装しました。当時Pentium4が1GHzを軽く超えていた時代にMMX Pentium 166MHzはたいへん遅かったですが、逆にカーネルチューニングやコンパイルオプションの調整などやるきっかけにもなりました。
OSは最初Omoikane Linuxでした。これは当時の開発会社が大学の近くにあってなにか紹介があった気がします。ただDebian系のスタイルがあまりしっくりこず、早々にFreeBSDに移行しました。
DNSはminiDNSのダイナミックDNSで、サービスとしてはWeb(Apache)とメールサーバ(qmail)を運用していました。
二代目サーバ: OpenBlocks(型番不明)
しばらくして、大学の友人から「しばらく留学するからこれ(OpenBlocks)貸しとく。勝手に使っていいよ」と渡されたので移行することにしました。
CPUはPowerPC系だった気がします。先代からメモリが結構増えて快適になりました。
このころ東京めたりっく通信は経営破綻し、ソフトバンクに買収、回線とISPはYahoo!BBになりました。
三代目サーバ: VAIOノート 505
しばらくして友人が帰国してOpenBlocksを返すことになったので、次世代機としてVAIOノート 505をヤフオクで購入して移行しました。
OpenBlocksを運用してして気づいたこととして、自宅サーバとして古いノートPCは結構向いていて
- バッテリーがUPS代わりになる
- ディスプレイ、キーボード、タッチパッドがありメンテが楽
- 閉じておけばじゃまにならない
- 古くて非力な分発熱せず静か
ということでノートPCサーバに戻ってきました。
このころにOSはGentoo Linuxに変えています。emerge -uDN world
でのOSアップデートは(特にgccの更新が絡むと)一週間くらいかかっていました。
四代目サーバ: fit-PC Slim
三代目は結構息が長く就職後も数年使っていたのですが、結婚のための引越を期に新調することにしました。
一人暮らしならそのへんにノートPCを置いてつけっぱなしでもなんの問題もありませんが、二人暮らしとなると収納性も重要となります。
そこでOpenBlocksと同様のファンレス小型PCとして fit-PC Slim に移行しました。
CPUはGeode LXというAMDが出していた組み込み向けのx86互換プロセッサです。いわゆるi686相当の命令セットではなく、i586相当だったのでインターネットで配布されているバイナリは動かないことも多かったですが、Gentooで自家ビルドする分にはあまり問題はありませんでした。
回線はずっとADSLだったのですが、マンション購入によりフレッツ光になりました。ここでプロバイダをAsahiNetに変えています。これは固定IPオプションが安かったためです。ここに来てようやくダイナミックDNSから解放されました。
固定IPになったということで、自宅用にドメイン取得しました。運用はGehirn DNSです。当時はまだWeb APIで設定変更できるDNSサービスはめずらしく、いろいろとスクリプトを書いたりしました。
五代目サーバ: NUC
これが現役のサーバになります。ちょうど職場のサーバをVMware ESXiの仮想化環境にしたので自宅でもしたくなり、Geodeでは動かないので移行しました。
現在はもはやWebもメールも運用しておらず、自宅ネットワークへのVPNや、コンソールが欲しい時用のSSHくらいになっています。
メールサーバもスパム対策などいろいろあり個人で運用するにはなかなか大変な時代になりました。
おわりに
というわけで2000年からの20年、自宅のインターネット環境とサーバについて振り返ってみました。
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