Rustのドキュメント翻訳プロジェクト rust-lang-translations.org
はじめに
Rust の翻訳ドキュメントを公式にマージする取り組みをしばらくやっていますが、「やりたいんだけど現状は人手不足で無理」という形で断られることが多くなってきました。
RustのGitHubに集まる人というのは基本的には言語開発に興味のある人たちなので、時間がたっても翻訳に割り当てられるリソースが増えることはあまり期待できません。
そこで、公式へのマージはいったんあきらめて、それとは別に全言語の翻訳ドキュメントを集めるサイトを作ってみることにしました。
もしこのプロジェクトに多くの人が集まって、専属のメンテナーなども確保できるようになれば、それをもって再度公式へのマージも試みられるかもしれませんし、逆に全く集まらなければそれはそれで翻訳への需要はあまりないということになる(「機械翻訳で十分」になってきている可能性も十分ありそうです)のかな、と思っています。
というわけで以下がプロジェクトのサイトです。
特徴
これまでドキュメントごと、言語ごとに個別に行われてきた翻訳プロジェクトに対して、このプロジェクトの特徴は以下のようになります。
全てのドキュメント / 全ての言語
現時点で https://doc.rust-lang.org 以下にホストされている全てのドキュメントに対応しています。また、それ以外のドキュメントも簡単に追加可能です。さらに日本語に限らず任意の言語を追加できます。
常に最新
これまでの翻訳では、公式の更新と共に内容が古くなってしまっていました。それに対してこのプロジェクトではベースとなる公式ドキュメントを自動的に更新するので常に最新の内容であることが保証されます。その代わり、新しく追加されるなどして未翻訳の文章は英語のまま表示されます。英語表示になっている部分に気づいたユーザが翻訳に貢献することもできると思います。
言語選択可能
全てのドキュメントの全ページに言語セレクタが付いており、簡単に原文の表示に切り替えることができます。
翻訳者に優しいワークフロー
CIや翻訳の更新をサポートするコマンドラインツールなどが整備されており、翻訳者は翻訳以外の作業をせずに済みます。また、各翻訳プロジェクトが個別に作業を行う場合と異なり、このプロジェクトにおけるワークフローの改善は全言語の翻訳者に効果があります。
2025/02/05 追記
POEditor という翻訳プラットフォームを提供しているところがOSSなら無料ということで、使えるようにしてもらいました。以下のようにWebから翻訳の追加や更新が可能になりました。
おわりに
もし翻訳に興味がある方がいらっしゃいましたら、ぜひご協力ください。
翻訳に参加されたい方は以下のZulipの #translation ストリームでお声がけいただけるといいかもしれません。
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