量子エンジニア資格を取得した話
はじめに
はじめまして。データアナリティクスラボ株式会社データソリューション事業部の関田です。
私は普段の業務で量子コンピューティングを用いた最適化や数理最適化、そして深層学習などを扱っています。この業務経験をきっかけに、量子コンピューティングに興味を持ち勉強するようになりました。
そして先日、日本量子コンピューティング協会が実施する量子エンジニア資格検定に合格しました!
今回は、量子エンジニア資格についての紹介をさせていただきます。
※こちらの記事で紹介している内容は、2024年7月時点での情報です。講座や資格検定の内容は変更となる可能性があるため、興味を持たれた方は公式HP等で最新の情報を参照してください。
量子エンジニア資格検定とは
量子エンジニア資格検定とは日本量子コンピューティング協会が実施する資格検定で、ゲート式とアニーリング式の2種類あります。
ゲート式やアニーリング式というのは量子コンピュータの種類です。量子コンピュータという点では同じですが、それぞれできることや実装方法が異なるため別物として扱われています。
後ほどそれぞれの試験についてもう少し詳しく紹介しますが、どちらも各量子コンピュータの基礎的な実装ができることを証明する資格となっております。
私はこれら両試験に合格しました。
合格して資格認定を受けた人は日本量子コンピューティング協会のHPに掲載され、わたくし関田も載ることができました。
ちなみに、日本量子コンピューティング協会は以下のように述べており、上記のエンジニア資格以外にもさまざまな講座やサービスを提供しています。
量子コンピューティングに関する知識を有し、事業活用する人材(ジェネラリスト)と、量子コンピューティングを実装する人材(エンジニア)の育成を目指します。各々に必要な知識やスキルセットを定義し、資格試験を行うとともに、協会が認定した事業者が各種講座を通じて、トレーニングを提供します。
量子エンジニア(ゲート式)資格検定
認定試験について
ゲート式の資格検定は、2024年5月22日より開始されました。
受検は誰でも可能なようですが、認定試験についての情報を得るためにはconnpassの「量子エンジニア(ゲート式)講座」へ参加登録する必要があります(2024年7月時点)。
しばらくは無料ですし受検が必須なわけでもないので、気になる方はぜひ受講登録をしてみてください。
※2025年7月以降、受検は有料化されるようです。
合格体験記
私は3回に渡るこの講座をすべて受講した後、初開催の検定で合格しました。
ゲート式に関しては講座を受講するまであまり勉強したことがなかったのですが、受講しながら実際に手を動かしてみたことで、基礎的な量子ゲートの動きや実装の仕方を学ぶことができました。
本講座は量子力学の知識を前提としないので、しっかり考える力があればどなたでも受講して理解できると思います。
量子エンジニア(アニーリング式)資格検定
認定試験について
アニーリング式の検定は2023年から実施されており、いつでも誰でも受検可能です。
受検に事前申請等は必要なく、Torch TytanのGitHubで公開されている問題を解いて提出します。
難易度は基礎力を確かめるのにちょうどよいと思います。
QUBO[1]実装をよく理解していれば難なく解くことができます。逆にQUBOに慣れていない場合は、実装の方針や具体的な方法を考えるのが大変かもしれません。
問題にポケモンが出てきたりするので、解ければより一層楽しいです。
ゲート式同様、講座が開講されているので、慣れていない方はそちらを受講してから受検するのがよいかと思います。
合格体験記
私は業務経験やTytanで遊んだことがありQUBOの実装に慣れていたため、講座を受講せずに合格しました。
上でも述べた通り、十分学んだ経験があり基礎をしっかり理解していれば解ける問題です。
また、ゲート式がそうであったように、全くの初学者でも講座で学べば解けるようになると思います。
おわりに
今回は日本量子コンピューティング協会が実施する量子エンジニア資格検定について紹介しました。
量子コンピュータ業界はこれからどんどん大きくなっていくことが期待されているので、ぜひ量子エンジニアの門を叩いてみてください!
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QUBO (Quadratic Unconstrained Binary Optimization, 二次制約なしバイナリ最適化) ↩︎
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