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新技術導入後の負債化についての自分の結論とAIの回答と感想

に公開

技術的負債の解釈は2パターンあるみたいですが、今回は技術の陳腐化に対して使っています。
https://t-wada.hatenablog.jp/entry/ward-explains-debt-metaphor

新技術導入時に思うこと

少数の技術者がノリで新技術を導入して、その人たちが辞めた後に誰もメンテできない状態になったという話をまぁまぁ聞きます。

自分の過去も踏まえると、

将来の陳腐化も考えると、新技術が負債化するのを防ぐことはできない。
なので、新技術導入の是非は最終的にはそこに集まっている開発者たちの支持で決まるのでは?

と思いました。

上記をAIにも聞いてみようかな?と、Gemini2.5 proに聞いてみたら結構示唆に富む内容が得られたので共有です。

AIの回答

ご意見ありがとうございます。「将来の陳腐化も考えると、新技術が負債化するのを防ぐことはできない」というご意見は、技術的負債の本質を鋭く捉えています。その上で、「新技術導入の是非は最終的には開発者の支持率で決まる」という結論に至られた点について、専門的な観点から解説します。

その結論は、技術的負債のリスクを管理する上で極めて重要な一面を捉えていますが、それだけが全てではありません。全体像を理解するために、ご意見を2つのパートに分けて考えてみましょう。

1. 「新技術が負債化するのを防ぐことはできない」という点について

このご意見は、技術的負債の分類を考えると非常に的確です。技術的負債には、意図せず発生する「無計画な負債」だけでなく、技術の進歩やビジネスモデルの変化によって生じる**「避けられない技術的負債」**という種類が存在します。

  • 技術の陳腐化: 今日の最新技術が明日には時代遅れになることは、技術の進歩が続く限り避けられません。
  • 環境の変化: 導入時には予見できなかったビジネスの変化や、より優れた標準技術の登場によって、当初は最適だった選択が負債に変わることもあります。

したがって、「負債化を完全に防ぐ(ゼロにする)ことはできない」というのは正しい認識です。重要なのは、負債の発生を前提とした上で、それをいかに管理し、計画的に返済していくかという視点です。自社でソフトウェアを開発する以上、技術的負債がゼロになることはありません。

2. 「是非は開発者の支持率で決まる」という点について

このご意見は、技術的負債が「人」や「チーム」の問題と密接に結びついていることを示しており、非常に重要です。しかし、最終的な是非を「支持率」という一点に集約するには、いくつかの重要な側面が見過ごされる可能性があります。

なぜ「開発者の支持」が重要なのか

まず、ご指摘の通り、開発チームの支持は成功の必須条件と言えます。

  • チームワークと生産性: メンバーが納得し、共通の目標に向かって協力することで、初めてチームワークが機能します。支持のない技術は、チーム内に分断を生み、コミュニケーションコストを増大させ、生産性を低下させます。
  • 品質とモチベーション: 押し付けられた技術に対しては、開発者の学習意欲や品質向上へのモチベーションが上がりません。結果として、質の低いコードやドキュメント不足といった「無計画な技術的負債」が蓄積されやすくなります。
  • 属人化の防止: チーム全体で知識を共有し、コードレビューなどの規律を守る文化は、支持があってこそ成り立ちます。支持がなければ、導入を主導した一部の人しか触れないブラックボックスとなり、その人がいなくなれば即座に負債と化します。

「支持率」だけでは決まらない他の重要な要因

一方で、たとえ開発チームの全員が賛成したとしても、以下の要因が欠けていれば、その新技術は結局「悪い負債」になってしまう可能性があります。

  • 経営の意思決定と戦略
    DXの成功事例を見ると、多くの場合、経営者が明確なビジョンを持ってDXを推進し、必要な予算や人材育成に投資しています。新技術の導入が、どのような経営課題を解決し、ビジネス価値に貢献するのかという戦略的な目的がなければ、単なる技術者の自己満足に終わりかねません。

  • ビジネス価値への貢献
    新技術導入に期待される効果として、多くの企業は「トータルコストの縮減」や「収益の増加」を挙げています。開発者の支持が高くても、ビジネス上のリターンが見込めなければ、その投資は正当化されません。

  • 導入プロセスと負債の管理体制
    支持を得て導入を決めた後、どのように運用していくかが重要です。コード規約の策定、定期的なリファクタリング、単体テストの実施、知識ライブラリの整備といった負債を管理する仕組みがなければ、支持があっても現場は混乱し、徐々に負債は蓄積していきます。

結論

「開発者の支持」は、新技術が健全な資産となるためのエンジンのようなものです。エンジンがなければ前には進めず、無理に動かそうとすれば壊れてしまいます。その意味で、支持率は極めて重要な指標です。

しかし、そのエンジンをどこへ向かわせるかという**地図(経営戦略)と、安全に走り続けるための整備(管理プロセス)**がなければ、目的地にはたどり着けません。

したがって、新技術導入の是非は、

  • Why(なぜ導入するのか): 経営戦略とビジネス価値
  • Who(誰が使うのか): 開発者の支持とチームワーク
  • How(どう運用するのか): 負債を管理するプロセス

この3つの要素を総合的に判断して決めるべきものと言えるでしょう。「開発者の支持」はその中核をなす要素ですが、それだけで成否が決まるわけではない、というのがより包括的な見方です。

感想

ビジネス価値に貢献するのかという戦略的な目的がなければ、単なる技術者の自己満足に終わりかねません。
開発者の支持が高くても、ビジネス上のリターンが見込めなければ、その投資は正当化されません。

たしかに、最終決定権は経営トップにあるし、会社の利益を増やさないと自分らの給料も上がらないので、会社の流れに即しているのか?というのも重要だなと思いました。

あと、導入後の運用プロセスも重要とありますが、こちらは開発者が使っていくぞ!!となれば、必然的に整備するものだから、開発者支持でまとめちゃってよいかなと。

なので結論、

  • 会社のコスト削減や価値向上や利益向上に結びついていること
  • 開発者の支持

新技術導入時は、上記2つを考えて導入していけたら良いのでは?と思いました。

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