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# 1.3 Vue 3 の特徴:業務システムに向いている理由

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1. 学習コストが低い

Vue はシンプルな記法と直感的な構成が特徴。
HTML に近い構造で書けるため、初学者でも取り組みやすい。
特に内製化の観点では「チームが早く慣れること」が重要であり、Vue はこの点で大きな優位性がある。

さらに AI 活用という観点でも、AI が生成するコードを理解・修正しやすい という利点がある。
Vue のコードは React よりもとっつきやすく、チーム全体で共有・合意しやすい。


2. React / Angular と比較したときの優位性

フロントエンドの主要な選択肢としては React や Angular もあったが、調査の結果 Vue を選んだ。

  • React

    • 採用事例が多くエコシステムも巨大
    • ただし JSX 記法や hooks など React 独自の概念を理解する必要があり、コードも初心者には読みづらい
  • Angular

    • エンタープライズ向けに強力な機能が揃っている
    • ただし TypeScript 前提で、学習コストが最も高い
  • Vue

    • HTML/CSS/JS の延長で理解でき、最も学習コストが低い
    • React に比べて記法がシンプルで直感的
    • 内製化メンバーが短期間で戦力化しやすい

👉 「小規模体制の内製開発 × AI を活用しながら進める」という前提に最もフィットしたのが Vue だった。


3. コンポーネント指向

Vue はコンポーネント単位で画面を構築できる。
UI 部品を再利用可能な形でまとめられるため、保守性と開発効率が高い。

共通部品の変更が全体に即時反映されるため、運用フェーズでのメンテナンスも容易。
また AI が生成したコード片もコンポーネント単位に切り出しておけば、安全に検証・採用できる。


4. リアクティブなデータバインディング

状態を更新すれば自動的に画面が反映される仕組みを持つ。
API から取得したデータをそのままバインドするだけで表示が更新されるため、無駄な DOM 操作が不要。
「検索条件を変更したら一覧が即反映」「入力チェックを即時に表示」といった業務アプリに不可欠な UI が簡単に実現できる。


5. Composition API

Vue 3 から導入された Composition API によって、ロジックの分離と再利用が容易になった。
Options API より柔軟で、状態管理や複雑な UI 処理に強い。
結果として 大規模業務システムにも耐えられる構成 を取りやすい。
AI が出力したコードも、Composition API 単位で整理すれば安全に取り込める。


6. 豊富なエコシステム

Vue には SPA 開発に必要な周辺ライブラリが揃っている。

  • Vue Router(画面遷移管理)
  • Pinia / Vuex(状態管理)
  • Vuetify / Element Plus / Tailwind CSS(UI ライブラリ)

これらを組み合わせることで、フロントエンドの開発を効率化できる。
AI が生成する断片的なコードも、既存ライブラリと組み合わせてすぐに検証可能。


7. Nuxt を使わなかった理由

Vue には Nuxt という包括的なフレームワークがあり、SSR(サーバーサイドレンダリング)や静的サイト生成(SSG)といった高度な仕組みを備えている。
正直に言えば当初は Nuxt の存在を詳しく知らず、Vue 単体で開発を始めていた。

ただ実際に業務システムを刷新してみた結果、Nuxt を使わなくても特に支障はなかった
業務アプリは SSR よりも SPA の快適さや API 連携のしやすさが重視されるため、Vue 単体で十分だった。

もちろん将来的に SEO や SSR が必要になる場面があれば Nuxt を採用する選択肢もあるが、現状の内製開発では Vue 単体のシンプルさがちょうど良いと感じている。


8. モバイル・レスポンシブ対応がしやすい

SPA と組み合わせることで、タブレットやスマホでも快適な操作感を実現可能。
Web 上で ネイティブアプリに近い UI/UX を構築でき、工場や営業現場など PC 以外の利用シーンにも対応できる。


まとめ

Vue 3 の特徴は:

  • 学習コストが低く、React や Angular よりとっつきやすい
  • コンポーネント指向とエコシステム による効率的な開発
  • リアクティブ / Composition API による大規模対応力
  • モバイル対応 による現場フィット
  • Nuxt を必須とせず、Vue 単体でも十分運用可能

さらに、AI が生成したコードを 理解・整理・部分採用しやすい構造 を持つため、AI 活用を前提とした内製開発にも向いている。

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