月$9払ってでもHeptabaseに課金する理由
Heptabaseというサービスが非常に良いので課金した。
これサービスの良さを誰かに伝えたいという気持ちになったのでここに残す。
ちなみに詳細な説明記事ではないので、詳しい機能などを知りたい方は公式ページあるいは他の方の素晴らしくよくまとまった記事を見てほしい。
Heptabaseって何?
いわゆるナレッジマネジメントシステムに属するサービス。
雑に言うと、Miroのように感覚的に使うことができ、Notionのような書き心地を持ち、Obsidianのようにラフに情報を溜め込むことができる。
他に都合の良い概念が思い当たらなかったので「ナレッジマネジメントシステム」と書いたが、それよりも「思考整理/知識定着のための道具」と捉えた方が適切。
イメージしづらいかもしれないので、以下に私がHeptabaseを使っている様子を貼る。
本記事はHeptabase上で整理した情報を元に書いている。
公式トップに Heptabase empowers you to visually make sense of your learning, research, and projects.
とあるので、「視覚的に理解する」ことにフォーカスしているのが分かる。
所感
コンセプトが良く、またコンセプトを体現したUIが非常に気持ち良い。
コンセプトに則り情報を整理することで単なるデータ/情報を知識へ昇華させることができるのでGood。
この辺のコアコンセプトやメンタルモデルは公式Wikiに丁寧に書かれている。
公式Wikiの中でも特に The best way to acquire knowledge from readingsを読むと魅力と価値が伝わると思う。
これまでNotion、Obsidianなどと色々試してきたが、Heptabaseが一番しっくりきている。
洗練されたUIは勿論、自分がこの手のサービスに求め続けてきた以下の要件を満たしていることが大きい。
-
シンプルで分かりやすい機能/インターフェースであること
- どこにどう書くか?もっと改善するにはどうしたらいいか?といったことで悩み時間を割きたくない
- 何でもできるツールは強いが、自分のスタイルや日々のワークフローにマッチさせ続けないと破綻する
- Obsidianにあるプラグインといった存在は嬉しい反面苦しみももたらす
-
雑な情報を残すことを許容できること
- = 丁寧に書こうとすることそのものに意味を持たないツールであること
- 自分はキレイにノートを取りたくなってしまう癖があるのでそれを機能的に避けたかった
- 思考整理/知識定着の補助になること
しかしながらこのサービス、ちょっとお高い。
年額プランで月額約$9する。(2024/05時点の日本円で約1,400円)
個人でNotionやObsidianを使っている人にはかなり勇気がいる金額なんじゃないかと思っている。
なぜHeptabaseなのか?
つまり「なぜ月額$9を払ってでも選ぶのか?」という話。
前述した要件を満たすというのが大きな理由。
ただその中でも特に「思考整理/知識定着」に関して期待以上の結果をもたらしたことが決め手。
情報の可視化がこれほどまでに知識定着に寄与するのか…と驚いている。
「テキストを列挙したものよりグラフィカルな方が理解しやすい」というのは頭では分かっていても、実際に体験すると全く話が違う。
どこに何があったか、そこに何が書かれていたか、といったことが視覚的に記憶できるので、内容を思い出すのも早い。
これは単なるノートツールではできなかったこと。
「じゃあMiroでいいじゃん」となりそうだが、その辺は以下の点でHeptabaseに軍配が挙がっている。
- カードに何でも書ける
- ホワイトボード内外でカードを再利用できる
勿論、各サービスごとにコンセプトが異なるので単純な比較に意味は無い。
この辺の感覚は実際にHeptabaseを使ってもらうほうが早いと思うので、7日間の無料体験で触れてみることをオススメする。
どう使っているのか?
今のところは以下のような用途で使っている。
日々の記録
Heptabaseには「Journal」というノート機能があるのでこれを使っている。
要はObsidianのデイリーノート。
とにもかくにもまずはここに書く。
書いたものもドラッグアンドドロップでホワイトボードに移動させられるので非常に整理が楽。
読書ログ
画像は実際にログを取った様子。(短いが書籍から抜粋したフレーズも書かれているので念の為にぼかしている)
1枚のノートにまとめるだけだとこれまでと変わらない。前述した公式Wikiを参考に整理して理解を深めるようにしている。
- 気になったフレーズをひたすらメモる
- その中でも特に気になったフレーズをカードにする
- 近い意味合いを持つカード同士を近くに置く
- 束ねる概念を言語化してカードにし、フレーズのカードに紐付ける
- 他の本や別で得た知識で関連するものがあればまた紐付ける
ちなみにHeptabaseだと作ったカードをホワイトボード内外で再利用できるので、「紐付ける線がグチャグチャになる」といったことを全く気にする必要がない。
学びの整理
書籍以外からの学びも同様に整理している。
画像は放送大学で学んでいるコンピューターサイエンス周りの情報を少しずつ整理している様子。
最初からアトミックなカードを作ろうとすると挫折すると感じたので、基本は以下のような方針で進めることが多い。
- とりあえず気になった事項に関しての記事URLや情報をひたすら1カードに貼る
- 途中で「関連するが別の事柄」が出てきたら、また別のカードを作ってそこにひたすら関連する記事URLや情報を貼る
- 1~2を繰り返す中で理解が深まってくるので、更にカードを切り出したり紐付けたり、自分の言葉を用いてカードの内容を洗練させたりする
- ざっくり整理できたらホワイトボード内にセクションを切って関連するカードを集約する
思考整理
知識がどうとかは関係なくただの考え事にも使っている。
画像は今後のキャリアの検討と、それを短期の課題に変換していたときの一部分。
最初は1つのカードにびっしりとテキストを書いていたが、それだとこれまでと何も変わらないと気付いてアトミックなカードに切り出すような運用に変えた。
「カードの具体的な中身が無くてもいい」と気付いてからは非常に楽に使えている。
気になる所
GoodもあればMoreもある。
Good比べると些細だが、ちょっとだけ気になっているところもあるので列挙する。
-
モノによっては微妙に直感から外れる操作感のものがある
- 例)
- ホワイトボード上でカードをダブルクリックしても編集モードにならない
- ホワイトボード上でDelを押してカードを消すだけだと「カードライブラリ」には残り続ける
- このせいでホワイトボード上で誤って作ってしまったカードを消すのに3ステップか必要
- 例)
-
NotionやObsidianでは実現できた「ちょっとした便利な機能」がまだ存在しない
- 例)URLを貼ったら勝手に遷移先のタイトルを取ってきてくれる、など
-
キーボードショートカットをカスタマイズできない
- Mac側で設定すればできるのかもしれないけど、別のキーとの競合などを考えたりとの手間もありちょっと腰が重い
-
Vimモードが無い
- 一方で「 .vimrc のカスタマイズに時間をかけてしまう」といったことが無いのでGoodにもなり得る
-
ホワイトボードに配置したカードをサッと整列してくれない
- 右揃えや左揃えみたいなものはあるが、よしなにやってくれる機能は無い
- 逆にキレイになりきることが無いので(自分のような)完璧主義者こそ助かる要素かも
- どうあがいても完璧になることがない → ある程度受け入れるしかないので諦められる
- やはり他と比べると値段が高い
まとめ
Heptabaseは高い。が、それをもって尚余りある価値を提供してくれるサービスだった。
何にせよ年払いしたこともあり今後しばらくの相棒になると思う。
これまでの類似のサービスで挫折してきた人にこそ挑戦してみてほしい。
7日間の無料体験があるので是非。
Appendix
導入前に参考にしたページや記事
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