Googleの対話型AIエージェント「Gemini CLI」を使ってみた
はじめに
Googleから、開発者向けの新しい対話型AIエージェント「Gemini CLI」が公開されたようです。
しかも、かなり無料枠が用意されているみたい。
Gemini CLIの基本的な使い方や特徴、そして実際に少し触ってみて感じた良い点などをまとめます。
※この記事も自分のメモを元にGemini CLIに書かせている点だけご注意ください。
使い方
1. 前提条件
Node.js
の v18以上がインストールされている必要があります。
2. インストール
npx
を使って直接実行するか、グローバルにインストールします。
# npxで直接実行
npx https://github.com/google-gemini/gemini-cli
または
# npmでグローバルインストール
npm install -g @google/gemini-cli
3. セットアップ
インストール後、簡単な初期設定を行います。
- テーマの選択
- Googleアカウントでのログイン
Login with Googleを選択すると、ブラウザが立ち上がってGoogleの認証を求められます。
これだけでセットアップ完了です。
無料でGemini 2.5 Proを 1分間に最大60回、1日に最大1000回 までリクエストできます。
ここでは紹介しませんが、いろいろコマンドも用意されているみたいです。
プロジェクトのコンテキストを伝える「GEMINI.md」
Claude Codeにおける CLAUDE.md
と同様に、Gemini CLIにもプロジェクトのコンテキストをAIに伝えるための GEMINI.md
というファイルが用意されています。
このファイルにプロジェクトのコーディングスタイル、使用ライブラリ、アーキテクチャパターンなどを記述しておくことで、AIがより文脈に沿った的確なサポートを提供してくれるようになります。
以下は、Gemini CLIが教えてくれた GEMINI.md
の記載内容例です。
### 1. コーディングスタイルとフォーマット
- **インデント:** 「インデントはスペース4つを使用する」
- **命名規則:** 「変数名や関数名はキャメルケース (camelCase) で記述する」
- **リンター/フォーマッター:** 「このプロジェクトでは Prettier と ESLint を使用します。設定は `.prettierrc` と `.eslintrc.js` に従ってください」
- **コメント:** 「公開APIにはJSDoc形式でコメントを記述すること」
### 2. 使用するライブラリとフレームワーク
- **UIフレームワーク:** 「フロントエンドは React と TypeScript で構築する」
- **状態管理:** 「状態管理ライブラリは Zustand を採用しており、Redux は使用しない」
- **テスト:** 「テストフレームワークは Vitest と React Testing Library を使用する。Jest や Mocha は使わないこと」
- **API通信:** 「APIクライアントには axios ではなく、標準の `fetch` API をラップしたカスタムフックを使用する」
### 3. アーキテクチャと設計パターン
- **ディレクトリ構造:** 「Reactコンポーネントは `src/components` 以下に、features ごとにディレクトリを分けて配置する(Feature-Sliced Design)」
- **設計原則:** 「コンポーネントは Atomic Design の思想に基づいて設計する」
- **状態管理の場所:** 「グローバルな状態は `src/store` に、コンポーネントローカルな状態は各コンポーネント内で管理する」
### 4. 開発ワークフローと規約
- **コミットメッセージ:** 「コミットメッセージは Conventional Commits の規約に従うこと(例: `feat: 新しいログイン機能を追加`)」
- **ブランチ戦略:** 「機能開発は `feature/` プレフィックスを付けたブランチで行う」
- **機能追加のルール:** 「新しい機能を追加する際は、必ず対応する単体テストとE2Eテストを作成すること」
使ってみた感想(Claude Codeとの比較)
実際に少し触ってみて、特に良いと感じた点をいくつか紹介します。
1. コンテキストウィンドウが大きい
Gemini CLIは 100万トークン という非常に大きなコンテキストウィンドウを持っています。
Claude Codeでは、比較的すぐにコンテキストが上限に達してしまい、auto compactされることに少しストレスを感じていましたが、Gemini CLIではその心配が少なく、快適に使えそうです。
2. 応答速度が速い
実際に計測したわけではないので体感値ですが、Claude Codeと比較して応答速度が速いと感じました。
そして指示したことにちゃんと従ってくれていそうで、勝手に暴走して余計なことをしない印象。
3. 自律的なWeb検索
AIが持つ学習データだけでは答えられない場合、必要に応じて自律的にWeb検索を行い、最新の情報を元に回答を生成してくれるようです。
(ただし、試した時点ではClaude Code自体のことは知らなかったようです...)
まとめ
Claude Codeを「解約」の2文字が頭をちらついたけど、しばらくはClaude CodeとGemini CLI両方を使ってみて、より良い方と今後はお付き合いできたらなーと思ってます。
Gemini CLIは、大きなコンテキストウィンドウと高速な応答、リアルタイムWeb検索など非常にポテンシャルの高いツールだと感じました。今後どのように進化していくのか楽しみです。
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