社内データ活用を加速する“Kibidango”の新機能!テーブルレコメンド×SQL生成で検索体験を革新
はじめに
こんにちは。D2Cのデータサイエンティスト(AIエンジニア)の須田です。
前回、最小限のリソースで社内向けSQL自動生成ツールを構築した話を記事にまとめました。
もしまだ読んでいない方は、ぜひこちらからご覧ください
▶︎ 最小限のリソースで作った社内向けSQL自動生成ツールの話
今回はその続編として、社内データ探索をさらに身近に、スムーズにするための新機能をリリースしました。 テーマは「テーブルレコメンド × SQL生成」です。
この記事では、新機能の中身を中心に紹介します。
「こういう分析をしたいけど、どのテーブルを使えばいいの?」
「社内のデータを使ってこういうことってできそうなんだっけ?」
そんな社内の声に応えるために生まれたのが、Kibidangoです。
Kibidangoは、自然言語で質問するだけで、社内データベースから必要な情報を探し、SQLまで生成してくれるAIツールです。
今回のアップデートの中身
1. テーブルレコメンド機能の追加
「こういうことを分析したい」と自然言語で質問すると、
目的に応じた最適な社内テーブルをレコメンドしてくれる機能を追加しました。
たとえば:
「デモグラデータを集計したい時は、どのテーブルを使えばいい?」
といった質問に対して、顧客情報や属性情報に関連するテーブルが提案されます。
デモ画像
ちょっと下に画面をずらすとSQLクエリが出力されているのも確認できますね。
ただ出力されるのではなく、データによって異なる社内の指定ルールを考慮+limitを考慮しているところも工夫ポイントです。
この機能を支えている技術と工夫
- Amazon Bedrock Knowledge Base(ベクトル検索)
- Claude 3.5 Sonnet による自然言語応答
- Glue Data Catalog由来のスキーマ情報(CSV化)
- 用途ごとのテーブル説明+サンプルクエリのナレッジ整備
- プロンプトテンプレートの最適化
2. SQL生成機能の強化(JOIN対応)
従来の単一テーブルのクエリ生成に加えて、
複数テーブルのJOINに対応したSQL生成ができるようになりました。
- キーの一致を文脈から自動で判定し、JOIN句を構築
- テーブル間の関係性を自然言語で補足説明
- 出力されるSQLも実行しやすい形式に整備
この2つの機能は、単体でも便利ですが、
テーブルレコメンド → SQL生成 → データ取得という流れをつなぐことで、
スムーズな分析体験を実現しています。
ユーザーの声(リリース直後のリアルな反応)
リリース後、実際に触ってくれた社内ユーザーから前向きな感想を多くいただきました。
一部をご紹介します。
💬 「先月末から直近一年」と記載したら、関数付きでSQLが出てきて、個人的に感動しました!
💬 集計ロジックを考える時間が短縮されそう。(新人の人だと特に)
💬 簡単なSQLがすぐ出て良かった。SQLを触らない人でも“こういうことができるかも”とイメージが湧く入口になると思う。
💬 「氏名を出したい」では、JOIN先のテーブルも指定されていた。わかってるな〜という感じでした。
💬 「データを取得したいけど、どのテーブルを使えばいいのかわからない」という場面はまだある。テーブル一覧や用途別のナビゲーションがあると嬉しいかも。
💬 きびだんごが肉まんに見えました。すみません(ちなみにセブンの肉まんが好きです)。
こうした声を受けて、
- テーブルナビゲーションの強化
- NGルールやセキュリティルールの整備
などが、次の改善ポイントとしてすでに検討に入っています。
これらも含めて、今後はさらにユーザー体験を高めるためのアップデートを予定しています。
今後の拡張・展望
Kibidangoは「情報を簡単に、自立した形で活用できるようにして、ユーザーの作業効率アップに貢献すること」をビジョンに、進化を続けていきます。
■ 精度と柔軟性の向上
- Claude 3.7 など最新モデルでの精度検証
- 用途別テーブル・クエリ例のナレッジ拡充
- 質問タイプに応じてプロンプトを動的に切り替える設計
■ 実行と操作の拡張
- 生成クエリをAthenaにそのまま渡して実行する機能
- リセットボタンで流れを初期化できるUI改善
■ パーソナライズと履歴活用
- ユーザーログインによる個別最適化
- 過去のやり取りを参照したやりとりの継続性
- 条件や設定の保存による再利用性の向上
■ パフォーマンス強化
- 処理速度のさらなる向上
- 条件の固定設定(テンプレート適用)の実現
- クエリ出力評価においてパフォーマンスと最適化項目の精度向上を目指す
おわりに
今回の機能は、AWSの先進的な活用事例としてもご紹介いただきました。
「こんなやり方もあるんだ」と社内外からも参考にしていただける機会が増えてきたのは、嬉しい反響のひとつです。
まだ始まったばかりのプロダクトですが、 ユーザーの声や技術の進化を取り入れながら、これからも着実に育てていきたいと思っています。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
「こんな工夫してます」「ここは共感した」など、ぜひコメントやリアクションいただけたら嬉しいです。(会社規定で返答はできませんが全て拝見します)

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