サイボウズから提案したKEPがマージされた話など: Neco Weekly (2024-10-18号)
Neco Weekly (2024-10-18号)
サイボウズ Neco チームでは、 Neco Weekly という「最近気になる Kubernetes や Cloud Native 関連のネタを共有する会」を社内で開催しています。
本記事は共有会の中で紹介したネタをまとめたものです。
今回は第64回目の記事となります。
👀 Notable Articles
KEP-4049: Add storage capacity scoring KEP
サイボウズのストレージチームが2022年の8月頃から検討を開始していたKEP (Kubernetes Enhancement Proposal)がついにマージされました🎉🎉🎉
この機能が実装されると、Podをスケジューリングする際にノードのストレージ容量を考慮してスコアリングすることが可能になります。
これにより、ボリュームを拡張する余地を残すために空き容量の多いノードを優先したり、逆にコスト削減のために空き容量の少ないノードを優先するようなスケジューリングが可能になります。
今後はこのKEPを元に実装が進められていくので、ご期待ください。
サイボウズサマーインターンの成果報告ブログ
サイボウズが実施したサマーインターンの成果報告が公開されました。
nginxの不可解な挙動を解明するために詳細に調査おこなったり、Rustで拡張可能なロードバランサーであるPingoraを利用して証明書の検証機能を自作するなど、非常に興味深い内容となっています。
kptでWETなKubernetesマニフェスト管理
kptというツールを利用してWETリポジトリ方式でKubernetesのマニフェストを管理することで、既存のマニフェスト管理の問題点を解決する方法を紹介している記事です。
kptを使うつもりはなくても、他のマニフェスト管理を利用してWETリポジトリ方式を導入することもできるので、ぜひ参考にしてみてください。
「.io」ドメイン終了の可能性が浮上、イギリスの領土返還によって
イギリス政府がチャゴス諸島をモーリシャスに返還することになったため、.io
ドメインがccTLDとしての資格を失い、最短5年で廃止される可能性があるとのことです。
kubernetes.io
やgithub.io
など、.io
ドメインはいろいろなところで利用されているので、今後の動向に注目です。
Leveraging Kubernetes virtual machines at Cloudflare with KubeVirt
CloudFlareではKubernetesをマルチテナント環境で運用しているが、Linuxカーネルにからむ機能が必要なため通常の分離では不十分であるという問題があるそうです。
これまではQEMU Podを利用してVMをKubernetes上で動かしていたそうですが、よりよい方法としてKubeVirtを使う方法に切り替えたとのことです。
この仕組みを、クラスタのスケーラビリティのテストやiPXEブートのテストなどに利用しているそうです。
サイボウズでもマルチテナントKubernetesを運用しているので、非常に気になるテーマではありますね。
🤝 Events
CloudNative Days Winter 2024
CloudNative Days Winter 2024のプロポーザルの採択結果が発表されました。
我々のチームからも「大規模環境でCiliumを運用して得られた課題と知見」という内容で発表しますので、ぜひご期待ください。
Discussion