WCAG2.2のISO/IEC 40500:2025 規格化など: Cybozu Frontend Weekly (2025-09-30号)
こんにちは! サイボウズ株式会社 フロントエンドエンジニアの mehm8128 (@mehm8128) です。
はじめに
サイボウズ社内では毎週火曜日に Frontend Weekly と題し「一週間の間にあったフロントエンドニュースを共有する会」を開催しています。
今回は、2025/09/30 の Frontend Weekly で取り上げた記事や話題を紹介します。
取り上げた記事・話題
State of JavaScript 2025
State of JavaScript のサーベイが開始しています。
回答期間は 10 月末までとのことです。
ISO/IEC 40500:2025 - Information technology — W3C Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2
WCAG2.0 がそのまま国際規格となっていた『ISO/IEC 40500:2012』が、WCAG2.2 を採用する形で『ISO/IEC 40500:2025』に改定されました。
これに合わせて、日本の規格である『JIS X 8341-3』の改定も動き出すことが考えられます。
Temporal API の現在地(2025 年 9 月時点)
JavaScript における日時操作の新しい仕様である Temporal API の現状が解説されています。
Chromium で Intent to Ship がアナウンスされており、Chrome v144 で ship 予定とのことです。
AI エージェント用の Chrome DevTools(MCP)
Chrome DevTools で公式から MCP サーバーが公開されました。
これにより、ネットワークやコンソールのエラー、DOM や CSS などを AI エージェントから直接見れるようになったり、ユーザーの行動のシミュレートやパフォーマンスの問題調査ができるようになります。
Zenn 記事をより直感的に書ける!〜 WYSIWYG エディタのすゝめ 〜
Zenn CLI で WYSIWYG エディタを使って Zenn の記事を執筆できるようになるエディタを開発した紹介記事です。
Zenn CLI で起動したサーバーで、UI 上で WYSIWYG を使って編集したものが、ローカルファイルに反映されるようなものになっていて、画像のドラッグアンドドロップなどもできるようです。
Our plan for a more secure npm supply chain
サプライチェーン攻撃を防ぐために、GitHub がセキュリティ強化のロードマップを公開しました。
主に以下の 3 つが紹介されています。
- パッケージを publish する際の、2FA の必須化
- expiration が 1 週間だけの、きめ細かいアクセストークンの利用
- Trusted Publishing
その他 classic token の廃止なども挙げられています。
Intent to Ship: Interest Invokers (the interestfor attribute)
Interest Invokers が Chromium で Intent to Ship になりました。
Interest Invokers はユーザーが「興味」を示したときにターゲット要素でアクションがトリガーされるような機能です。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
feat: implement npmMinimumReleaseAge and npmMinimumReleaseAgeExclude config options
pnpm v10.16.0 からサプライチェーン攻撃を緩和するための minimumReleaseAge オプションが導入されたことから、yarn にも同様のオプションが導入されました。
v4.10.0 でリリースされたとのことです。
Quiet UI - My Creative Outlet
Web Awesome の作者が開発した、Web Components ベースの UI コンポーネントライブラリです。
Web Awesome と違い、ElementInternals を用いたフォーム検証や Popover API など、まだ Newly Available な最新の機能を色々使っているものです。
Comparison、Joystick、Slide Activator など、他ではあまり見ないようなコンポーネントがあるようです。
また、現在 Beta 版の Web Awesome は 10 月中に正式リリース予定とのことです。
Codex vs Claude Code: which is the better AI coding agent?
Codex と Claude Code の比較が行われています。
エージェントやモデルでは大きな違いはない一方で、最も大きな違いとして GitHub 上での自動レビューの点で、筆者は Codex を好むと主張されています。
Help Us Raise $200k to Free JavaScript from Oracle
Deno が Oracle に JS の商標の取消申請を行っている件で、証拠開示段階に突入しているようです。
その上で、訴訟に費用がかかるため、20 万ドルの寄付を募るとのことです。
Storybook is going ESM-only
Storybook が ESM only に向かっている理由や現状が語られています。
Storybook v10 では、v9 と比べてバンドルサイズが 15% 削減され、完全に ESM のみになるとのことです。
あとがき
サプライチェーン攻撃への対策が話題になっている一方で、Temporal や Interest Invokers の Intent to Ship など、標準側も着実に進んでいます。
片方に寄らずに、どちらもバランスよくキャッチアップしていきたいです。
Discussion