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Interop 2026提案募集開始など: Cybozu Frontend Weekly (2025-09-09号)

に公開

こんにちは! サイボウズ株式会社フロントエンドエンジニアの Saji (@sajikix) です。

Interop 2026 proposal selection process

https://github.com/web-platform-tests/interop/blob/main/2026/selection-process.md

ブラウザ間の相互運用性を向上させる Interop 2026 の提案募集が開始されました。Apple、Google、Mozilla など主要ブラウザエンジンベンダーが参加し、9 月 4 日から 24 日まで提案を受け付けています。提案は GitHub の issue として提出され、12 月 11 日までに選定が完了する予定とのことです。

開発者にとって優先度の高い技術領域でのブラウザ間互換性の向上を目指しており、未完了の Interop 2025 の項目も自動的に含まれます。

React Native v1.0 のリリースが近づく

https://x.com/ferrannp/status/1963151397014090030

React Native の正式版 v1.0 のリリースが近いことが開発チームから示唆されています。長年の開発を経て、ついにメジャーバージョンに到達する見込みです。

余計な useMemo を 1 つ消したら tsc が 135 秒高速化した話

https://zenn.dev/meijin/articles/typescript-usememo-performance-pitfall

大規模な React + TypeScript プロジェクトで、単純なオブジェクトマッピングを行う useMemo が原因でコンパイル時間が 146 秒かかっていた問題が報告されました。tsc --generateTrace を使用して遅延箇所を特定し、問題の useMemo を削除したところ、コンパイル時間が 11 秒に短縮されたとのことです。

単純な処理でも型推論の複雑さによってパフォーマンスボトルネックになる可能性があることを示す興味深い事例です。

Proxy による Window 間 RPC 機構の構築

https://speakerdeck.com/syumai/window-rpc-using-proxy

JavaScript の Proxy を使用して Window 間のリモートプロシージャコール(RPC)を実装する手法についてのプレゼンテーションが公開されました。postMessage の複雑な実装を隠蔽し、シンプルで型安全な関数呼び出しを実現する方法が紹介されています。

同様の仕組みは Google の Comlink ライブラリでも採用されており、iframe 間や Worker 間の通信を簡潔に実装できます。

@deno/sandbox

https://www.npmjs.com/package/@deno/sandbox

Deno が信頼できないコードを安全に実行するためのサンドボックス環境「@deno/sandbox」を開発中です。Linux microVM を使用した隔離環境で、1 vCPU、512MB RAM、10GB ディスクの制限付きでコードを実行できます。

現在はプライベートアルファ版で、NPM パッケージのインストールや HTTP エンドポイントの公開、SSH 接続などの機能を提供しています。

Scoped Focusgroup (Explainer)

https://open-ui.org/components/scoped-focusgroup.explainer/

従来の focusgroup 提案が Scoped Focusgroup として再設計されました。toolbar、tablist、radiogroup、listbox、menu など特定のウィジェットパターンに限定することで、role に整合したフォーカス管理を実現します。

focusgroup="toolbar wrap"のようにキーワードで動作を指定し、自動的に role を推論してキーボードナビゲーションを提供します。Shadow DOM 境界を越えた動作もサポートしています。

Accessible Authentication

https://afixt.com/accessible-authentication/

WCAG 2.2 で追加された「アクセシブルな認証」要件について解説した記事が公開されました。記憶、転写、認知機能テストを必要としない少なくとも 1 つのログイン方法の提供が求められています。

パスキー、マジックリンク、生体認証、プッシュ通知などのアクセシブルな認証方法や、ペースト機能の有効化、パスワードマネージャーのサポートなど、実装上の考慮事項が紹介されています。

次世代 JS 標準時刻 API Temporal を 3 年先行利用して得た知見を共有します!

https://tech.mirrativ.stream/entry/2025/09/09/105000

ミラティブが 2022 年から Temporal API の Polyfill を社内システムで運用している事例が紹介されました。従来の Date オブジェクトの問題点(ミュータブル、精度の制限、タイムゾーン処理の複雑さ)を解決するため、早期から採用を進めています。

RFC3339 フォーマット処理や日付型変換などのユーティリティ関数を独自に開発し、将来の標準実装に備えているとのことです。

Remix 3 が Remix Jam で発表予定

https://x.com/mjackson/status/1964130156701737106

来月開催される Remix Jam カンファレンスで Remix 3 が発表される可能性が示唆されています。React Router v7 との統合が予定されており、Remix の今後の方向性が注目されています。

Chrome 140 の新機能

https://developer.chrome.com/blog/new-in-chrome-140?hl=ja

Chrome 140 がリリースされました。主な更新内容は以下の通りです。

  • Popover API で ToggleEvent の source 属性が追加され、トリガー要素を特定可能に
  • CSS の content プロパティの代替テキストで counter()と counters()が利用可能に
  • @font-face ルールで font-variation-settings ディスクリプタがサポート
  • 一部の要素内での H1 の特殊なフォントサイズルールが非推奨に

Group Note: CSS Snapshot 2025

https://www.w3.org/news/2025/group-note-css-snapshot-2025/

CSS Working Group が、2025 年時点での CSS の安定した仕様をまとめた「CSS Snapshot 2025」を公開しました。ブラウザの採用率ではなく仕様の安定性に基づいてモジュールをリスト化しており、CSS 実装者向けの包括的なリファレンスとなっています。

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