:has() が全ての主要ブラウザで利用可能に! - What's new in Browsers!
What's new in Browsers!は、サイボウズのフロントエンドエンジニアがブラウザの最新情報から気になるトピックを紹介するシリーズです。
今回は Firefox 121 からサポートされた機能の中から :has() と iframe の遅延読み込みについて紹介します。
:has()
:has() は CSS の擬似クラスで、引数に渡した相対セレクタとマッチする要素が存在する要素を表します。
例えば、このようなスタイルを記述した場合、子要素に h2 を含む section に対して border: solid 1px #333 を適用するという表現になります。
section:has(> h2) {
border: solid 1px #333;
}
:has() の登場により、以前までは JavaScript を用いて表現する必要があった特定の子要素を含む親要素の表現を CSS のみで完結させられるようになりました。
前述したスタイルを例に :has() 以前との実装例を比較するのこのようになります。
<h1>border with(out) :has()</h1>
<section>
<h2>h2 title</h2>
<p>hoge</p>
<section>
<h3>h3 title</h3>
<p>fuga</p>
</section>
</section>
<section>
<h3>h3 title</h3>
<p>fuga</p>
</section>
section:has(> h2) {
border: solid 1px #333;
}
.section_with_h2 {
border: solid 1px #333;
}
const sections = document.querySelectorAll("section");
for (let section of sections) {
for (let child of section.children) {
if (child.tagName === "H2") section.className = "section_with_h2";
}
}
より具体的なユースケースについては、Cybozu Frontend Advent Calendar 2023 18 日目の記事が参考になるので合わせてご一読ください。
:has() は Firefox 121 でのサポートをもって主要ブラウザ全てで利用可能になりました。
iframe の遅延読み込み
iframe に遅延読み込みの仕組みが導入されました。
これにより、画面外にある iframe の読み込みをユーザのスクロールまで延期できるようになり、ページ全体の読み込みが効率化されます。
iframe の遅延読み込みを有効化するには、対象の iframe の loading 属性に対して lazy を指定する必要があります。
また、loading 属性には eager と lazy という 2 つの値があり、eager はユーザのスクロールを待つことなく iframe を読み込みます。
使い分けとして、iframe 内部のコンテンツがページのメインコンテンツである場合は eager、それ以外の場合は lazy を指定することになると思われます。
<iframe loading="lazy"> は Firefox 121 でのサポートをもって主要ブラウザ全てで利用可能になりました。
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