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Power BIの利用状況を迅速に把握し、施策検討に活用する

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要約

Power BIの社内利用状況を把握して、社内のデータ活用を推進したい方に向けて「Feature Usage and Adoptionレポート」を活用したサイボウズの事例を紹介します。

はじめに

サイボウズ株式会社のデータエンジニア兼データアナリストとして働いている村島です。
弊社では、Power BIを全社導入しており、私たちのチームはPower BIの管理者として、日々社内の活用推進のために活動しています。

Power BIの利用状況を把握することは、自社のデータ活用状況を測る手段として有効です。

現状把握ができていなければ、せっかく導入したPower BIが「誰に」「どのように」使われているのかわからず、効果的な普及施策を実施できません。

そこで本記事では、Power BIにおける上記課題を解決できる「Feature Usage and Adoptionレポート」について紹介します。

想定読者

Power BIの社内利用状況を把握したい方を対象としています。

Feature Usage and Adoptionレポートとは

Feature Usage and Adoptionレポートは、組織全体でFabricの各機能がどの程度利用されているかを可視化するための管理者向けレポートです。
Power BI専用のレポートではありませんが、Power BIの利用状況も含めて把握できます。

具体的には、以下をはじめとする様々な情報を把握することが可能です。

  • Power BIレポートを作成したユニークユーザー数
  • 特定のPower BIレポートの閲覧者
  • ダウンロードされたPower BIレポートと回数

レポートの全体感はこちらから確認できます。

このレポートはFabric管理者がアクセスできるAdmin monitoring ワークスペースに保存されています。

このレポートはMicrosoftがあらかじめ用意しているため、読者の方が作成する必要はありません。

Fabric管理者となり、Admin monitoring ワークスペースにアクセスするか、
Fabric管理者にレポートを直接共有してもらうことで、すぐに利用を開始できます。

次は、具体的な使い方を紹介します。
一例として「Power BIレポートを作成したユニークユーザー数」の調べ方を取り上げます。

Power BIレポートを作成したユニークユーザー数の調べ方

Feature Usage and AdoptionレポートOverviewページから、特定の期間にPower BIレポートを作成したユニークユーザー数を調べることができます。

テナント内の全てのワークスペースを分析の対象にできますが、下図では複数の特定のワークスペースを対象に分析しています。

フィルターの「Operation」で、ViewReportやShareReportなどの特定の種類のアクティビティに絞り込むことが可能です。

今回はPower BIレポート作成者数を知りたいため、CreateReportで絞り込みます。
Power BIレポート作成者数

上記図の「Active users」より、黒塗りしている対象のワークスペースに対して、特定の期間内にPower BI レポートを作成したユニークユーザーが6人であることがわかります。
また「Total activities」より、Power BI レポートの作成は16回実施されたことがわかります。

サイボウズでの活用事例

サイボウズでのFeature Usage and Adoptionレポートの活用事例を共有します。

2025年度の目標設定に活用

前述の方法で、当時のPower BIレポートを作成したユニークユーザー数を把握し、2025年度の目標設定に活用しました。

目標設定は以下に記載の流れで進めました。

  1. 私の所属チームと関わる機会の多い、5部署の人数は計580名であることを把握する。

  2. 目標設定時点でのFeature Usage and Adoptionレポートにて、過去30日間のチームメンバー以外のPower BIレポート作成者数が15人であったことを把握する。

  3. 関連部署580名の中からデータ活用の先駆けとなるパイオニアを増やしたいという思いと、日々の活動で達成可能な現実的な目標として、2025年度の目標を「Power BIレポート作成者数50名」に設定する。

上記の流れの中で、手順.2の現状把握を迅速に行える点が、Feature Usage and Adoptionレポート活用のメリットです。

事実に基づいた目標設定を迅速に行うことができたため、「Power BIに興味はあるが、どこから手をつければ良いかわからない」といったギャップを埋める勉強会の開催など、Power BIレポート作成者数を増やすための活動に注力できました。

おわりに

Feature Usage and Adoptionレポートを活用することで、所属組織のPower BI利用状況を簡単に把握することができます。
現状把握に使う工数を削減できるため、Power BIを社内に普及するための活動に注力することができるようになります。
ぜひ、社内のデータ活用推進に役立ててください。

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