SQL 初心者向け社内勉強会のススメ
こんにちは。サイボウズでデータエンジニア/アナリストをやっている江﨑です。
先日、SQL 初心者向けに社内勉強会を実施しました。
勉強会は全4回実施したのですが、最も参加者が多かった会は100名以上と
想定外に大きいイベントになり、様々な知見を得られました。
この記事では、今回の勉強会企画の進め方や具体的にやったこと、
振り返ってみて得られた Tips をシェアしたいと思います。
SQL の社内勉強会を企画したキッカケ
サイボウズでは Google BigQuery(以下 BigQuery と表記)に社内データ基盤を用意しています。
BigQuery には一通りのデータが揃ってきており、
データ基盤の利用者拡大が今後の課題という状況でした。
そもそも BigQuery を利用するには SQL のスキルが必須です。
しかしながら社内で SQL をかけるのはごく一部のメンバーだけ(な認識)でした。
そこで社内の kintone[1] 上に「SQL 問題集アプリ[2]」を用意し、
「初心者向けに SQL 勉強会の開催を企画中ですが興味ありますか?」と告知したところ、
思ったより反応が良く、興味ある人が多かったため、勉強会を開催することにしました。
↑100名以上から「いいね!」いただきました。
勉強会企画の進め方
今回の勉強会は以下の流れで進めました。
コンセプトと内容については予め叩き台を用意し、
チーム内に共有しアドバイスをもらう形で進めました。
社内告知は kintone の社内告知用スペース[3]で行い、
勉強会は Zoom を使ってオンライン上で行いました。
アンケートも kintone でアンケートアプリを用意し、受講者に回答してもらいました。
勉強会のコンセプト
今回の勉強会のコンセプトは以下です。
- 誰に:SQL を身につけたいと思っている初心者・初学者
- 何を:基本的な SQL 構文でデータを出力できた!& 問題集アプリを自力で進められそうだ!と思ってもらう
SQL を触ったことがないメンバーに SQL を実行できたという成功体験を積んでもらうことと、
用意した SQL 問題集アプリを使って自習できるようになってもらうことをゴールに設定しました。
勉強会でやったこと
勉強会は週1回の全4回で各回1時間です。
各回ではそれぞれ以下を実施しました。
- 第1回:BigQuery の使い方、問題演習(SELECT、FROM)
- 第2回:Redash[4] の使い方、問題演習(WHERE、AND、OR)
- 第3回:問題演習(IN、ORDER BY、SUM、AS)
- 第4回:問題演習(NULL、COUNT、GROUP BY)
第1回と第2回では、冒頭にクエリを実行するツールの使い方をレクチャーしました。
ハンズオン形式で受講者に手を動かしてもらいました。
問題演習では、SQL 問題集アプリの問題を題材に例題の解説をした後、
演習としてハンズオン形式でその場で取り組んでもらい、
受講者の進捗を見つつ演習問題の解答解説をする形式を取りました。
オンラインでのハンズオンは受講者の進捗が見えないため、
ハンズオンが終わった方には Zoom のリアクション機能でリアクションしてもらうことで、進捗確認をしました。
例題と演習では実運用中のデータ基盤のテーブル(データ)を利用した問題を用意し、
実際にクエリを作成する際の流れをイメージしやすいようにしました。
全体を振り返って
一通り終えてみて、印象に残ったこと & 参考になりそうな Tips をリストアップしてみます。
・Zoom の録画を残しておいたので、リアルタイムで参加できなかった方に喜ばれた。
・オンラインでのハンズオンでは Zoom のリアクション機能が参加者の進捗を確認するのに役に立った。
・実況スレッド(掲示板)を kintone スペースに用意し、質疑応答はそちらでやることで
その場での疑問解消に役立った。(質疑応答はチームメンバーにやってもらいました)
・あらかじめ詰まりそうなポイント(BigQuery や Redash へのログインなど)を各自で確認してもらうことで、
当日のトラブルはほとんどなかった。
・ハンズオン形式だと時間が不足しがちなので、通常より多めにバッファを見込んだタイムスケジュールが大事。
・各システムのアカウント発行は事前に済ませておくとスムーズ。
・データ基盤の活用事例を知りたい声が多いことがわかった(アンケートより)。
・受講者のデータ基盤の利用目的を知れた(アンケートより)。
いくつかリストアップしてみましたが、個人的に一番大きかった収穫は、
データ基盤利用者との繋がりが増えたことかな、と思っています。
データ基盤を運用している私たちのグループ(データグループ)では、
データ基盤の運用だけではなく集計や分析依頼もやっています。
この勉強会をキッカケに「データ周りの相談先」として
私たちのグループを認識してもらえた(はず)ことが
ゆくゆくはデータ基盤の利用拡大に繋がるのかな、と妄想しています。
まとめ
データ基盤の利用者を増やす施策として、社内勉強会は一つの有効な手段かな、と思います。
アンケート結果を踏まえて、今後はデータ基盤の活用事例を紹介する勉強会の実施を検討しています。
準備は少々大変ですが(苦笑)、社内勉強会をぜひ企画してみてください!応援しています!
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