謎-NAZO- Raspberry Pi
あきばお~で「謎ユニット」として売られていた、金属ケースに入ったRaspberry Pi。
回路的には単純そうに見えたので、ACアダプタで安定的に電源が供給できて、金属製の箱に入って、 LED x 4、電子ブザー、RS-232C (UARTそのままではなくインタフェースIC SP3223EEY が使われている) が付いた汎用Raspberry Piとして期待して買ってみた。
裏を見るとメーカー名と型番がある。
このネジを外すとMicroSDカードスロットにアクセスできる。
グリーンスタンプ はポイントカードのソリューションをトータルで提供している会社なので、前情報の通りポイントカード関連のシステムで正しそうだ。型番のFKU-1504で検索しても情報はない。
起動するとPOSなのかポイントカードなのか、よくわからないシステムが現れる。
ボタンを押すとダミーメッセージが出るので、デモ用のファームなのだろうか。
PostVismacClient……POSシステムか何か?
VISMACで検索すると日本信号の VISMAC カード販売終了の案内 とオークションに出品されたカードリーダーライターが大量にヒットする。カードが終息になって、ソリューションはスマホアプリに移行して、売る宛のなくなった在庫が放出されたという所か。 Post
が付いているのでVISMACの後継に対応しているのかもしれないが、大筋は変わらないだろう。
htopは Ctrl + Alt + D でアプリを最小化した後、画面上端で右クリックすると出てくるメニューからなんやかやするとターミナルから起動できる。仮想コンソールは pi / raspberry でログインできないが、このターミナルから sudo -s
がパスワードなしで出来る。ゆるゆるである。
そんなことをせずとも、起動中にshiftキーを押せばリカバリメニューに入れるし、MicroSDカードを適当なマシンでマウントすれば良いだけなのだけれど。
少し漁ってみたが、ブザーやLEDを制御する簡易スクリプトは見つからないし、sysfsからもどのピンを使っているか分からなかった。Javaのプログラムをデコンパイルするより、回路を読んだほうが早そうな気がする。
付属のSDカードを改めて見ると PostVismacClient
と VismacClient
の2つのディレクトリがあり、電源投入時には PostVismacClient
の方が起動されてデモ画面が表示されていた。 VismacClient
の方を起動するとフル機能を備えた製品版らしき画面が表示された。ログにPOSとの通信などに関するものが表示されており、包含しているライブラリ的などからしても、機能するアプリケーションと見られる。
分解!
取り外し!
ああ!面倒くさいやつ!(目視でパターンが追えない)
パターンを追えないので、最後は RaspberryPiのピン配置 を見ながらテスターで調べる。
POWERのLEDはRaspberry Piのレギュレータを通って戻ってきた3.3Vに繋がっている。Raspberry Piとの接触不良も確認できるし賢いかもしれない。この3.3VはシリアルインタフェースICにも使っている。
Device | Pin |
---|---|
POWER | 3.3V |
① | GPIO 26 |
② | GPIO 20 |
③ | GPIO 21 |
電子ブザー | GPIO 19 |
一通り sysfs で確認を取ると、すべて期待通りに動作する。コマンド例。
$ echo 26 > /sys/class/gpio/export
$ echo out > /sys/class/gpio/gpio26/direction
$ echo 1 > /sys/class/gpio/gpio26/value
$ echo 0 > /sys/class/gpio/gpio26/value
ハードとしては、micro Bのポートを使わずACアダプタで安定給電させ更にEMI除去フィルタ、ポリスイッチ、ダイオードを入れていて、Raspberry Piとボードを繋ぐコネクタが抜けないようケースの上面から押さえつけるスポンジも配置してあり、踏みやすい問題は対処されているかな、という印象。
電源スイッチが欲しくなるのと、余っているピンを使うのが難しいという以外は、初期化すればふつーに使える 面白みの無い 素直なデバイスとも言える。いや、ピンを使えないのは結構苦しくて初代の再生支援なし700MHzを何に使うよ?になるのだけれど。
ポリスイッチはトリップ電流が4Aの保持電流が2A、40℃で80%としても、3B+までは換装できそうか。