CCoE、ウエから見るか?ヨコから見るか?
今年も一年おつかれさまでした。株式会社G-genというGoogle Cloud専門のCIerで働いております、黒須です。この記事は、CCoEクリスマス!クラウド技術を活用して組織をカイゼンした事例を投稿しよう! by KINTOテクノロジーズ Advent Calendar 2023の参加アクティビティとして書いてます。何気にZenn初めてです。よろしくお願いします。
自分のキャリアとCCoE
CCoE(Cloud Center of Excellence)として活動していたのは、2012年頃から2020年までです。主に富士ゼロックス(当時)や、みずほフィナンシャルグループでCCoEを自ら立ち上げ、その運営をリードしていました。
CCoEとしてのアウトプット
2020年にGoogle に転職し、ひとつの活動として Jagu'e'r というユーザー会を立ち上げました。これはGoogle を辞めた今でも、運営事務局を続けています。最初に立ち上げたユーザー会の中の分科会として「CCoE研究分科会」というものがあります。それはそれは多様なメンバーが集まっており、まだまだCCoEに悩む人も多いんだなぁという感想を持つとともに、分科会の存続意義も感じています(ご協力頂いている皆様、いつもありがとうございます)。そのCCoE研究分科会のメンバーで、2021年にこんな本を出しました。
DXを成功に導くクラウド活用推進ガイド CCoEベストプラクティス
本題
そのCCoE本を大日本印刷の和田さんと、他社に向けて読み合わせをしていく読書会なるものを実施した時に、表題の話が出たのと、これは目からウロコだったので今回のBlogテーマにしよう!と思った次第です。
※和田さんは大日本印刷としてCCoEの情報発信もしっかりされています。なんと専用サイトもあります!
右が和田さん
で、CCoEをヨコから?ウエから?みる? のお話なんですけど、読書会の中でこんな議論になったんです。
- クラウド利用のガバナンスを効かせていくのがCCoEの大切な役割
- クラウド人材育成を仕掛けていくのもCCoEの役割
- よってもってこういうピラミッドを意識して、裾野を拡げていくのだ!!!
そのとき私が出した図がこちら
すると・・・、和田さんから
違う気がする
と差し込み意見がありました。
和田さん「私は、CCoEはサークルの中心だと考えています」
なんだとーーーーーー!
そのとき和田さんが出した図がこちら
で、私と和田さんで「あーでもない。こーでもある」みたいなウェットな議論を繰り広げていたところ、聴講してくださっていた一人の方が スッ っと手をあげて教えてくださったのです。
それ、お二人同じことを言っていませんか。黒須さんのピラミッドをウエからみたら、和田さんのサークルだと私、思うんです。
うぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!
ポロッ(ウロコが落ちる音)
どっちも同じで、必要な視点なんだなぁ(遠い目)
まとめ
何が言いたかったのか、といいますと、右の視点ばかりでCCoEを捉えていると、いずれ関所のようになってしまうこともあるな、と。
組織がクラウドを利活用していく中で、「クラウド関連の全てを司る機関」になっていくと、権限もスキルもナレッジも集約されていっちゃって、気軽に相談できる雰囲気とかもなくなっちゃう。
僕が CCoEをやってたあるグループだと、
何者かに寄りかかりたい現場担当者A「CCoE が OKって言ってくれたぞ」
A「よし投資稟議に書いちゃうぞエヘヘヘヘ」
寄りかかりながら出世してきた現場課長B「良い言い訳ができたなウフフフフ」
決裁する偉い人「誰だ!勝手に良いなんていったやつは!」
A&B「CcoEっていうクラウドの全部決めてるところっす」
偉い人「責任者を呼べ!」
CCoE謝り侍(with 開幕土下座)で登場「さーせん」
なぁんてことも結構発生してました。印籠として使われちゃうんですよね。
純粋な善意のアドバイザリー機能だったはずが・・・・です。
組織の中でも、ある程度の権威と権限がついてきちゃうと、偉そうに振る舞ったりしちゃいがちなのも人間。そうならないように、相談会を週2回固定1時間ずつ、とかセットしてしまうのも敷居を下げる良い手法かもしれません。前述のDNPさんの情報発信も良いですよね。身近になる。
和田さんがその後おっしゃってました
スキルはピラミッド、ココロはバウムクーヘン
素敵な言葉です。
結論としては、スキル的にはヨコから眺めつつ、ココロの持ちようはウエから眺めましょう、ということで。
告知
そんな悩めるCCoEな人たちが集まってクローズドに情報交換する素敵なコミュニティ、Jagu'e'r CCoE研究分科会 は、26日にお台場でミートアップを開催します!
Jagu'e'r会員でしたらどなたでも参加可能です!
Jagu'e'r会員登録はこちら
2023年、ありがとうございました。そして、今年最後のミートアップでお会いできることを楽しみにしています🐯
良いお年を〜!
Discussion
面白い図解ですね
これを見ていたら、CCoEとしては「IT部門」、「R&D部門、エンジ部門」だけじゃなく「ユーザー部門」との直接の接点も持って維持すべきでは?って気もしてきたり
コメントありがとうございます。そうですね、私自身ユーザー部門からの発生型でCCoEを立ち上げることしかやってなかったので、こんな図になっていますね。立ち上げ背景やストーリーでも変わってくるかなと思います😊