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【UEFN】プレイ環境にあわせたライティング設定(Lighting Scalability Manager)

2024/07/20に公開

課題

Fortniteではプレイ環境(PC, Nintendo Switch, パフォーマンスモードなど)によって描画表現が大きく異なります。特にホラーゲームなどの暗い室内のシーンではより顕著に現れます。

解決方法

これを解決するためプレイ環境(スケーラビリティ)に合わせたライティング設定を行いました。

今回はお手軽に仕上げたいので、[時間帯マネージャー:有効](デフォルト設定)の状態で「Day Sequence Device」を使っていきたいと思います。

※なお、対象のゲームはホラーのためやや薄暗い部屋をベースに設定しています。(別途ライトを追加することで雰囲気をアレンジしやすいのでおすすめです)

結論

ゴール

はじめに、調整前と調整後の画面を比較したいと思います。

調整前

  • 「低」:壁の色が一部異なっている
  • 明るさにバラツキがある

調整1:仕掛けによる調整

  • 薄暗い雰囲気に調整
  • 「高」は矩形ライトで明るくなるため暗めに調整

調整2:矩形ライトによる調整

  • 天井付近に矩形ライトを追加(全スケーラビリティで共通)
  • ぴったりではないものの、それなりに近い雰囲気に

前提知識など

  • [ワールドセッティング > Time of Day > すべての時間帯マネージャーを無効化] は False(デフォルト設定そのまま)

  • 各プレイ環境の表示は、エディター上部の「スケーラビリティ」を切り替えて行います。
    特に影響の大きい「Lumen」の有無は、スケーラビリティの「グローバルイルミネーション」の項目で切り替えられます。

  • 各スケーラビリティに対応するプラットフォームの例は以下のとおりです。(詳細はこちら

    • 低:パフォーマンスモード(Lumenなし)
    • 中:Nintendo Switch(Lumenなし)
    • 高:PC(Lumenあり)

使用する仕掛け

  • Day Sequence Device
    • 太陽光や空の色、時間帯などを設定することで、環境をいい感じにしてくれる
  • Lumen Exposure Manager
    • 「Lumenあり」、「Lumenなし」のそれぞれの明るさ等を設定できる
  • Lighting Scalability Manager
    • スケーラビリティごとに、ライティングの有効/無効を設定できる
    • 「スケーラビリティ:低」のみにスポットライトを有効にしたい場合、など

手順

それでは、ここから各仕掛けの設定について説明していきます。

Day Sequence Device

「Day Sequence Device」を追加して、以下を調整します。

  • 明るさの調整
  • 色味の調整

明るさの調整

調整前

「低」が特に明るい
※上から、低 / 中 / 高


調整する項目

  • [太陽光 > 太陽コンポーネントを有効化] を False に変更

調整後

全体的に暗くなりました


色味の調整

※この項目は対象のアセットによっても変わるため参考程度としてください。

調整前

このあと矩形ライトを追加すると、「低」の天井と壁の色味が異なっていることが分かります。

調整する項目

[一般 > 夜/昼サイクル] を [Fixed Time : 4.0] に変更して、時間帯を固定します

調整後

天井と壁の色味の差が少なくなりました。(今回のアセットでは 4.0 が自然な色味でした)

矩形ライトを追加

矩形ライトは全スケーラビリティ共通で使用したいため、先に追加します。追加後のイメージは以下です。「高」はLumenの効果で明るくなっています。


Lumen Exposure Manager

次に「Lumen Exposure Manager」を追加して、各スケーラビリティの露出(明るさ)を調整します。仕掛けは、各スケーラビリティ(低 / 中 / 高)用に3つ追加します。

調整する項目

[LumenExposureManager > StaticMeshComponent > Box]の [NonLumenPostProcess]か[LumenPostProcess]の設定を変更していきます。

  • 「低」用の Lumen Exposure Manager
    「低」は [NonLumenPostProcess]です。その中の[Lens > Exposure]を調整します。ただし、今回「低」の値はそのままです。

  • 「中」用
    「中」も [NonLumenPostProcess]です。
    その中の[Lens > Exposure]を調整します。[露出補正]を「1.5」に変更しました。

  • 「高」用
    「高」は [LumenPostProcess]です。
    その中の[Lens > Exposure]を調整します。[露出補正]を「1.8」に変更しました。

調整後

この状態でまだ変化はありません。次に「Lighting Scalability Manager」の設定に進みます。

Lighting Scalability Manager

次に「Lighting Scalability Manager」を使って、先ほど追加した「Lumen Exposure Manager」をスケーラビリティごとに適応させていきます。

調整する項目

「Lighting Scalability Manager」を追加し、[Actors]の項目に3つ要素を追加します。

それぞれ対応させたいスケーラビリティにチェックを入れます。

  • 低 → Low
  • 中 → Middle
  • 高 → High~

調整後

以上で全ての設定が完了です。以下のように仕上がりました。
※上から順に、低 / 中 / 高


さいごに

以上が、プレイ環境にあわせたライティングの設定方法でした。「Day Sequence Device」を有効にした状態でもある程度は調整することができます。

さらに細かく設定したい場合は[すべての時間帯マネージャーを無効化] を True にして調整してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

(追記)
ゲームがリリースされました!渾身のホラーライティングをぜひ体感してみてください。
https://x.com/cre8tfun_studio/status/1812124825936375867

※Fortniteのグラフィック設定は[Lumen 高]がオススメです!

Cre8tfun 技術ブログ

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