3Dモデルのリファレンス探しで図面を見ていたら笑われた話
こんにちは、kazinosです。
みなさん、3Dモデル制作をする際にリファレンスはどうやって探していますか?
リファレンスとは、モデルを制作するにあたり参考となる画像や設定資料などを集める工程の事で、モデルを作る上で欠かせない工程ですよね。
先日、普段は触れたことのないモデリングに挑戦したのですが、その時にリーダーから(いい意味で)笑われてしまいました。その時のお話をします。
発端
某日。
「ガートレールのモデルも欲しいな」
事の発端はこの一言からはじまりました。
リーダーからアセット作成の依頼が舞い込んできました。
特段急ぎでないという事もあり、挑戦する意味合いも込めて普段モデリングを行ったことがない私がガードレールのモデルを作成する事になりました。
「ガードレールって、あの道路の脇にあるやつだよなー」
「棒と板組み合わせて作れそうだなー」
そう考えながら、いざ作ろうとしたのですが作業を開始した時点でガードレールについて何も知らない事に気づきました。
「支柱の太さって? 何メートル間隔で配置されてる? 板の長さは?」
考えれば考えるほど知らない事が出てきます。
今回依頼されたモデルは工業製品のため、過去の経験から「きっと規格やメーカーのカタログがあるだろう」と考え、調べてみる事にしました。
まずはWebで「ガートレール 長さ」と検索。
各メーカーのガードレールの設計図ページが見つかりました。
図面を見ながら今回作りたいガードレールのイメージに合うモノを探しました。
そうこうしながら図面を読み漁っていると、リーダーが画面を見て笑い出します。
リ「何みてるのw」
私「え、ガードレールですよね?参考に図面を…」
リ「いや、そうだけどw まずリファレンス探すとなったら画像から探さない?」
私「なるほど、そうなんですね!(←無知」
リ「いきなり図面から探すのはおもしろいねw 目のつけ処がちがうなーw」
話を聞くに、リファレンスと言ったらまず画像から集めるらしく、図面から調べる人は稀だと言われました。
なぜ笑われたのか分からずモヤモヤ・・・図面なら詳細に記載されているし、モデリングのテクニック知らなくてもある程度の形は作れる為、便利だと考えていたのですが、友人にその話をしたら「キャラクターモデルを作る時、見た目の資料を集める前に人体解剖学を調べ始めるようなモン」とツッコまれました。そう言われるとなるほど、納得・・・!
図面の読み方
このままだとただの日記になってしまいます。そのため少し知識になるような事も書いて行きます。
図面を普段触れてこない人にとっては「線がいっぱい描いてあってよくわからん」という人もいるため、どこに注目すればいいのか簡単に説明します。
解説の参考にガードレールっぽい図面を描いてみました。
※厳密には記述しておりません、あくまで一例として見てください。
何が描かれているのかを見る
基本的に図面というのは白黒でぱっと見なんの線が何を表しているかわかりません。
ただ、「何か作ろうとしている物体の絵」と「その説明をする線」が描かれているという事はわかります。
まずはどれが「作ろうとしている物体」の輪郭線なのかを探しましょう。
線の意味
輪郭線の見つけ方のコツとしては、線の太さに注目します。
輪郭線は「太線」で描かれ、説明などの線は「細線」で描かれます。
図面内には太線、細線以外にもさまざまな線が出てきます。
すべての図面でルールが定まっているわけではありませんが、図面内では意味合いが統一されています。
また、ちゃんとした設計図というのは寸法にあわせて厳密に書かれています。図面通りに作成すれば完成品と見た目が同じようになります。
上記の参考の図では以下の意味を持たせています。
種類 | 意味 |
---|---|
実線 | 輪郭を表す |
点線 | 物体の中心線 |
斜線 | 地面の高さを表す線 |
それぞれ何を意味しているのかを読み取ってみると、だんだん図面が見やすくなってきます。
文字の意味
図面には線以外にも文字がたくさん書かれています。
基本的には「ココの事説明するよー」という線とセットに書かれています。
ただの数字
範囲を指定する線の横にある数字は、その範囲の長さを表しています。
図面の世界では、特別な事がない限りはミリメートル(mm)で記載されます。
添え字がついた数字
数字以外にも「Φ60」やら「SS400」やら「M16」やら、添え字がついた数字も散見されます。
これらは材質であったり、部材の規格であったりさまざまな意味があります。
材質まで知りたい場合は調べてみるといいでしょう。
ちなみに例で挙げたものは以下のようなものがあります。
種類 | 意味 |
---|---|
Φ60 | 直径。筒状の場合は内径と外径がある。間違わないように。空いた穴の説明にも使用 |
SS400 | 鋼材のJIS規格。なんの素材を使って作られているかがわかる |
M16 | ボルトやナットのJIS規格。数字が大きいほどボルト部分の直径が太い |
その他の文字・記号など
数字以外にも文字や特殊記号が書かれている場合があります。
文字であればそのまま読んだ意味の通りなのですが、図面によっては特殊な意味合いを持つ場合があります。
種類 | 意味 |
---|---|
▼GL▼FL | 建築系の図面で記載 グランドライン(地面高さ)フロアライン(床高さ)の事 |
断面指示 | 別の図面で、ここの断面図が描いてあるよーという説明 |
方角記号 | 地図とかで見るアレ、図面にかいてある事も。 |
※建築図面を例として記載しましたが、他の分野(電気、交通等)の場合はまた違った記号があります。
まとめ
ここまで、小話と設計図(図面)について書いてきました。
図面通りに作っても3Dとして違和感があったり、ファンタジーのキャラやアイテムなど現実に存在しないモデルを作成する事もありますが、リファレンスを探す際に別の業種ではどのような表現の仕方があるかを調べてみると参考にもなりますし、現実味のあるモデリングに近づけるのではないでしょうか。
みなさんもモデリングする際には図面を活用してみてください!
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