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新卒から見た「理想のメンター像」とそれを考える中で気づいたこと。

2023/12/03に公開

※この記事は「COUNTERWORKS Advent Calendar」の3日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/9131

今回は、2024年卒で株式会社カウンターワークスに新卒エンジニアとして入社を控えた私が、おこがましくも「新卒インターン」で感じたことを踏まえながら理想のメンター像に関して考えていき、その中で気づいたことを共有する記事です。

・そもそもメンターとはなにか?
・この記事でのメンターの定義
・先輩メンターの良かったと思うところ
・さらにメンターに望むこと
・理想のメンター像
・理想のメンター像を考えるなかで気づいたこと
という流れに沿って説明していきます

そもそもメンターとは?

「優れた指導者,助言者」 という風に意訳されることが多いワードです。
言葉の由来を調べると『オデュッセイア』の登場人物の「メントール」に由来するそうです。
参考

メンターと似た概念

メンターと似た概念をまとめました。
OJTは制度の名前なので少し異なりますが、OJT制度とメンター制度を比べる記事もいくつかみられたため、記載しています。

  • チューター
  • バディ
  • OJT
  • エルダー制度
  • ロールモデル

チューター

チューターとは会社のことや業務に限定 してアドバイスする人のことを言います。
メンターがメンタル面のケアを主にするのに対して、チューターは業務面の指導という風になります。

メンター チューター
メンタル面のケア 実務の指導

メンターと似た役割を持つ存在として「チューター」があります。チューターは、会社や業務に関係することに限定してアドバイスする存在のことです。
カオナビ人事用語集
https://www.kaonavi.jp/dictionary/mentor/

バディ(制度)

バディ制度はその名の通り、新入社員一人に対して先輩社員一人がついて幅広いサポートをします。
違う部署の先輩社員がバディとなる場合もあり、面談などを通して目標管理などもしたりします。
メンターとの違いはメンターが主にメンタル面のケアになるのに対し、バディはより幅広く、メンタルケア、実務や目標管理など幅広い役割があるのと、バディというとその名前の通り、やや密着度が強いと感じます。

バディ制度とは、新入社員1名ごとに先輩社員1名がつき、新入社員が職場や業務に慣れるまでの間、マンツーマンでさまざまな面倒を見る制度のことです。
バディ制度とは?メンターとの違いや導入のメリット・デメリットを紹介 | THANKS GIFT エンゲージメントクラウド
https://thanks-gift.net/column/communication/buddy-system

OJT(制度)

OJT制度は 「新入社員が実際の業務に携わりながら先輩社員の指導を受ける制度」 です。
指導を受けながら実務に携わるというのがポイントで、早期に業務の理解ができることでより成長が早くなると考えられています。OFF-JTがOJTに対する対義語になり、こちらは業務とは別の場所で行う研修やセミナーを指します。
OJT制度は研修の方法に関しての概念ですので、メンター制度とは大きく異なる概念です。

エルダー(制度)

エルダー制度はOJTの一種と言われていますが、
「直属の上司ではなく、業務を共にする先輩が選ばれる」 という点が主軸かと思います。
早期離職率を下げるために、より親しみやすい先輩を配置して研修等を行うというのが「エルダー制度」の役割です。

ロールモデル

ロールモデルは 「理想の人物 お手本の人」 という意味で、新入社員が入ってきた時に参考にすべき人物のことです。
具体的な目標があることで自分を客観視できたり、キャリア形成の参考になったりします。
これは 新入社員が目指すマインドセット であり、制度として具体的な対象を定めるものではないため、メンター制度やバディ制度、OJTなどとは異なる概念です。

メンターと似た概念のまとめ

私が調べたなかで「メンター」に似た概念や関連する概念をまとめました。
いろんな定義がありますので、あくまでも参考程度にお願いします。

概念 説明
メンター メンタル面のケア
チューター 業務面での指導
バディ 広範囲で密接な指導
OJT 実務形式での指導
エルダー 親しい先輩による指導
ロールモデル 参考とする人物

この記事でのメンターの定義

さて、ここまでメンター制度と似た概念についてまとめてみました。
改めて自社(カウンターワークス)での制度を振り返ると24年卒インターンの場合は以下のような形式で研修が行われました。

これらを踏まえると、弊社でのメンター制度は事業領域もメンタルケアも行っており、幅広く密接な指導という点でバディ制度に近いという風に感じました。
ただ厳密に 1対1 ではないことと自社では「メンター」という呼称が使われているため、この記事では 「新人に対して、業務・メンタル面問わず、教育係として管理や指導を行う人」 のことを 「メンター」 と定義して使っていきたいと思います。

新卒インターンが思ったメンターのここがよかった

正直、こんなことを言うのはおこがましい立場ではあるのですが、あえてこの立場でメンターの理想像について考えていきたいと思います。
結論から言うと、私のメンターのお二方はとても理想的でこれ以上望むこともないのですが、どこが理想的だったかを振り返りながら理想のメンターの特徴を書いていきたいと思います。

質問する場所をあらかじめ指定してくれる

弊社はコミニュケーションツールとしてはSlackを採用しています。
Slackの中には多くのチャンネルがあり、初見ではどれが何のチャンネルかはわかりません。
しかし、質問するチャンネルをあらかじめ決めていただけたことで、質問がしやすくなったと感じました。
また、弊社はSlackの中に個人の分報チャンネルあり、自分の思ったことを書き記すことができます。
もちろんそれは社内に公開されており、度々リアクションが飛んできます。
そのため質問していいかどうか判断がつかないことも、とりあえず書いておくと誰かから返信が来ることもあります。
このように質問するハードルを下げる取り組み をしてくれることは新卒にとってはありがたいと感じます。

自分がいない時間とその時の対応を指定してくれる

メンター社員ももちろん自分の仕事がありますので、つききりで新卒社員を見ることはできません。
そこで、

自分が忙しい時、あるいは予め対応できないことがわかっている時間帯を伝えておくこと

は、新卒社員にとってはありがたいです。
なぜなら、新卒社員も質問のタイミングには敏感で、「今、質問していいのかな?」「邪魔になるかな?」など考えてしまうものです。(実際、私もそうです。)
特に、テレワークをしている関係で相手の忙しさが目に見えてわからないため余計不安になってしまいます。
そのため、予め対応できないタイミングを聞いておくことで、その心理的な不安を和らげる働きがあると思います。
また、メンター不在時の質問場所や誰に質問していいかなどを提示してもらえるのも、安心感がありました。

はじめの実務は社内用アプリの改善から関わる

私が最初にバックエンドで実際の業務に携わったのは社内で利用する管理用のアプリケーションでした。
もちろん、その管理画面も外部公開しているデータと繋がっているため、慎重に扱わないといけません。

ただし、新卒の私からするといきなり多くの人が使っているアプリケーションに直接手を加えるのではなく社内用のアプリのリファクタリングとなると心理的な安心感はありました。
とはいえ、人によっては社内管理用アプリということで気が緩んでテキトウになってしまう人もいるかもしれない点は注意が必要かなと思いました。

さらにメンターに望むこと

もう十分至れり尽くせりの環境で、研修をさせていただいてたわけですが、
あえてそれでもさらに個人的にメンターに望むものを考えていきます。

質問しやすい環境づくり

私は、正直な話、質問は苦手なためできることならしたくありません。(もちろん、すべきではあるのは言わずもがなですが…)
では、なぜ「質問したくないか」ということを掘り下げると次のような要因があると感じました。

  • そもそもコミニュケーションが苦手。
  • 質問することで無知なのがバレるのが怖い。
    • 「こんなことも知らないの?」って思われる?
    • 自分で調べろって言われるかも...
  • 質問をした時に返事が返ってこなかったらどうしよう。
  • 今、質問するのは迷惑だったかもしれない
  • 質問の仕方がよくなかったかもしれない。
  • そもそも嫌われてる? etc...

もちろん、これは自分の改善点であり直す努力をする必要はあります。
ただし、これらの不安を心理的に和らげてもらえると、質問もしやすくなるのかなと思います。
上記の 「質問する場所をあらかじめ指定」 と 「自分がいない時間とその時の対応を指定」 はその一環としてとてもいいなと感じました。
ただ、まだまだ質問できていないと感じているので 「無理矢理にでも質問させる」 くらいでも私は嬉しいです。

個人のパーソナリティの理解

よく私たちいわゆる "Z世代" は「チャレンジ精神がない」「怒られるとすぐにメンタルを病む」「仕事よりプライベートの方が大事」「合理主義でコスパばかりを考える」などとネット等で言われることがあります。

これらは恥ずかしながら、思い当たる節もあるのですが全員が全員そうではありません。
私はどちらかというと"メンタルは弱い"方ではありますが、精神的にタフな人もいますし、つまるところ、

その人が「体育会系」なのか「文科系」なのか、あるいは「内向的」か「外向的」か、大事にしている価値観は何か?どのような人生設計か?家庭環境、交友関係そのほか諸々が関わってきます。

そこで、

「Z世代」だからとひとまとめにするのではなく可能な限りパーソナリティの部分を理解してもらうこと。

これは多くの人が望んでいることではないかと思います。
「Z世代だから、仕方ないよね」というフレーズは、理解しているように思えて本当の理解からは遠のいていきます。
そこで、

「ここのロジック部分わかる?」「この技術はまだ難しい?」「ここのテスト難しい?」

などといった技術的な質問だけではなく

「この業務は楽しかった?」「どの作業が一番好き?」「大変だと思ったのはどれ?」

など個人のパーソナリティがわかる質問をしていくことで個人の適正や特徴を引き出しやすいのかなと思いました。

理想のメンター像

ここまで私が望むメンター像を書いてきてなんですが、私が望むものと他の新卒の人が望むものは
当たり前ですが異なります。
そこで、私が思う理想のメンター像について書きたいと思います。
月並みではありますが、理想のメンター像は以下の要素から成るかなと考えました。

・メンター不在時の状況を考える。
・個人を理解できるような質問をする。
・質問をしたうえで個人に合わせた弱点を補強する。

つまるところ「新卒の個性」や「業務内容」などにもよるので、一般化して「理想のメンター像」というのも変な話ではありますが、このような結論を出させていただきました。

理想のメンター像を考えるなかで気づいたこと

メンターに対して望むことは自分の改善点でもある?

こうやって、理想のメンター像を考えるなかで私自身がメンターに対して望むことを書いてみましたが、改めて他の人にとっては違うだろうと思います。
私は、

  • 質問のしやすい環境を作ること
  • パーソナリティを理解すること
    という二つの側面に関しての希望を書きましたが、

これは自分が「コミニュケーションが苦手」「自分に自信がない」などと自分に足りないと感じていることの裏返しではないか?

とこの記事を書いている最中に感じました。

これはまた逆に「メンターが新卒に求めること」は「新卒に対してメンターが取り組むべきこと」でもあるのかなと思います。

このように「自分が相手に何を望むか」を考える中で「自分に足りないもの」を見つけるのは自己理解のプロセスや、関係性の向上の試行手段として有効ではないでしょうか?

最後に

改めて新卒インターンという立場ながら理想のメンター像について考察してみると、

「メンターに求めるもの」は「自分に足りていないもの」の裏返しであることが往々にしてあると感じました。

その逆もまたしかりで「新卒に求めるもの」というのは、「メンターとして引き立てるべきもの」でもある場合もあるような気がします。

幸いにして私は、メンターのお二方をはじめとして先輩社員に恵まれたと感じています。
ただ、もし、「メンターが自分に合わないかも」と思っている新卒社員や「新卒社員の扱いが難しい」と感じているメンターがいらっしゃれば、その思考の裏返しとて自分を振り返ってみると新しい気づきがあるかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考

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