スタートアップ企業でQAチームを立ち上げて半年間やってきたこと
はじめに
こんにちは!今回のアドベントカレンダー4記事目となるshimです。今回のアドベントカレンダーの言い出しっぺなので頑張ってます。
あらためて自己紹介なのですが、株式会社COUNTER WORKS(カウンターワークス)エンタープライズ事業部の開発チームにて、テックリード的存在として、リーシングのDXを実現するクラウド管理システム「ショップカウンター エンタープライズ」を開発しております。
今回は、弊社の弊事業部内に新たにQAチームを立ち上げ、半年間に行ったことを振り返ります。
本記事が、同じように試行錯誤したり、これから始めたいと考えている方の参考になれば幸いです!
どうしてQAチームが必要になったのか
小規模なスタートアップで開発するプロダクトにおいて、スピード感を落とさず、かつクオリティを保ちながら価値提供を行うのは簡単ではありません。
ショップカウンター エンタープライズというプロダクトをリリースしてから、ひたすら「早く開発して早く価値提供したい!」と走り続けてきましたが、様々なお客様の大事な業務ツールとして使っていただけるようになり、開発スピードだけではなく、品質を担保する重要性も非常に高まってきました。
QAチームの立ち上げの軌跡
2023年12月:QAエンジニア募集開始
※いきなり半年間でなくなるんですが、まだチームは立ち上がりません
プロダクトリリースから2年、弊事業部開発チーム内では、元々単体テストはしっかり書けていたものの、結合テスト以降は、開発者によって品質がバラバラだったり、影響範囲を読み違えてリグレッションを発生させてしまうなど課題がありました。
開発メンバーが増えて生産量も増えた分バグも増えてしまい、いよいよまずい、となり、QAエンジニアの募集を開始しました。
採用基準の策定
この時期にSlackに「devqa-recruit」というチャンネルを開設して、CTOと@kuririmaroと私で、弊社で一緒に働きたいQAエンジニアの定義や、必要とされるスキルを調べ、基準を策定しました。
私はQAってどういったことをやるのかさっぱりわからんと言ったら、インターン時代にQAをやっていた経験がある新卒2年目の開発エンジニア @kuririmaroがQAエンジニアとはなんぞやとドキュメントを書いてくれて、少し理解が進みました。
社員でも業務委託でもQAエンジニアを見つけるのは容易ではないのに、我々の知見が乏しいので、高いスキルを持ちチーム立ち上げフェーズでも自走できる、といった要件がでてきて、更に難易度が…
これ以降、継続的に採用方針をブラッシュアップしていきますが、その要件はぶらさずいきました。厳しい…
2024年6月:期待の人材加入、QAチーム爆誕
2023年12月以降数人の方と面談をすることができたのですが、2024年6月頭に、エージェント紹介で経験も実力も兼ね備えたAさんに業務委託として入場いただきました。
面談直後に「めっちゃ良い人!!!」「SUPER!!!」「何卒!!!」的なやりとりをCTOとしていたのですが、入ってくれて本当に良かった…
これにより、ようやくチームが動き出しました。
メンバーは私と@kuririmaroとAさんの3名で、私と@kuririmaroは開発と兼務。
Slackに「devqa」チャンネルも爆誕!
※記事のタイトルはここから半年間だからです
Aさんに私達が期待していることをすり合わせて、どう進めていくかを相談し、まずはエンタープライズ事業部のプロダクト「ショップカウンター エンタープライズ」で教科書通り、王道パターンで進めていくことに合意しました。
(さっそく色々教えてくれてめちゃくちゃありがたかったです)
Aさんに入っていただいた際に私がチャンネルに投稿した内容がこちら
(私がわーわー口頭でAさんに思いの丈をぶつけた内容をまとめたことなんですが、今も変わってません。課題の難易度高いぜ)
QAチームの活動の詳細
2024年6月〜7月:要求分析と共有
Aさん加入後に最初にやっていただいたのは要求分析でした。
スタートアップあるあるだとは思いますが、仕様書がなかったり、残っていてもメンテナンスがされておらず古くなっていたりで、顧客が使うサービスのヘルプページと実際のデモ用の環境しかない中、何とか進めていただきました。
毎日15分ほど夕会を行い、機能として分からない所などは都度聞いたのでもらえてとても助かりました。
ここでプロダクトオーナーと、こういう事やっていきます、これが実現するとこういう良いことがあります、今度こういう事相談させてください、といって都度合意形成しました。
2024年7月:テストの方針定義
要求分析の結果を基に、優先順位付けをし、プロダクトオーナーや開発メンバーとリグレッションテストのシナリオの作成に着手。
初期はこのシナリオに沿って弊事業部の開発チームメンバーによる人力実施をすると意思決定しました。
かなりコストはかかりますが、開発メンバーのQA意識の向上や、プロダクトへの理解度の向上を意図した為です。
日々の開発業務で、自分の実装範囲外の機能開発が進むと、今のプロダクトについて中々分からないですし、理解度が高くなると、開発時にどの辺に影響するかが想像しやすくなって、結果安全に素早く開発できるかもな、という思いでした。
私達のプロダクトでは毎週火曜に定期リリースをしているので、その前に1時間と時間を決めてテストを実施していました。
とはいえ、シナリオがある程度完成して以降は、全シナリオをやっていると、その時間に収まらなくなってきたので、リリース物に影響されるシナリオをQAチームで抽出して、それだけ実施となっています。
以降現在まで継続して実施し続けています。
2024年8月:Aさんが他事業部の大規模リニューアルプロジェクトへ
他事業部でかなりの開発時間をかけた大規模リニューアルがあり、そちらの品質保証の為にAさんは駆り出されたので、この間弊事業部のQAチームとしての活動はリグレッションテストの実施のみに。
2024年9月:Aさんが事業部に戻ってきて、事業部内のあるプロダクトのリニューアルプロジェクトへ
Aさんはリニューアルに伴うテスト計画の作成と実施に専念。
QAチームの他のメンバーは、変わらずすでにあるシナリオだけでリグレッションテストのみ。
2024年10月:QAチームの目標を設定し、開発チームの四半期目標に組み込み
3ヶ月やってきた事を踏まえて、ここで改めて振り返りとキックオフと目標を設定、開発チーム全体の目標に組み込み、事業部内に発表(宣言)。
リグレッションテストの人力実施はしんどくなってきたし、開発メンバーの意識と理解度向上は達成したと判断、今後はE2E自動化ツールを選定してリグレッションテストの工数削減と実施頻度の向上を目指していくことで合意。
自動化シナリオの選定に着手しました。
2024年11月:E2E自動化ツール比較検討を行い、ツール選定を完了、QA勉強会に参加
E2E自動化ツール選定
ここは以前記事を書いてくれたので下記をご覧ください!
数多あるE2Eテスト自動化ツールからMagicPodを本気で選定した
QAエンジニアのMeetUpに参加
ログラスさんで行われた「【オフライン開催】スタートアップのQA集合!リアルな困りごとを語り合おう!【ログラスxオープンロジx令和トラベル】ココだけの話が聞けるかも?3社合同MeetUp」に @kuririmaro と参加。
会場内ほぼQAエンジニアばかりな中、私のようなQA素人が混ざってしまったのですが、それぞれの企業で実際にどうやっているのか、みなさん優しく教えていただけて感謝しかありません。
私の話を面白がってお聞きいただき、意見をくださったみなさま、本当にありがとうございました!
自分たちが進んでる方向性は間違ってなかったんだなと、かなりホッとしつつ、より頑張っていかねばとモチベーションが高まりました。
2024年12月:Magicpod利用開始
テストシナリオをMagicpodに落とし込んでいる最中で、来年からは開発とリリースフローに乗せたいと考えています。
半年を振り返って
QAチームの立ち上げからあっという間に半年が経過し、さまざまな挑戦と成果を実感しました。
やって良かった事はほぼ全てなのですが、QAチームとしてスムーズにやれた要因としては
- 事業部の開発責任者がQAにも責任を負ったこと
- 開発チームの四半期の目標にも混ぜ込んだ(宣言の力)
- QAチームとプロダクトオーナーとで課題の共通認識を持ち、やることの合意形成して同じ方向を向かえたこと
- 開発メンバーのみんなにQAの大事さが伝わり、「押忍」と言って気持ち良く協力してくれたこと
- Aさんの優秀さ(再現性…)
- @kuririmaro が開発者としてもQAエンジニアとしてもメキメキと成長して、リーダーとして任せられるようになったこと(再現性…)
が挙げられます。
この半年間、事前に防げた障害もあれば、見落としてしまって発生してしまった障害もあり、まだまだ道半ばです。
今後は開発チームで採用している開発プロセスであるスクラムにQAプロセスを混ぜて、開発の前の段階でテストケースを作るなどシフトレフトを心がけ、更に開発と密着して品質を保証し、顧客に素早く高品質な価値提供をしていければと考えています!
最後に、株式会社カウンターワークスでは、気の良い開発メンバーと共に、高品質なプロダクトを作り上げて商業施設を助け、結果日本経済を元気にするメンバーを募集しています!(特にQA得意な方!!!!!)
興味のある方はぜひ以下のリンクから気軽にご応募ください!

ポップアップストアや催事イベント向けの商業スペースを簡単に予約できる「SHOPCOUNTER」と商業施設向けリーシングDXシステム「SHOPCOUNTER Enterprise」を運営しています。エンジニア採用強化中ですので、興味ある方はお気軽にご連絡ください! counterworks.co.jp/
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