Day,10 電気設備工事、施工法、接地工事

2023/05/23に公開

10日目、座学にて電気設備工事の施工法など、実習は技能試験課題⑤

電気設備工事の分類

施工内容により、配線工事・機器取付工事に分類される

施設された電気設備には電気に関する知識のない人も使用するため、感電・漏電から発生する災害が発生しない安全な設備を施工する

電気工事作業内容

・配線作業
・配管作業
・器具取付作業
・接地作業
など

施設場所

・屋内配線工事
・屋外配線工事
・屋側配線工事(建築物の外壁など)

屋内配線における施設場所

・展開した場所
・点検できる隠ぺい場所
・点検できない隠ぺい場所

電気設備と人との隔離状態

・人が容易に触れる恐れのある場所:屋内で床面から1.8m以下、屋外で地表面から2m以上

・簡易接触防護措置:屋内で床上1.8m、屋外で地表上2m以上の高さに、かつ、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に工事すること

・接触防護措置:屋内で床上2.3m、屋外で地表上2.5m以上の高さに、かつ、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に工事すること

電線接続の条件

・電線の電気抵抗を増加させない(ろう付けすることで電気抵抗の増加をカバー)
・電線の引っ張り強さを20%以上減少させない
・接続部分は接続菅その他の器具(スリーブ、コネクタなど)を使用する以外は必ずろう付けをする
・金属菅や合成樹脂管などの電線管内では電線接続を行わない
・コード相互、キャブタイヤケーブル相互の接続はコード接続器・接続箱などの接続器具を使用すること、ねじり接続などの直接接続を行ってはいけない
※ただし8mm2以上のキャブタイヤケーブルは直接接続してもよい

主な工事の種別

・ケーブル配線工事
・管工事
・ダクト工事
・接地工事

ケーブル配線工事

ケーブル配線工事は屋内において施工場所の制限がない
ただし、重量物の圧力または著しい機械的衝撃を受ける恐れのある場所に施設するケーブルは、適当な防護装置を設ける必要がある

ケーブル支持点間の距離

・ケーブル
一般…2m以下/接触防護措置を施した場所で垂直に取り付ける場合…6m以下

・キャブタイヤケーブル:1m以下

その他の決まり

・電話線、水道管、ガス管等とは直接接触しないようにする
・ケーブル被覆を損傷させないように曲げ半径をケーブル外径の6倍以上にする(ただしVVFケーブルを使用する露出配線でやむを得ない場合はケーブルの被覆にひび割れを生じさせない程度なら曲げてもよい)
・コンクリートに直接埋め込まない
・コンクリートに埋設する場合はMIケーブルまたはコンクリート直埋用ケーブルを使用し、コンクリート内では電線に接続点を設けない

など

ケーブルの地中配線

構内の地中にケーブル配線工事を行う際は、直接埋設式工事が多く採用されている
その他に、暗きょ式・管路式など

重量物の圧力を受ける恐れのある場所(道路など)
…深さ1.2m以上

重量物の圧力を受ける恐れのない場所(庭など)
…深さ0.6m以上

使用できるケーブル:CV,VVF,VVRなど

直接埋設式により施設する場合は、コンクリート製の堅牢な管またはトラフにおさめて施設する

防護管として使用:FEP,VE,HIVEなど

金属管工事

金属管工事はいずれの場所にも施設できる最も適用範囲の広い工事である
しかし、金属管は土の中、木造家屋の屋側には使用してはならない
メタルラス壁やトタン板などの造営材に配管するときや貫通するときは漏電による火災や感電事故を防ぐため電気的に完全に絶縁させる必要があり、また湿気のある場所の配管は管が腐食しないような方法で施工しなければならない

金属管の種類

金属管は鉄管に亜鉛メッキを施した円管であり、定尺は3660mmである

厚み順にG→C→Eの3種類となる

①G管:厚鋼電線管
ネジ切りをし使用する肉厚な管/呼び径は内径に近い偶数mm/屋外で使用できる高い耐候性/機械的強度

②C管:薄鋼電線管
ネジ切りをし使用する肉薄な管/呼び径は外径に近い奇数mm/低い耐候性/屋内において露出場所や天井裏など電線保護用として主に用いられる

③E管:ねじなし電線管
薄鋼電線管よりも薄く、ネジ切り不可のため接続時には止めるねじを使用して固定する/呼び径は外径に近い奇数/C管よりは若干多く入線することが出来、屋内で主に用いられる

金属管の選定

・管の厚さはコンクリートに埋め込むものは1.2mm以上、日本壁やしっくい壁に埋め込むときは1.0mm以上

・コンクリートに埋め込む以外で継手のない長さ4m以下のものを乾燥し展開した場所に施設する場合は0.5mm以上

・金属管に納める電線は管に屈曲がなく容易に引き入れひができて電線が同一太さで断面積が8mm2以下の場合は金属管の内部断面積の48%以下とし、異なる太さの電線を収める場合は32%以下とする

使用電線

原則として絶縁電線のより線を使用する
ただし、直径3.2mm以下のものは単線でよい

管の接続

・相互の接続は必ずカップリングにより行う
・さび、腐食のおそれがある部分は塗料その他で保護する
・湿気の多い場所、水気のある場所に施設する場合は除湿措置を施す

管の支持点間の距離

2m以下とし、専用サドルを使用する

管の屈曲

金属管の断面が著しく変形しないように曲げ、内径の半径は管内径の6倍以上とする

電磁的平衡

交流回路においては1回路の電流全部を同一管内におさめる
※電線に交流の電流が流れると管の中の電線の回りに磁力線ができこれの変化に従い電線管に電流が誘導されてしまうため

接地工事

接地とは電気設備と大地を電気的に接続することで、誘導や混触による感電防止のための保安接地、避雷器などの機器や装置が十分保護効果が期待できるための機能接地、および電路の中性点などの系統事故時の保護装置の確実な動作の確保、異常電圧の抑制、対地電圧の低下を図るための系統接地などがあるが低圧屋内配線での接地は感電防止などのための保安接地である

接地工事の種類

A種接地工事…接地抵抗10Ω以下/接地線の直径2.6mm以上

B種接地工事…150÷(1線地絡電流)Ω以下

C種接地工事…10Ω以下/直径1.6mm以上

D種設置工事…100Ω以下/直径1.6mm以上

ただしCD種の低圧電路において、当該電路に地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を
遮断する装置を施設するときは500Ω以下

※CD種が第二種電気工事士の工事範囲となる

D種接地工事…使用電圧300V以下
(漏電による感電の危険を減少させる場合に行う)

C種接地工事…使用電圧300Vを超える低圧
(低圧でも危険度の割合が大きい場合に行う)

ちなみに、A種は電力会社から送電される一次側6600V電圧を低圧二次側に送るための変圧器への接地工事、B種は変圧器の故障などで間違えて二次側へ高圧が流れないよう二次側の中性線を接地する工事などとなる

接地工事の省略

D種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が100Ω以下の場合はD種接地工事を施したとみなして省略できる
C種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が10Ω以下の場合はC種接地工事を施したとみなして省略できる

その他省略できる場所

・乾燥した場所に交流の対地電圧150V以下または直流300V以下の機械器具を施設する場合

・低圧用の機械器具を乾燥した木製の床、絶縁性のものの上で取り扱うよう施設した場合

・電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合

・低圧用の機械器具の電源側に絶縁変圧器(二次側線間電圧300V以下、容量3kV・A以下)を施設し絶縁変圧器の負荷側の電路を接地しない場合

・水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流15mA以下、動作時間0.1秒以下の電流動作型)を施設する場合

・金属製外箱等の周囲に適当な絶縁台を設ける場合

・外箱のない計器用変成器がゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆されたものの場合

・低圧用の機械器具を木柱その他これに類する絶縁性のものの上であって、人が触れるおそれがない高さに施設する場合

金属管工事のD種接地工事の省略

・管の長さが4m以下の金属管を乾燥した場所に施設する場合(使用電圧300V以下)

・交流対地電圧150V以下または直流300Vの場合において、その電線を収める管の長さが8m以下の金属管に簡易接触防護措置を施すとき、または乾燥した場所に施設する場合

接地抵抗の測定

・E,P,C端子のある接地抵抗計/アーステスタを用いて被測定接地極をXをE端子に、補助接地極をP,C端子に接続

・接地極板と補助接地極板はそれぞれ約10m離し、ほぼ一直線になるようにする

・測定値Ωはダイヤルをまわして検流計のバランスのとれたときのダイヤル目盛の読みである

作業実習

技能試験課題⑤

Discussion