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ソフトウェアテスト、テストエンジニア、QA/QCに役立つ資格

2023/05/29に公開

はじめに

システム開発の検証スキルや品質管理の知識を評価する資格、
テストエンジニア、QA/QC向けの資格にはどのようなものがあるか調べてみました。

今回、確認した資格は以下の4つです。

  • テスト技術者資格(JSTQB)
  • ソフトウェア品質技術者資格認定(JCSQE)
  • IT検証技術者認定試験(IVEC)
  • 品質管理検定(QC検定)

各資格の概要をまとめます。

テスト技術者資格(JSTQB)

https://jstqb.jp/

概要

主催: JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)

国際的な資格認定組織「ISTQB」に基づき、ソフトウェアテストの技術を認定する国際資格。
「Foundation Level」と「Advanced Level(テストマネージャ/テストアナリスト)」の試験がある。

「JSTQB Foundation Level」の試験

ソフトウェアテストの手法や技法について理解し、技術力向上を図る。
テスト担当者に要求される基本的な知識とスキルについて出題される。

JSTQB Foundation Level
出題範囲 テストの基礎
ソフトウェア開発ライフサイクル
テスト技法
テストマネジメント
テスト支援ツール
試験日程 予約可能日であればいつでも
試験料(税込) 22,000円
試験会場 全国のCBTテストセンター
※CBT:コンピュータ上で行う試験
第32回受験者数 948名
第32回合格者数 490名
第32回合格率 51.7%

ソフトウェア品質技術者資格認定(JCSQE)

https://www.juse.jp/jcsqe/

概要

主催: 一般財団法人 日本科学技術連盟(JUSE)

日本科学技術連盟は、JSTQBの試験実施組織。
「初級」と「中級」の試験があり、「上級」は今後新設される予定。

「初級 JCSQE」の試験

ソフトウェアの品質向上に関する知識を、包括的かつ体系的に身につける。
品質を継続的・効果的に向上させる知識について出題される。

初級 JCSQE
出題範囲 ソフトウェア品質の基本概念
ソフトウェア品質マネジメント
ソフトウェア品質技術
専門的なソフトウェア品質の概念と技術
ソフトウェア品質の応用領域
試験日程 6月、11月
試験料(税込) 15,400円
試験会場 宇都宮、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇
第29回受験者数 443名
第29回合格者数 124名
第29回合格率 28.0%

IT検証技術者認定試験(IVEC)

https://www.ivia.or.jp/item43

概要

主催: 一般社団法人 IT検証産業協会(IVIA)

「レベル1」から「レベル5」までの試験がある。
出題のテスト用語は、JSTQBが公開している用語集を参考にしている。

「IVEC レベル2」の試験

ソフトウェアテストの現場における実務を重視し、検証技術力向上を図る。
テストの工程全体を通した知識とスキル、品質の管理方法について出題される。

IVEC レベル2
出題範囲 テスト実行計画
テスト環境、テストケース準備
テスト実行、実行記録
テスト実行報告、不具合報告
プロジェクト管理
試験日程 5月、11月
試験料(税込) 22,000円
試験会場 札幌、岩手、東京、横浜、名古屋、大阪、沖縄
2022秋期受験者数 123名
2022秋期合格者数 76名
2022秋期合格率 61.8%

品質管理検定(QC検定)

https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/qc/

概要

主催: 一般財団法人 日本規格協会(JSA)

一般社団法人 日本品質管理学会の認定資格で、ソフトウェアテストに特化しない。
「4級」から「1級」までの試験がある。

「QC検定 3級」の試験

品質管理に関する知識や改善能力を向上させ、より高い質の製品/サービスの提供を目指す。
QC七つ道具や統計/分析を活用し品質改善する手法、品質の管理方法について出題される。

QC検定 3級
出題範囲 データの取り方やまとめ方
QC七つ道具の利用
QC的ものの見方・考え方
管理と改善の進め方、プロセス管理
問題解決、検査と試験、標準化など
試験日程 3月、9月
試験料(税込) 5,170円
試験会場 全国44都市
※開催回ごとに異なる
第35回受験者数 23,776名
第35回合格者数 11,866名
第35回合格率 49.9%

おわりに

システム開発に限りませんが、製品/サービスの開発において
「QA(Quality Assurance:品質保証)」と「QC(Quality Control:品質管理)」
という役割があり、主に以下のような違いがあります。

QA: 開発の過程で品質を確保する。品質目標や品質向上を計画し実施する。
QC: 開発された成果物の品質を検査する。検証をおこない品質の水準を保つ。

どちらも品質を向上させるために重要な取り組みで、協力が必要です。

いずれの資格も未受験の私の所感としては、
どちらかというとJSTQBはQC寄り、JCSQEはQA寄り、
IVECはレベルによりQCからQAまで、
QC検定はQCという名前だけどQAっぽい資格と思いました。

検証スキル/技法、計画/管理、統計/分析手法など、品質向上の観点はいろいろあるため、
伸ばす方向を定めて資格を選定すると、より効果的な学習ができそうです。

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