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そこに愛はない。AIなのにープログラマの仕事はどうなるかー

に公開

目まぐるしく進化し続ける生成AI。
日々更新される、コーディングアシスタントや自立型コーディングエージェントの技術情報。
もう、プログラマの仕事なんてなくなるんじゃ……

なんてびびっていてもしょうがないのですが、たぶんなくならないと思っています。

AIにできないこと

技術的な発展はまだまだ継続中。
いったいどこまでのことができるようになるのか、今も予想がつきません。
二ヶ月後には今できなかったこともできるようになっているかもしれない。
それぐらい、日進月歩で進んでいるのが今の状態です。

しかし、技術的にじゃなくて、原理的に、あるいは存在そのもの特性として、人間にはできてAIにはできないことがあります。

1. 独自性は出せない

いや、思いもよらないアイデアとか出してくるようになるんじゃないか?
と思えるかもしれませんが、基本的にAIに独自性は出せません。
というか、AIが出したアイデア、それそのものが独自性を主張できません。

だって、その時点でどんなに独創的でも、同じAIを使っている他社は同じことができますよね。
プログラミングについていうなら、AIが自分のために書いてくれたコードは、他の会社でも書く可能性があります。

どんなに技術が進もうと、AIの仕事はその時点で独創的とは言えません。

2. 責任は取れない

責任を取るとはどういうことか。
ものすごく身も蓋もないことを言えば、何かに失敗してそれが原因で、会社や関係者に不利益が生じたら、それ相応の苦痛を自分が引き受けるということです。
クビになったり降格したり、減給されたり、出世の道が閉ざされたり。
それがあるから、関係者は多少は優しい気持ちになれるってものです。

AIは苦痛を感じません。
プロンプトで罵倒したところで、口では悲しそうなことを言うことはあるかもしれませんが、苦痛を感じる心はないし、反省もしません。
そう言う存在なので、責任はとれません。

3. 愛がない

ようするに、こだわりがありません。AIは何にもこだわりません。
おそらく妥当と思える答えをいつも用意してくれますし、人の拘りをある程度理解して、アイデアを補強してくれたりとかはできますが、AIそのものが何かにこだわることはありません。

こだわりとは、自分のアイデアや仕事に対する「愛」でしょう。
アイデアや仕事に対する「愛」があるから人はこだわり、独創的な仕事をやってのけるわけです。

愛と責任のあるプログラマのするべきこと

この辺のことがあるため、ソフトウェア開発の全てがAIに取られてしまうと言うことはありません。
もちろん、AIがやることになる仕事というのはたくさんありますし、それは広がっていくでしょう。
特に、人海戦術的な形でやっていた仕事はAIが担当していくことになります。

逆に言えば、独創性と責任感が求められ、何よりこだわりのある仕事が求められる場合、そこには必ず人間の存在が必要です。

ざっと考えてみて、AIが進化が進んでも、人間手に残る仕事を書き出してみます。

  1. AIに対する最初の入力(プロンプト、たぶんものによってはドキュメントを作成する必要あり)
  2. AIの仕事のチェック(つまりレビュー。やり方を工夫しないとこれだけやるのは苦痛)
  3. AIの仕事以上にするための「こだわり」の入力

たぶん、三番目が重要ですね。
UI/UXにこだわるなら、AIに手伝わせるにしろ、デザイン自体は人間手で行う必要はあります。
独自のアーキテクチャで他社と差をつけたいなら、アーキテクチャ設計書を書く必要があるかもしれません。
まだ世の中にない特殊なアルゴリズムを必要とするなら、自力でコーディングする必要があるでしょう。

どれもこれも、状況によってはAIにぶん投げても構わない仕事です。
しかし、他社と差をつけるなら、会社や自分にこだわりがあるなら、AIの力は借りてもいいけど、人間の手によって、AIの仕事の上をいかなければなりません。

つまり、プログラマの仕事は最終的には

「こだわりたいところを自分手で行うこと」

になると思っています。もっと言ってしまえば、

「つまんないところはAIにどんどんぶん投げて、一番楽しいところに力を入れよう」

ということになるんじゃないかと思います。

大事なのは、

「何をどこまでAIに任せて、人間はどこに力を入れることでプロダクトに独自性を仕込むのか」

ということでしょう。

こう言えば、ちょっと楽しい未来に見えてきませんか?

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