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【QuickSight】ドリルダウンによる階層表示を実現する方法

2025/02/26に公開

QuickSightでドリルダウンによる階層表示を実現する方法

Amazon QuickSightでは、ドリルダウン機能を活用することで、データをより詳細に掘り下げて可視化できます。
例えば、「年 → 四半期 → 月」のような階層構造のデータを扱う際に便利です。

本記事では、ドリルダウンによる階層表示の設定方法 をステップごとに解説します。


1. ドリルダウンとは?

ドリルダウン とは、グラフをクリックするだけで、より詳細な情報に掘り下げることができる機能 です。
例えば、売上データのグラフで「年」をクリックすると、その年の四半期別売上データに、さらに四半期をクリックすると月別売上データに表示を切り替えることができます。

活用例

時間軸の分析

  • 「年 → 四半期 → 月」の順にドリルダウンし、特定の期間の売上推移を詳細に分析。

地理的分析

  • 「国 → 都道府県 → 市区町村」のように、地域ごとのデータを階層的に表示。

製品カテゴリの分析

  • 「カテゴリ → サブカテゴリ → 商品」の順でドリルダウンし、各商品の売上や利益を詳細に確認。

2. ドリルダウンの設定手順

① データの準備

まず、以下のようなサンプルデータセットを用意します。

四半期 売上 利益
2022 Q1 1月 10000 2000
2022 Q2 4月 15000 3000
2022 Q3 7月 13000 2500
2023 Q1 1月 12000 2200
2023 Q2 4月 16000 3100
2023 Q3 7月 14000 2600

このデータをCSV形式で保存し、QuickSightにインポートしてください。


② データのインポートと準備

  1. QuickSightにログインし、「新しいデータセット」をクリック。
  2. ファイルのアップロード」を選択し、先ほど作成したCSVファイルをアップロード。
  3. データのプレビューが表示されたら、「データの直接クエリ」または「SPICEにインポート」を選択し、「データセットの編集」をクリック。
  4. データセット編集画面で、「年」「四半期」「月」の各フィールドのデータ型が文字列になっていることを確認。なっていない場合は、文字列に変更して保存してください。


③ 分析の作成とビジュアルの追加

  1. 新しい分析」をクリックし、先ほど作成したデータセットを選択。
  2. ビジュアルの種類」から「垂直棒グラフ」を選択。

④ X軸に階層フィールドを設定

  1. 右側の「フィールドリスト」から、「」フィールドをX軸にドラッグ&ドロップ。
  2. 同様に、「四半期」「」フィールドも順にX軸に追加。
    • フィールドの順序が「年 → 四半期 → 月」となるように配置。
  3. これで、ビジュアル上で「年 → 四半期 → 月」の順にドリルダウンが可能。

⑤ Y軸に売上と利益を設定


⑥ ドリルダウンのテスト

  1. ビジュアル上のバー(例:2022年)をクリックすると、四半期別のデータにドリルダウン。
  2. さらに特定の四半期(例:Q1)をクリックすると、月別のデータが表示。
  3. ドリルアップする場合は、ビジュアル上部の「ドリルアップ」ボタンをクリック。

3. ユースケース

ドリルダウン機能は、さまざまなビジネスシナリオで活用できます。

ユースケース1: 売上分析

シナリオ:
全国展開している小売業者が、年間の売上データを分析。
まず、全体の年間売上を確認し、次に四半期ごとの売上推移を把握。さらに特定の四半期に注目し、月別の売上データを詳細に分析。

活用方法:
ドリルダウン機能を使用して、「年 → 四半期 → 月」の順で詳細分析を行う。


ユースケース2: 地域別マーケティング分析

シナリオ:
マーケティング担当者が、地域ごとの売上データを分析。
国全体の売上から、特定の都道府県、さらには市区町村ごとの売上データを可視化し、重点エリアを特定。

活用方法:
「国 → 都道府県 → 市区町村」の階層構造でドリルダウンを設定し、特定のエリアごとの売上動向を分析。


4. よくあるトラブルと対処法

問題 原因 解決策
ドリルダウンが機能しない X軸に階層が設定されていない 「ドラックアンドドロップで階層を作成」 でフィールドを設定
階層が期待通りに動作しない フィールドの順番が間違っている フィールドの並び順を見直し
他のグラフと連動しない フィルターアクションが未設定 「アクション設定」 で連携

5. まとめ

ドリルダウンを活用すると、データを階層構造で直感的に分析できる
X軸にフィールドにドラックアンドドロップでドリルダウンの設定が可能
フィルターアクションと組み合わせることで、他のグラフとの連携も可能

QuickSight のドリルダウン機能を活用し、より効果的なデータ分析を行いましょう!


6. 参考文献

  1. Amazon QuickSight 公式ドキュメント

この記事が QuickSight のドリルダウン機能を活用する際の参考になれば幸いです!

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