【QuickSight】ドリルダウンによる階層表示を実現する方法
QuickSightでドリルダウンによる階層表示を実現する方法
Amazon QuickSightでは、ドリルダウン機能を活用することで、データをより詳細に掘り下げて可視化できます。
例えば、「年 → 四半期 → 月」のような階層構造のデータを扱う際に便利です。
本記事では、ドリルダウンによる階層表示の設定方法 をステップごとに解説します。
1. ドリルダウンとは?
ドリルダウン とは、グラフをクリックするだけで、より詳細な情報に掘り下げることができる機能 です。
例えば、売上データのグラフで「年」をクリックすると、その年の四半期別売上データに、さらに四半期をクリックすると月別売上データに表示を切り替えることができます。
活用例
✅ 時間軸の分析
- 「年 → 四半期 → 月」の順にドリルダウンし、特定の期間の売上推移を詳細に分析。
✅ 地理的分析
- 「国 → 都道府県 → 市区町村」のように、地域ごとのデータを階層的に表示。
✅ 製品カテゴリの分析
- 「カテゴリ → サブカテゴリ → 商品」の順でドリルダウンし、各商品の売上や利益を詳細に確認。
2. ドリルダウンの設定手順
① データの準備
まず、以下のようなサンプルデータセットを用意します。
年 | 四半期 | 月 | 売上 | 利益 |
---|---|---|---|---|
2022 | Q1 | 1月 | 10000 | 2000 |
2022 | Q2 | 4月 | 15000 | 3000 |
2022 | Q3 | 7月 | 13000 | 2500 |
2023 | Q1 | 1月 | 12000 | 2200 |
2023 | Q2 | 4月 | 16000 | 3100 |
2023 | Q3 | 7月 | 14000 | 2600 |
このデータをCSV形式で保存し、QuickSightにインポートしてください。
② データのインポートと準備
- QuickSightにログインし、「新しいデータセット」をクリック。
- 「ファイルのアップロード」を選択し、先ほど作成したCSVファイルをアップロード。
- データのプレビューが表示されたら、「データの直接クエリ」または「SPICEにインポート」を選択し、「データセットの編集」をクリック。
- データセット編集画面で、「年」「四半期」「月」の各フィールドのデータ型が文字列になっていることを確認。なっていない場合は、文字列に変更して保存してください。
③ 分析の作成とビジュアルの追加
- 「新しい分析」をクリックし、先ほど作成したデータセットを選択。
- 「ビジュアルの種類」から「垂直棒グラフ」を選択。
④ X軸に階層フィールドを設定
- 右側の「フィールドリスト」から、「年」フィールドをX軸にドラッグ&ドロップ。
- 同様に、「四半期」「月」フィールドも順にX軸に追加。
- フィールドの順序が「年 → 四半期 → 月」となるように配置。
- これで、ビジュアル上で「年 → 四半期 → 月」の順にドリルダウンが可能。
⑤ Y軸に売上と利益を設定
⑥ ドリルダウンのテスト
- ビジュアル上のバー(例:2022年)をクリックすると、四半期別のデータにドリルダウン。
- さらに特定の四半期(例:Q1)をクリックすると、月別のデータが表示。
- ドリルアップする場合は、ビジュアル上部の「ドリルアップ」ボタンをクリック。
3. ユースケース
ドリルダウン機能は、さまざまなビジネスシナリオで活用できます。
ユースケース1: 売上分析
シナリオ:
全国展開している小売業者が、年間の売上データを分析。
まず、全体の年間売上を確認し、次に四半期ごとの売上推移を把握。さらに特定の四半期に注目し、月別の売上データを詳細に分析。
活用方法:
ドリルダウン機能を使用して、「年 → 四半期 → 月」の順で詳細分析を行う。
ユースケース2: 地域別マーケティング分析
シナリオ:
マーケティング担当者が、地域ごとの売上データを分析。
国全体の売上から、特定の都道府県、さらには市区町村ごとの売上データを可視化し、重点エリアを特定。
活用方法:
「国 → 都道府県 → 市区町村」の階層構造でドリルダウンを設定し、特定のエリアごとの売上動向を分析。
4. よくあるトラブルと対処法
問題 | 原因 | 解決策 |
---|---|---|
ドリルダウンが機能しない | X軸に階層が設定されていない | 「ドラックアンドドロップで階層を作成」 でフィールドを設定 |
階層が期待通りに動作しない | フィールドの順番が間違っている | フィールドの並び順を見直し |
他のグラフと連動しない | フィルターアクションが未設定 | 「アクション設定」 で連携 |
5. まとめ
✅ ドリルダウンを活用すると、データを階層構造で直感的に分析できる
✅ X軸にフィールドにドラックアンドドロップでドリルダウンの設定が可能
✅ フィルターアクションと組み合わせることで、他のグラフとの連携も可能
QuickSight のドリルダウン機能を活用し、より効果的なデータ分析を行いましょう!
6. 参考文献
この記事が QuickSight のドリルダウン機能を活用する際の参考になれば幸いです!
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