開発速度を維持・向上するためのココナラの取り組みを紹介します
はじめに
株式会社ココナラ バックエンド開発グループのEです。
私達は、知識・スキル・経験を売り買いできるスキルマーケット「ココナラ」を運営しています。
将来的にはすべてがそろうサービスマーケットプレイスを目指しています。
そのためにはいくつもの技術的な課題を解決していく必要があり、弊社では開発領域ごとに責任をもつ開発委員会を設置して打ち手を検討し推進しています。
その中で開発環境改善委員会についてご紹介します。
※ 開発委員会設置の経緯や全体の取り組みについてはこちらにあります。
開発環境改善委員会って何?
開発環境改善委員会とは 開発スピードの維持・改善(Speed) について責任を持って取り組む会議体を指します。
委員会メンバー
委員会は、責任者と各グループのエンジニアで構成されます。
各領域をまたがって取り組む必要があるため、バックエンド/フロントエンド/アプリ/インフラ/技術戦略室といった部署/グループの有識者が10名程度参加しています。
もちろん希望者も募っていますので、「ちょっと興味がある」や「勉強のために聞いてみたい」といった方も参加できます。
委員会KPI
改善できたか判断するためにKPIを決めておく必要があります。
開発環境改善委員会で注目した数値は「アクティビティ」で以下の式で算出します。
アクティビティ = issue作成数 + コミット数 + PR作成数 + PRマージ数 + レビュー数
アクティビティの一人あたりの毎月の平均総数をKPIとしました。
弊社ではFindy Team+が導入されていてissue作成数、コミット数などを見ることができますので、これを使って算出しています。
このKPIを改善するために様々な技術的な施策が提案され、委員会内で管理されています。
委員会でやっていること
委員会メンバーと隔週で30分程度のMTGを持ち、以下に取り組んでいます。
- KPIのモニタリング
- 施策の洗い出しや優先度決め
- 施策の進捗確認
- 施策のアイデア出しや議論
委員会では各領域のエンジニアがいるのでバックエンドやフロントエンド観点だけでは解決できないことも領域を横断した議論で改善できることがあります。
先日のMTGで、「フロントエンドのCI/CDの実行時間が長い」と議題に上がりました。
技術戦略室ではちょうどKubernetes(k8s)の導入検証をしており、その結果からk8sの導入で半分以下の時間に短縮できることが分かりました。
そのため、k8sの開発環境への導入を進めることになっています。
このように委員会で部署/グループ間で連携しながら進めています。
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モニタリングしている過去半年のKPIグラフ
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施策の一覧とその簡易計画
委員会を運用してどうなったか
以前は、ココナラのグロースのために新機能の開発を優先していたことやサービスが成長したことで変更によるリスクが大きくなり、バッチの基盤を刷新するといった大型の技術的な施策はスピード感を持って取り組むことができていませんでした。
そういった状況から管掌役員のもと委員会を発足して一年程度たちました。
現在、開発環境改善委員会では推進中の技術施策が5つと予定している技術施策が10個ほどあります。
例えば、開発生産性を上げるためにシステムのアーキテクチャの変更であったり、CI/CDの改善であったりと、大小様々取り組んでいます。
- 施策の一例
- マイクロサービス化の推進
- バッチ処理基盤移行
- アプリのCI/CD環境移行
- CI/CDの実行時間と実行成功率の改善
地道な取り組みで施策が着々と進んでいます。
マイクロサービス化推進では技術的な検証であったり、バッチ処理基盤は既に本番環境に導入ができており、バッチを順次新基盤に移していってます。
エンジニアとして委員会の活動で良かったことは、領域を横断して議論するため学びが大きいところです。
- 各領域のハイレベルなエンジニアと一緒に議論して進められる
- 他社事例などの知っている情報が共有される
- 他領域の技術の話を聞ける
Findy Team+ Award 2022での表彰
先日行なわれたFindy Team+ Award 2022で表彰されました。
表彰理由は、開発ボリューム、開発効率(≒リードタイム)で分けて指標を見たとき、どちらのバランスも良く一人あたりの開発ボリュームが他社と比較して優れていたためとのことです。
組織が拡大すると一般的には様々な理由でボトルネックが増え開発速度が減少する傾向にありますが、弊社のエンジニア60名でも維持改善するように皆で着実に取り組んでいることが表彰に繋がったのだと思います。
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トロフィー授与の様子
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授賞式集合写真
さいごに
弊社では開発環境改善委員会以外にも複数の委員会で技術課題の解決に向けた取り組みを実施しています。
今後も弊社の取り組みをブログに載せていく予定ですので興味がある方はこちらを覗いてみてください。
もし、ココナラに興味をもたれましたらぜひココナラのカジュアル面談にいらっしゃってください。
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