10年前の自分に捧ぐ進化の石:縛りプレイをやめよう

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こんにちは!
株式会社ココナラの 大瀧貢です。

データやAIと向き合う世界で奮闘すること10年、何度か「非連続的な成長を遂げたな」と自分自身で感じた瞬間がありました。
私自身は経験から学んでしまった部分も多いのですが、 「10年前の自分が読んだら、成長に必要な経験値をカットできたかもな」と思える考え方を記事としてまとめてみます。

読んだ方が悩みを解決し、明日から望む自分になれる...「進化の石のような記事」にできたら、この上ない幸せです。

※進化の石って、いまでも通じる言葉なのでしょうか...

こちらは株式会社ココナラ Advent Calendar 2025 9日目の記事です。

縛りプレイをやめよう

10年前の私も技術者でしたが、思うように仕事が進まず、毎日ヤキモキしていました。
当時の私の目には、仕事をとりまく世界が以下のように映っていたハズです。

  • 必死に磨いた技術を基礎に色々提案しているのに、理解してもらえない・認めてもらえない・成果に繋がらない
  • 技術的に正しいことを言っているのは私なのだから、理解できないまわりが悪い
  • 技術が軸の仕事なのだから、技術力だけで、すべてがうまく進まなければおかしい

10年前の私が、「技術力」というただ1つの視点・能力だけで世界を捉えていたことがハッキリとわかります。

現実において大抵のことは 複雑な因果の果ての結果解決には多様な能力が必要になることが殆ど なのですが、
当時の私は 複雑な因果の果ての結果を、ただ1つの能力(=技術力)で解決できる と考えていたワケです。

問題へのアプローチ方法をここまで間違えてしまうと、どれだけ力を注いだとしても、状況は少しも好転しません。

「縛りプレイをしている」ことに気付いてから、私の成長は驚くほどに加速しました。
「いま、縛りプレイをしていないか?」という問いがメタな学習サイクルを生み出し、成長が成長を加速させます。

縛りプレイに気付いたことが最も大きな成長だったのは疑いがなく、この記事の結論であると言っても過言ではありません。

10年前の私へ 縛りプレイをやめましょう
・1つの能力しか使えない状況は、そう多くありません
・あなたが得意な他の能力を活かすことで、より大きな成果を出すことができるかもしれません
・能力の好み・得意・必要性は、一致しないことも多いです

関係性を構築・強化しよう

10年前の私の視点を見て、どんな人間を思い浮かべたでしょうか?

...

そう、その想像通りです。だいたいそういうタイプの人間でした。
職場における関係性については、技術力による相互の尊敬によってのみ構築されると考えていました。

素敵な関係性であることについて疑いはありませんが、当時の私は関係性を構築・強化するメリットについて考えたことはありませんでした。

縛りプレイをやめた私が冷静に(広い意味での)自身のスキルセットを眺めてみると、足りないところだらけでした。
生きている間にすべてのスキルを獲得することが可能かすら怪しいほどです。

足りていないものだらけでも、それらのスキルを必要とする仕事は止まりません。
何かの奇跡が起きることを期待しはじめるような場面ですが、私の手には「縛りプレイ」という奇跡のキーワードが握られています。

自分の力だけで解決しようとするのは、縛りプレイ だったのです。

「なるほど完璧な作戦です、不可能な点に目を瞑れば。」当時の私も、いったんそこで思考を止めかけました。
ところで、他人の力を借りるのは、なぜ難しいのでしょうか。あえて、10年前の私に挙げさせてみましょう。

  • 会話したこともない人と会話するのは、恥ずかしいから
  • 誰かも知らないような関係で助けを求めたところで、助けて貰えるハズがないと思っているから
  • そもそも誰の手を借りれば良いのかも、わからないから

いまの私なら即答できます。 そうならないように、日頃から関係構築に投資を行う ことで、すべて回避できます。
イザという時に備えて会話を事前に行い、互いに誰かを知っておき、何が得意かも互いに把握しておけば良いのです。

10年前の私へ 関係性を構築・強化しましょう
・自分の能力だけを使って成果を出す必要は、ありません
・イザという時に力を借りるため、日頃から関係性構築に投資を行いましょう
・シャイなあなたは意外に思うかもしれませんが、難しさを感じるのは最初の3人までです
 ┗ 今週、まだ会話したことがない3人と、会話してみてください

感情・反応を先読みしよう

10年前の私は(おそらくイメージ通りに)、「自らのスタイルは論理である」と自称していました。
論理で生きているつもりで、「論理的に考えて、人間から感情が消えることはない」ことを見逃しています。

オセロ、チェス、将棋...様々なゲームでもそうであるように、先読みの深さは様々な問題を解決します。
「自分の行動によってどんな感情・反応が起きるのかを先読みし、最適な手段を検討する」ことで、かなりの問題を未然に解決できます。

古今東西、手を替え品を替え、先読みの深さによる利益は説かれています。

言葉を選ぶ
・相手の反応を予測し、受け入れやすい言葉や状況で伝えることで、目的を達成しやすくなる
相手の辞書で会話する
・相手が理解に苦しむ言葉や言い回しを予測し、丁寧に避けることで、本質的な部分に時間や労力を注ぐことができる
視座を高める
・自分の行動の影響を立体的に捉える能力を養うことで、より適切な手段を選ぶことができる

...

1つ残らず、10年前の私が、毛嫌いしていた内容です。 当時の私に言わせれば「本質的でない技術」でしょうか。

しかし、忘れてはいけませんよ、10年前の私。
私たちにとって「本質的」なものは ユーザーさんの幸せ であって、検討をサボった末に避けられた苦労をすることではありません。

10年前の私へ 感情・反応を先読みしよう
・人間から感情が消えることはありません。あなたがそうであるように。
・感情や反応を先読みし、適切な手段を検討しましょう。先読みしない将棋指しは、弱いハズです。
・先読みの精度を高めるために、相手の「ひととなり」を知りましょう。ここでも関係性構築は大切です。

まとめ:10年前の私は...

あらためて眺めてみると、10年前の私は「成果にこだわる人間」を自称しつつも「何が成果に関わるか」を理解しておらず、大きく空回っていました。

私自身、「辛抱強く成長を待ってくれる人」と「チャレンジする場を与えてくれる環境」に恵まれました。その幸運があったからこそ、成長できたのです。
ココナラの理念である「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」に強く共感する大瀧が、この記事によって、その幸運を少しでもお裾分けできていれば幸いです。

2026年から少しだけ自分を変えてみるのも、悪くないかもしれませんよ。


明日は、我らがえっぐさんによる「「全問い合わせの1%」への対応が組織の限界を決める:AIで挑む「プロセスのデバッグ」」です。

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