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技術者の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めてネットワーク機器を愛するようになったか

2024/05/01に公開

ご挨拶というか、枕

桜の花も散り葉桜が目につく季節となりました、いつもお世話になっております。ココナラ情報システムグループの山田志門(RTV710)です。イベントなどでは様々な方々に大変お世話になっております。
さて今回の記事はどんな内容にしようかと考えたのですが、SASEの続報も、Jamf Proの話もうちのグループのメンバーが既に語ってしまっていることを考えると、ちょっと他のメンバーではあまり書かない内容がよいのではないかと思うようになりました。
私が書く、書ける内容。それもうちの会社のテックブログで書ける範囲であれば、一体なんだろう?窓から見える、ライトアップされたスカイツリーを眺めながら考えておりました。ああ、今日は「粋」だな(ライトアップの種類の話です)。
そう言えば、誰もネットワークの話をしていないじゃないか、と、ふと気づきました。
確かに、社内で今でもネットワーク機器に触れることがあるとしたら、大体私です。サーバールームでラッキングされているネットワーク機器を睨みつけながら、なんでこの機種を選んだんだろう、どうしてこういう配線にしちゃったんだろう、そんなことを考えて早3年。本社でなかなかできなかったネットワーク改善については、去年のメインイベントの一つだった新オフィス立ち上げ時に、思う存分に「ぼくのかんがえたさいきょうのねっとわーくかんきょう」を実現することができました。こちらの件、ご興味がありましたら、こちらとかこちらをお読みいただけると幸いです。ちなみに、その新オフィスの件に絡んで、こんなイベントに上司共々登壇しました。私にとっては見渡す限り、どこかで見たことのある顔ばかりのイベントでしたが。ちなみに記事中の「ヤマハの代理店のごとく、ヤマハのNW機器を推す人」なる人物についての記述があります。誰のことなんでしょうね。
さて、ではネットワークのお話をしましょうとなっても、如何せん広く深い分野です。LANケーブル一本とってもそれだけでオライリージャパンさんなどで本が一冊出せるくらいの深みがあります。あ、出てますね、タコ本。
ではこんな感じのお話はいかがでしょうか。

「ネットワーク機器だって選んで欲しい」

このタイトルを読んでピンと来た方は多分私より年上世代だと思います。
ではなんでこんな章題を付けたかと言いますと、みなさん、ネットワーク機器の選定基準はなんですか?どこの数字やどの機能を見て選ばれているでしょうか。
私は副業で他社の情報システム部門の相談を受けたり、機器の構築などを行っています。大体のお客様は中小企業です。情シスが一人二人しかいないなどというのはよくある話で、むしろ専任の情シスがいるだけマシとも言えます。
多くの中小企業は、例えば、経理の方や、人事総務の方が「君、パソコン詳しいだろう?」などという理不尽な理由で、いつの間にかシステム担当者になっているというパターンがままあります。
そんな方々に、より専門性の強い機器である、ネットワーク機器を選んでごらんなさいという方に無理があります。
正直、プロだってちゃんと意識して選んでいるとは限りません。長年業界にいて場数を踏めば、適切なメーカー、製品などについてピンとくるようになりますが、それだって経験則です。経験則を人に教えることは難しいですし、ましてやマニュアル化は不可能でしょう。
ただ、先ほど申しましたような非エンジニアなのに、あるいはIT関係ということだけでシステム担当者にされてしまった方々は決して少なくありません。ただでさえ分からないのに、もっと分からない分野であるネットワークについて、「製品のEOL向かえるから機器更改よろしくね!」とか、「なんか会社のネット遅いから改善してよ」とか、「棚の後ろの灰色の箱、ファンの音うるさいからどうにかして」とか(このクレーム、実話です)、一人頭を抱えるしかありません。
結論から言うと、基準はあります。そしてネットワーク機器を作っている側だって「このシーンではこの製品を使って欲しい!」と意識しています。今回この記事で、そんな作り手の言いたいことと、みなさんが悩んでいることを少しでもマッチングできればと思い、キーボードを叩いています。
今回は「絶対の正解ではないけど、おかしなことにはなりにくい選び方」をご紹介したいと思います。
題して。

「間違いだらけのネットワーク機器選び」

またなんか聞いたことがあるぞと思う方もやっぱり私より年上だと思います。あ、この本は毎年続編が出ているんですね。ちなみに、私のかみさんの本棚には徳大寺有恒さんの版がありましたね。
ここでは「間違わない」ための、ネットワーク機器の選び方について、みなさんと一緒に見ていきたいと思います。

「特別な使い方じゃないから安い機器で良い」という考え方をやめましょう。

私は前職と、そして今の副業で中小企業の情報システム部門のお手伝いをしているのですが、「うちは別にそんなオンラインミーティング多いわけじゃないし、特別な使い方しているわけじゃないから、安い機械でいいんだよ」とおっしゃられる担当者様とたくさんお会いしました。
そんなお話をされる場合には、いつも背景を考えながら、以下のような説明をしています。
まず御社のネットワークインフラがどのように使われているのか、これが分からない以上は"特別"かどうかが分かりません。分からないので、安い機器でいいかどうかについて実は判断できない状況です。その上、いざ調べようとしても、安い機器は基本的に"ブラックボックス"であり、どう動いているのか、どのような動きをするのか、どこを調べても分かりません。自宅で一人きりで使っているのならともかく、障害などが発生したときに上司や同僚に「なぜ?」と聞かれて答えられない状況が今なんです、と。
ここで安い高いという話をしていますが、これはいわゆる"民生用"と"業務用"という言葉に置き換えることができます。民生用の機器は壊れたら交換するだけです。理由なんか必要ありません。自宅のラジオが壊れても何故壊れたかについて説明が必要な相手はいないと思います。一方で業務用はどう動いているのか、どんな状態なのか、いつ壊れたのかを知る手段が提供されます。
法人で利用する機器の多くは、壊れた場合には「何故壊れたのか」などの説明が必要なシーンが多いと思います。説明をしないと交換すらできなかったりしませんか?
ですので、使われ方が分からないネットワークではむしろ、それだからこそ業務用機器を導入する必要があると私は思います。

「プロが言うんだから間違いはない」ではなく、プロからの説明に腹の底から納得しましょう。

私の知るSIerさんたちや、その他のベンダーさんの多くは、製品説明にものすごく時間をかけます。買ってもらった後にクレームが飛ばないようにする、というのもありますが、多くは今後のお付き合いを考えて、なるべく良い選択肢を選んでいただき、末長く取引してもらいたいから、という思いだと思います。私もベンダー在籍時代はそんな思いでお客さんに説明をしていました。
ただそこはやはり、トラブルになったり、なりかける話も少なくはありません。
「お宅の営業とエンジニアがこれだったら間違いないって言ったから、こちらはそれを信じて買ったんだ」という、なんとも悲しいセリフが聞こえてくることもありました。
売る側買う側双方が気持ちよく、そしてより良い環境を構築するためにも売る側はもちろんのこと、買う側もちょっとだけ意識を変えると劇的に未来が明るくなる場合があります。
それは、「この製品を弊社に薦める理由は何か」を相手にとことん問うことです。もちろん、みなさんがエンジニアじゃないとしても、プロのエンジニアであれば、プロじゃない人にも説明が可能だからです。
「御社の事務所規模と同じような他のお客様で問題なくご利用されています」という理屈も正しいのですが、じゃあ何故その製品がその規模に向いているのか、その理由を聞くことは、別に技術に詳しくなくても聞けると思います。可能であれば「この製品の性能において、数値としてそう判断できる部分はどこか」を聞いてみるのも一つの手です。多くのネットワーク機器は機能や性能が共通している部分があります。一番有名な性能としては"スループット"だと思います。スイッチで言いますと"スイッチング容量"ですとか、"転送能力"がそれに当たるかもしれません。ではその単語は何か?まさにそここそをエンジニアに聞いてみましょう。聞いて分からなければ、分かる人に代わってもらいましょう。なんだったら私が代わります(笑)。

「とにかく高いのを入れておけば大丈夫」に、ご用心

ここまでで、結局、高い製品を入れておけば万事問題ないんでしょう?なんて聞かれるのではないかとちょっとだけ危惧しております。多分、半分くらい「YESです」と答えかけます。ですが、残り半分は「YES、なんですけど…」となってしまいます。
これはネットワーク機器に限らないのですが、高額(数十万以上)なIT機器製品は、「壊れたときにどうするか」という問題がついてまわります。法人利用であればなおのこと、「あんな高い金を払っているんだから、壊れちゃ困る」と思うのは当たり前です。
壊れたときにどうするか、あるいは壊れないように運用するためにはどうしたらいいのか、という問題に対しては"保守"というサービスが用意されています。これは壊れたときに、壊れた機器をベンダーなどに送って直してもらういわゆる"センドバック"保守、壊れたら直しに来てもらう"オンサイト"保守というものがあります。さらに壊れたときに正常な製品を送付してもらう"先出し"、平日日中のみに保守を受け付けるいわゆる"9時5時"(くじごじ)、24時間365日保守を受け付ける"24364"(にーよんさんろくご)など、これらを組みあせて保守してもらうことが多いです。
例えば、壊れたときに正常な製品を先に送ってもらい、故障した製品をベンダーに送付する保守を平日日中帯で受け付けてもらう契約を、"9時5時の先出しセンドバック"などと表現します。どこかのラーメン屋さんのコールではありません。
この話のポイントは、「お金のかからない保守は存在しない」という点と、「高い製品になればなるほど、保守費用は高くなる」という点です。ネットワーク機器導入の予算計画については、本体の購入価格については当然のことながら、保守費用もちゃんと調べた上で計画を立てましょう。

To be, or not to be, that is the question.

主に3つのパターンを挙げてみましたが、たったの3つ?と思われるかもしれません。が、機種選定のポイントとしては、大体この3つについて意識するだけで、おそらくではありますが過去と比べて劇的に質が変わります。
この3つに流れる通奏低音としては、「思考停止しない」「今まで通りをよしとしない」ということではないかなあって思っています。ただ、これを一度でも実践すると、次からは須く"改善"に続く一本道が現れます。PDCAなんて話はするつもりはありませんが、ただ単に前例に流されることなく、未来を踏まえた意思ある選択にこそ、道は続きます。そうあるべきか、そうではないのか。まさにそれこそが問題なんだと思います。
読書子におかれましては、より良い選択肢に巡り会えることを願うのと同時に、その選択肢に是非ヤマハネットワーク製品が含まれることを願ってやみません。はい、最後の最後に私の本音がバレてしまいましたね。

I want you

年がら年中、何をしても「人が足りない」というぼやきが聞こえてくる弊社ですが、一緒にぼやく…じゃなくて、一緒に働く仲間を求めています。
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自分で言うのもなんですが、実はとっても良い職場だと思っております。
是非、ご検討いただけると幸いです。
それではまた、ココナラテックブログかどこかの飲み会でお会いしましょう!

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