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Rescale で OpenRadioss の任意のバージョンを実行する

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この記事について

RescaleOpenRadioss の任意のバージョンを持ち込んで実行する方法を示します。解析対象は Bird Strike On Windshield とします。背景について述べた後、「ジョブ設定」の項目でサンプルジョブの設定内容を示し、「ジョブの解説」の項目で詳細を説明します。サンプルジョブでは、この記事の執筆時点での OpenRadioss 最新版である 20250422 を実行します

背景

OpenRadioss は、無料で公開されている有限要素解析(Finite Element Analysis, FEA)ソフトウェアです。商用ソフトウェアである Altair Radioss と同一の入力ファイルフォーマットおよびソースコードが使用されています. Rescale で OpenRadioss を実行する際、インストール済みソフトウェア一覧から選択することもできますが、使用できるバージョンが限られています。一方 OpenRadioss は実行ファイルが GitHub で公開 されているため、これを Rescale に持ち込むことで任意のバージョンを実行することが可能です

ジョブ設定

  • Inputs
    • BIRD_WINDSHIELD_v1_0000.rad
    • BIRD_WINDSHIELD_v1_0001.rad
    • PROP34_bird.txt
  • Software Settings
    • Bring Your Own Software (CPU)
    • Command
DEFAULT_DIR=$(pwd)

# OpenRadioss installation

wget https://github.com/OpenRadioss/OpenRadioss/releases/download/latest-20250422/OpenRadioss_linux64.zip
cp OpenRadioss_linux64.zip $HOME
cd $HOME
unzip OpenRadioss_linux64.zip

export OPENRADIOSS_PATH=$HOME/OpenRadioss
export RAD_CFG_PATH=$HOME/OpenRadioss/hm_cfg_files
export RAD_H3D_PATH=$HOME/OpenRadioss/extlib/h3d/lib/linux64
export OMP_STACKSIZE=400m
export LD_LIBRARY_PATH=$HOME/OpenRadioss/extlib/hm_reader/linux64/:$HOME/OpenRadioss/extlib/h3d/lib/linux64/:$LD_LIBRARY_PATH

# Running OpenRadioss

cd $DEFAULT_DIR

$HOME/OpenRadioss/exec/starter_linux64_gf -i BIRD_WINDSHIELD_v1_0000.rad -nt ${RESCALE_CORES_PER_NODE}
$HOME/OpenRadioss/exec/engine_linux64_gf -i BIRD_WINDSHIELD_v1_0001.rad -nt ${RESCALE_CORES_PER_NODE}
  • Hardware Settings
    • Starlite 4 cores
    • Walltime: 充分長く設定

ジョブの解説

上述のジョブでは、この記事の執筆時点での OpenRadioss 最新版である 20250422 を実行しています。解析対象は、公式の Application Demonstration Models の中の1つである Bird Strike On Windshield です。3点の入力ファイル(BIRD_WINDSHIELD_v1_0000.rad, BIRD_WINDSHIELD_v1_0001.rad, PROP34_bird.txt)は, Input Files から入手できます. Model Files (1.4 MB) の部分をクリックすると BirdStrike.zip がダウンロードでき、これを解凍すると BIRD_WINDSHIELD_v1_0000.rad, BIRD_WINDSHIELD_v1_0001.rad, PROP34_bird.txt が得られます
ジョブのコマンドは大きく分けて, OpenRadioss のインストール部分と, OpenRadioss の実行部分から構成されています. OpenRadioss のインストール部分のコマンドは, Simplified Downloading and Running OpenRadioss SMP under Linux を参考に記述しました. OpenRadioss の他のバージョンを実行したい場合の手順を以下に示します

  1. OpenRadioss のリリースページ にアクセスする
  2. 使いたいバージョンの linux64 の zip を右クリックしてリンク先の URL をコピーする
  3. ジョブのコマンド中の wget の後の URL を 2. でコピーした URL にする

実際にジョブを実行したところ、約11分で解析が完了しました

process_output.log には NORMAL TERMINATION と表示され, Exited with code 0 で終了(正常終了)していることから、無事に解析できたものと考えられます

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