【速報】Cloud Run アップデート情報 in Google Cloud Next'24
はじめに
こんにちは。クラウドエース株式会社で Application Modernization の設計開発を担当している水野です。
現在、私はラスベガスで開催されている Google Cloud 主催のカンファレンスイベント「Google Cloud Next'24」に参加中です。
そこで発表された最新情報を現地からお届けしています。
本記事では、Google Cloud Next’24 2 日目に実施された「Cloud Run: What's new」の内容から「Cloud Run のアップデート情報」をご紹介します。
アップデート情報
主に以下の2点に関するアップデートがありました。
- 手軽にアプリケーションをデプロイするための機能(Simplifying App Development)
- エンタープライズ向けの機能(Enterprise Ready)
1. Simplifying App Development
1.1 Volume Mounts (Preview)
任意のNFS や Cloud Storage をボリュームとしてマウントできる機能がプレビューになりました。
気軽に Cloud Run からファイルシステムにアクセスできるようになっています。
詳細は公式ドキュメントをご覧ください。
1.2 Automatic Security Updates (Private Preview)
Basic Image(上記の写真の右側の図にある言語のランタイムや依存関係、OS パッケージやカーネル)のアップデートを自動化してくれます。
コンテナイメージ管理もアプリケーション部分のみに集中できるようになってくる機能ですね。
1.3 Deterministic URL (Private Preview)
今まで Cloud Run の URL はデプロイされるまで分かりませんでした。ですが、今回のアップデートで規則的な URL になるため、デプロイ前でも予測ができるようになります。
これによりデプロイ後の検証やテスト等がやりやすくなります。これは地味に嬉しい機能です。
1.4 Gemini in Cloud Run Recommendations (Private Preview)
Cloud Run に Gemini が搭載されることにより、ベストプラクティスな推奨事項を バナーやチャット上で提案してくれます。
この機能により、Cloud Run に詳しい人でなくても良い構成が組める可能性がでてきますね。
1.5 Multi-region services (Private Preview)
Cloud Run がマルチリージョンでデプロイできるようになりました。おおお!と驚いたのですが、少し落とし穴が。
正確には「コマンド1つでマルチリージョンにデプロイできる」という機能であり、実体は今まで通り「同じサービス名でリージョンが違うサービスが複数デプロイされる」です。そのため、前段に LB を構える必要はあります。
1.6 New Cloud Run Integrations (Preview)
Cloud Run と簡単に統合できる Google Cloud サービスが増えました。今までは、Memorystore、Cloud Load Balancing、Firebase Hosting でした。それに加えて、Cloud SQL、Firestore、Vertex AI と統合可能です。ワンクリックで構成できるサービスが増えることで、Cloud Run を中心としたアーキテクチャが組みやすくなりました。動作確認等ですぐに環境構築が可能になるのは嬉しいです。
詳細は公式ドキュメントをご覧ください。
1.7 Application canvas (Private Preview)
GUI ベースで Cloud Run を中心としたアーキテクチャを組むことができる Application canvas という機能がリリースされました。
また、Gemini を使用することができ、自然言語ベースでも構築が可能です。デモでは要件定義レベルでの文章でも理解をしてアーキテクチャを組んでくれていました。
個人的に嬉しいと思ったのが、構築時に必要な API 有効化と IAM 権限付与を自動でやってくれることです。この作業が地味に面倒かつミスしやすいところなので、非常にありがたいです。
以下、デモの写真
2. Enterprise Ready
2.1 Direct VPC Egress (GA)
待望の Direct VPC Egress が GA になりました!
これで Serverless VPC Access connector を使用する必要がなくなり、VM の費用負担やスケールインできない問題から開放されます。
詳細は公式ドキュメントをご覧ください。
2.2 Cloud Service Mesh with Cloud Run (Private Preview)
Cloud Run がなんと Service Mesh に対応します!
Cloud Service Mesh 自体が Next'24 で発表された新しいサービスであり、かつその Cloud Service Mesh の機能のどの部分が Cloud Run に対応してくれるかまではまだ明確になっていません。
ただ、これでよりマイクロサービスとの親和性が高まったことは間違いなしなので、今後のアップデートに乞うご期待です。
Cloud Service Mesh の詳細は公式ブログをご覧ください。
Cloud Run がより GKE に近づいてきたこともあり、セッション後の QA では GKE と Cloud Run の使い分けや違いに関する質問が多かったです。
それくらい Cloud Run がより良いサービスになってきたんじゃないかなと私は感じています。
おわりに
本記事では、Google Cloud Next’24 2 日目に実施された「Cloud Run: What's new」の内容から「Cloud Run のアップデート情報」をご紹介しました。
Cloud Run がより使いやすいサービスになったかつマイクロサービスとの親和性も高まったアップデートでした。
ぜひ皆さんも新機能を試してみてください。
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