Google Agentspace を無料トライアルではじめませんか?
はじめに
こんにちは、クラウドエースの松浦です。
今回は、2025年7月31日(日本時間8月1日頃)に GA(General Availability、一般提供)となった Google Agentspace を 無料トライアルで今すぐはじめられる方法 について紹介したいと思います。
その中で、Google Agentspace(以下、Agentspace)の細かい情報についてもいくつか補足できればと思います。
Google Agentspace の概要としては、様々な SaaS などにある社内情報検索機能を備えており、
その社内情報を元に AI アシスタント、AI エージェント機能を利用することができるプラットフォームになります。
詳細については、以下の公式ドキュメントなどを参照していただければと思います。
今回紹介するパターン
Agentspace では identity provider(ID プロバイダー)として、以下の2種類を選択できます。
- Google Identity
- Third-party identity provider
今回紹介するパターンとしては 「Google Identity」 を利用するものとなります。
※「Third-party identity provider」を選択する場合は、今回紹介する内容に加え、組織設定の Workforce Identity Federation の設定などが必要となります
無料トライアルの条件
- Google Cloud 組織が必要です
- 組織なしのプロジェクトだと下記画像のように後述する認証設定が行えません
- 組織なしのプロジェクトだと下記画像のように後述する認証設定が行えません
- Google Cloud で有効な請求先アカウントが必要です
- Google Cloud プロジェクトが必要です
- 有効な請求先アカウントがリンクされている必要があります
- 詳細はこちら
無料トライアル開始までの流れ
おおまかな流れは以下になります。
-
Google Cloud プロジェクトを新規作成
- 基本的には既存のプロジェクトでもよいと考えられるが、
無料トライアルを試すのであればすぐシャットダウンしてもよい新規プロジェクトが望ましいと考えられます
- 基本的には既存のプロジェクトでもよいと考えられるが、
- AI Applications プロダクトから、各種 API を有効化
- AI Applications 設定で、認証を設定(global:Google Identity)
-
AI Applications で、Agentspace アプリを作成
- このタイミングから無料トライアル開始となります
- 期間は、30日間(翌月の同日まで?)
- おまけ
Google Cloud プロジェクトを新規作成
好きなプロジェクト ID で、Google Cloud プロジェクトを新規作成します。
操作するアカウント(プリンシパル)に付与するロールとしては、「オーナー(roles/owner)」で進めます。
Agentspace の管理者としては、公式ドキュメントだと下記の3ロールを付与する内容となっています。
- ディスカバリー エンジン管理者(roles/discoveryengine.admin)
- Service Usage ユーザー(roles/serviceusage.serviceUsageConsumer)
- ログ閲覧者(roles/logging.viewer)
AI Applications プロダクトから、各種 API を有効化
操作するアカウントへのロール付与を確認し、
「AI Applications」を検索ボックスで検索し、プロダクトを選択し下記の画面に遷移します。
下記の用意した URL を Google Cloud プロジェクトで開く形でも遷移可能です。
補足情報として、「AI Applications」プロダクトの以前の名称は「Vertex AI Agent Builder」になります。
※公式ドキュメント
「Continue and activate the API」 を押下します。
※この際に API の有効化も行われるため、「オーナー」ロールなどのプロジェクトの API を有効化できるロール(権限)が必要になります
正常に有効化が行われた場合、下記の画面に遷移します
AI Applications 設定で、認証を設定(global:Google Identity)
先程の画面は一旦置いておき、先に認証設定を行います。
※次のセクションの Agentspace アプリ作成で同画面に遷移します
下記画面のように、「AI Applications」>「設定」を選択して画面遷移します。
遷移後に、global リージョン行のペンマークを選択します。
選択後に出てくる画面で「Google Identity」を選択して、SAVE を押下します。
正しく設定できていれば下記の画面のようになります。
この時点のライセンスタブを確認すると、「global」リージョンには何もライセンスが存在していない状態となります。
補足情報として、何故「global」リージョンを選択しているかですが
2025年9月現在では、「asia-northeast1(東京)」リージョンは存在しておらず
公式ドキュメントでも「global」を推奨しているためとなります。
また最新の生成 AI モデルを、Vertex AI Agent Engine にデプロイした Agent で使う場合で、
その Agent を Agentspace アプリにリンク(登録)させる場合でも「global」リージョンが望ましいと考えられます。
※最新の生成 AI モデルが利用できるリージョンは限られているため(global・us・europe リージョンのみであるケースが多い)
※Google Cloud Next Tokyo 25 では、「asia-northeast1(東京)」リージョンの追加予定はあると発表されていました
AI Applications で、Agentspace アプリを作成
次に下記画面のように、「AI Applications」>「アプリ」を選択して画面遷移します。
その後、「新しいアプリを作成」を押下します。
作成するアプリの種類として「Agentspace」を選択して、「作成」を押下します。
アプリ名とエンジン ID を入力します。
アプリ名には日本語が入力可能で、エンジン ID は小文字の英数字と半角ハイフン(-)と半角アンダースコア(_)のみが入力可能です。
場所(region)の選択としては、前のセクションで認証設定を行っている「global」が自動で選択されているかと思います。
会社名に関しては、必須入力ではありません。
必要な情報を入力後に、「作成」を押下すると画面上に表示もあるように
アプリの作成と同時に Agentspace の30日間の無料トライアルも開始されます。
アプリの作成後に、「設定」>「ライセンス」タブを確認すると 「free_trial_agent_space」 が追加されていることが確認できます。
状態としては下記のサブスクリプションが追加されます。
- ライセンスの種類:Agentspace Enterprise Plus
- ライセンスの合計数:50
- 期間の開始日(一例):2025/09/05
- 期間の終了日(一例):2025/10/05
この状態となっていれば、Google Agentspace の無料トライアルが開始できている状態となります。
おまけ
無料トライアル開始までの流れの紹介だけだと、少し物足りないので
実際にこれまでの手順で作成した Agentspace アプリと、Google Search(検索)を使って Agentspace アプリを使ってみました。
実際に質問した内容は以下になります。
「Google Cloud の Google Agentspace で、asia-northeast1 リージョンが追加されるのはいつ頃になりそうですか?」
回答としては、予想通りまだ不明といった内容が返ってきました。
このおまけでは、Google Search(インターネット検索)の内容をソースとして回答を生成しましたが、
Agentspace で対応しているデータストアの種類であれば社内情報などを元に回答を生成することも可能となります。
まとめ
ここまでで、Google Agentspace 無料トライアルのはじめ方を紹介しました。
Google Agentspace は今後もアップデートが行われていく予定のプロダクト・プラットフォームであり、
今流行りの AI エージェントに関しても、Vertex AI Agent Engine にデプロイしたカスタム AI エージェントとの連携も正式対応予定となっています。
無料トライアルも用意されていますので、最新のアップデート情報をキャッチアップしやすいプロダクトだと考えています。
ここまで、ご一読いただきありがとうございました。
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