Google Cloud 認定資格の新しい更新方法「ACE Renewal Lab Exam」を試してみました
ご挨拶
こんにちは、クラウドエース株式会社で SRE をしている谷口です。
今回は Associate Cloud Engineer 資格の認定期間を更新するための新しい試験方式 ACE Renewal Lab Exam を受験出来る機会があったので、実際に受験してみました。
今の時点では正式な合格通知は届いていないものの、無事に試験を終えられましたので、受験までの流れや従来の更新方法との違いについて紹介します。
ACE Renewal Lab Exam とは
Google Cloud 認定資格の 1 つである Associate Cloud Engineer の認定期間(3年間)を更新するための新しい試験方法です。
従来は、更新対象の資格試験を再受験することによって認定期間の更新を受けることが出来ましたが、ACE Renewal Lab Exam では同じ試験を再受験する必要なく、別の形式で試験を受けることで認定期間の更新を受けることが出来ます。
ACE Renewal Lab Exam の特徴としては次の4つが挙げられます(公式の文書もあわせて引用します)。
- オープンブック ... Google Cloud のドキュメントを検索しながら回答が許可されています
- 試験監督無し ... 自分の環境で受験出来るので、試験の監視はありません
- 試験期間中自由に進められる ... 自分のペースで問題を解くことができます
- ラボを使った実践的な問題形式 ... 実際の Google Cloud の環境を操作して回答します
What are the benefits?
It’s open-book – consult documentation and access Google Cloud search
It’s non-proctored – take it at your convenience, anytime within the testing window
It’s lab-based – complete a series of tasks in a controlled production environment
It extends your ACE credential – passing the exam extends your ACE certification by 3 years
It’s no-cost – no payment or credit card required
It’s practical – demonstrate your skills in a real-world scenario
つまり、これまでのような試験ベースでの方法ではなく、オンラインで回答する課題のような形で問題に回答することで、ACE の再認定を無料で受けられる仕組みになっています。
受験までの流れ
今回は Google からメールが届いてから受験登録を行いました。
9 月末に届いたメールの内容
メールで登録案内が届いていたのは 9 月末ごろになります。今回の対象者は「2023 年または 2024 年 Q1 で ACE の認定期間が切れる方」だと記載されていました。
また、再受験ポリシー が免除されると記載されています。もしかすると Preview 期間中のみの措置かもしれませんが、これによって「ノーリスク・ノーコスト」で再認定を受けられそうです。
最終的に試験を受けたのは 12 月に入ってからとなりましたが、ここからは受験までの流れや受験した時の状況についても記載します。
メールに記載されたリンク先で受験登録
従来は Webassessor から資格試験を受験しますが、今回は専用の Web サイトが用意されていました。
登録する際、試験期間(Exam Window)を 1 つ選択します。
今回は 12月1日から 12月11日 17:01 - 17:00 JST を選択
試験期間前にメールが届く
届いたメール
登録した試験期間の直前になると、試験前後にやるべきことが記載されたメールが届きます。
メールによると、どうやら試験全体を完了するには 90-120 分程度の時間が必要とのことです。
Remember to take the Lab Exam: We recommend setting aside 90-120 minutes and adding a calendar reminder for your preferred date and time during the testing window (Dec 1-Dec 10).
また、試験方法に関する説明会のようなもの(ACE Renewal Lab Exam Office Hours)も開催されていたのですが、今回は利用しませんでした。
試験期間中
ここからは実際に受験した時の様子を記載しています。
なお、掲載されている画像は実際の試験中の画面ではなく、Google Cloud Skills Boost で公開されているコースの画面を引用したものになります。
メールが届く
ACE Renewal Lab Exam Now Open until 〜 というメールが届きます。
メールにリンクされた PDF の説明に沿ってラボ環境にアクセスします。
試験環境
従来の監督付き試験とは異なり、操作の制限や監視といったものはありません。
私は普段利用している Chrome ブラウザ上からラボ環境にアクセスしました。
このラボ自体は Qwiklabs(現在は Google Cloud Skills Boost)の環境を指しています。
Google Cloud トレーニングなどを受講されたことがある人で、ハンズオンをされているなら見覚えのある画面かなと思います。
ラボの画面(イメージ)
今回は認定試験専用のラボ環境が構築されていました。
ラボ環境の操作
ラボにアクセスすると試験用のコースと複数の問題が用意されています。
試験に合格するために必要な問題の数はランダムになっており、受ける人によって異なっているようです。
1 問ごとに制限時間が用意されていますので、問題ごとに「開始」ボタンを押して回答用の Google Cloud 環境にアクセスします。
問題の内容
具体的な問題内容は触れられませんが、問題を読んで Google Cloud 環境を操作し、リソースを構築します。
Google Cloud 環境での操作を終えたら、最後に各問題の進行状況のチェックを実施して回答することで、その問題にチェックが付きます。
チェックして緑になれば回答完了(イメージ)
基本的には Cloud Console を操作することが求められますが、一部は gcloud
コマンドを使わないと設定出来ないようなケースもあるかもしれません。
また、Cloud Console は日々アップデートされているので、過去に出来ていた操作手順であっても画面遷移が変わったりするため、最新の Cloud Console の操作方法に慣れておく必要がありそうです。
ちなみに、全ての問題を連続して回答する必要はなく、与えられた試験期間の中で 1 問ずつ進める事が出来ます。
画面上に進捗バーが表示されていますので、進捗が 100% になれば全ての問題を回答したことになります。
今回は全ての問題に対して時間内で回答出来ました。
時間配分
1 問ごとの時間はあまり長く取られていません。
操作するだけの時間以外にも、リソース構築までの待ち時間や操作ミスなどの手戻り考えるとそれなりにちょうど良い制限時間になっていると言えます。
普段から Cloud Console の操作に慣れている事が前提にあるかのような印象を個人的には受けました。
私の場合、全ての問題を解くために使った時間としてはおよそ60分でした。
試験期間終了後
従来の試験であったような「仮の結果判定」はありませんが、進捗を示すバーが 100% になっていれば基本的には全問正解出来たという事になります。
試験期間終了までに、100%になっていれば、問題なく更新認定を受けられるはずです。
記事執筆時点ではまだ正式な合否は不明ですが、7〜10営業日以内に通知されるとのことでした。
正式な結果が届きましたら、この記事内でも共有させていただきます。
2023/12/20 Update: 再認定通知
ラボの試験を完了してからおよそ 8営業日ぐらい経ちましたが、正式な再認定通知を受け取りました!
この辺りの通知は従来と同様のようですね。
まとめ
ACE Renewal Lab Exam を実際に受験して、無事に試験に合格することが出来ました。
まだ Preview 段階の仕組みで、試験前の登録や案内は全てメールのみというのもあって若干不安でしたが、英語の説明でも迷うところはあまり無かった印象です。
試験自体も、期間が長めにとられているお陰で、自分のペースで少しずつ進めることができます。
業務などで多忙を極め、受験機会を逃してしまう...という場合でも、気軽に受験登録して毎日少しずつ進めれば、確実に認定期間を更新出来るのではないでしょうか?
問題内容は実践的な内容に変貌しており、最新の Google Cloud 環境を操作して構築する能力が必要です。
そのため、資格を取れるだけの知識だけではなく、実務的な能力も今後は重要視されるようになるということになりそうです。
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