CloudDataLossPrevention(CloudDLP)のサブスクリプション料金について
はじめに
こんにちは、クラウドエースのデータMLディビジョン所属の玉野です。
クラウドエースのITエンジニアリングを担うシステム開発部の中で、特にデータ基盤構築・分析基盤構築からデータ分析までを含む一貫したデータ課題の解決を専門とするのがデータMLディビジョンです。
データMLディビジョンでは活動の一環として、毎週Google Cloud の新規リリースを調査・発表し、データ領域のプロダクトのキャッチアップをしています。その中でも重要と考えるリリースを本ページ含め記事として公開しています。
今回紹介するリリースは、Cloud Data Loss Prevention(Cloud DLP)のサブスクリプション料金についてです。
Cloud Data Loss Preventionでは、従量課金プランしかありませんでした。
今回のリリースによって、今まではサポートされていなかったサブスクリプションプランが登場しました。
この記事では、新しく登場したサブスクリプションプランと、従来の従量課金プランを紹介します。
Cloud Data Loss Prevention(Cloud DLP)とは
外部に漏洩してはならない機密情報データや重要データのセキュリティを強化するためのプロダクトの一つです。
近年発生している個人情報の漏洩は、莫大な損失や企業の信用問題にも繋がるため、このような機密情報を適切に管理することが求められています。
Cloud Data Loss Prevention(Cloud DLP)では、格納されているデータに対して、個人情報が含まれていないか監査し、個人情報をマスキング処理することができます。
また、Google Cloud以外の外部のデータに対しても、同様にデータ監査することができます。
Cloud DLPの利用料金
Cloud DLPは、月1GBまでなら無料で利用できます。
データ量やデータの格納場所、個人情報のマスキング有無によって、料金が変動します。
従量課金プランは、まずは小規模で試してみたいという企業や顧客に適しております。
最新の料金表については公式ドキュメントをご確認ください。
機密データの保護の料金
Cloud DLPの従量課金プランでの利用例
2023年8月時点での料金表に沿って、実際にCloud DLPを利用した場合のコスト感についてご紹介します。
ケース1:社内の20GBの表データを監査して、かつ、特定の文字列に合致する個人情報をマスキングしたい。
既にケース1では、その月の無料範囲の1GBを利用済と仮定します。
20GBのデータを監査するために発生する費用は、Google Cloud以外のソースの場合US$3.00/GBなので、US$60.00になります。
また、このとき、個人情報としてマスキングする対象のデータ量は4GBと仮定しますと、個人情報のマスキングはUS$2.00/GBなので、US$8.00になります。
以上から、ケース1の場合に毎月発生するコスト料金は「US$68.00」となります。
ケース2:2,000個のBigQueryテーブルデータにおいて、各テーブルあたり1000行のみサンプリングして監査したい。
既にケース2でも、その月の無料範囲の1GBを利用済と仮定します。
また、1つのテーブルは2GB、合計サイズは2TB、各行は約20KBとします。
このとき、監査するデータ量を求めると、テーブル数(2,000) × テーブル1つあたりの対象行数(1,000) × 1行当たりのデータ量(20KB) = 合計4GBの監査をすることになります。
4GBのデータを監査するために発生する費用は、今回はGoogle Cloudのソースの場合でUS$1.00/GBなので、US$4.00になります。
Cloud DLPのサブスクリプションプランでの利用例
サブスクリプションプランの場合、ある一定の容量を月々の分割払いとして購入できるので、月毎の料金を一定にできます。
今回のリリース情報で発表された内容としては、サブスクリプションプランでは「ユニット」という単位で契約します。
1ユニットでは、1ヶ月当たりに利用できるプロファイル(サブクスプリション数×10,000)の数としては、以下が対象になっております。
- 10,000個のBigQuery標準テーブル
- 2,000個のBigLakeテーブル
- または、上記の両方の組み合わせ
また、金額としては、1ユニットにつき US$2,500.00/month 発生します。
最新の料金表については公式ドキュメントをご確認ください。
機密データの保護の料金
従来の従量課金プランよりも、最小価格が大きな金額になります。
どんなときにサブスクリプションプランを選んだ方がよいか
どのような場合にサブスクリプションプランを選んで良いのでしょうか。
ケース1:Google Cloudで大規模のデータを扱うとき
例えば、大規模データをGoogle Cloud上で扱っており、この大規模データに対してCloud DLPを利用する場合を考えます。
従来の従量課金プランだとデータ量に応じて料金が決定するので、データが多ければ多いほど料金が跳ね上がってしまいます。
このような場合にはサブスクリプションプランがおすすめです。
ケース2:月々の支払いを一定額にしたいとき
月々の支払い金額を一定にしたいニーズがある場合にも、サブスクリプションプランを利用が検討されます。
企業内での予算管理や経費管理のため、Cloud DLPに充てる一定の金額を確保しておきたい場合にも、サブスクリプションプランがおすすめです。
従量課金とサブスクリプションのどちらを選ぶべきか
Cloud DLPの公式サイトにて、無料でコスト見積りを実施できます。
見積もりすることで、従量課金とサブスクリプション料金を比較できるので、料金プランを検討している場合には活用することをお勧めします。
Estimate data profiling cost for a single project
まとめ
この記事では、Cloud Data Loss Prevention(Cloud DLP)にて、新しく登場したサブスクリプションプランと、従来の従量課金プランを紹介しました。
小規模プロジェクトでは、まず従量課金プランにてCloud DLPを使用することをお勧めします。
Cloud DLPを利用していくにつれ、データ量が大きくなった場合や、月々の支払いを一定にしたいというニーズが発生した場合に、サブスクリプションへのプラン変更が検討されます。
Cloud DLPのサイトでは無料で見積もりできるので、ぜひ活用してみてください。
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