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【Google Cloud 初心者むけ🔰】クラウド破産から身を守れ!今すぐできる予防策 3 選!

2024/02/28に公開

こんにちは、クラウドエース データソリューション部の松山です。

クラウドエース データソリューション部とは?

クラウドエースのITエンジニアリングを担う システム開発統括部 の中で、特にデータ基盤構築・分析基盤構築からデータ分析までを含む一貫したデータ課題の解決を専門とするのが データソリューション部 です。
弊社では、新たに仲間に加わってくださる方を募集しています。
もし、ご興味があれば エントリー をお待ちしております!

1. はじめに

皆さんは「クラウド破産」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「クラウド破産」とは、クラウドサービスの利用料金が意図せず高額(数十万円以上)になってしまうことを指す俗語です。
最悪の場合、経営が立ち行かなくなることもあります。

「クラウド破産」は、どのような原因で発生すると思いますか?
実は、「課金対象のリソースを消し忘れていた」などのうっかりミスが原因で発生してしまうことがあります。

「クラウド破産」は、誰もが引き起こしてしまう可能性がある問題です
知識がない状態で、クラウドサービスを使ってしまうことは、危険です。

本記事では、クラウドサービスの一つである GCP を使い始めたばかりの初心者が、「クラウド破産」から身を守るため、今すぐできる予防策 3 つを紹介します。
前提知識ゼロでも話についていけるよう、丁寧な説明を心掛けました。
ぜひ最後まで読んでいただきたいです。

1-1. GCP の料金体系

はじめに、前提知識として、GCP の料金体系について簡単に説明します。

GCP は従量課金制を採用しています。
従量課金制とは、リソースを利用した分だけ、利用料金が発生する方式のことです。

利用料金は、プロジェクト単位で発生します。

支払いは、各プロジェクトに紐づけられている Cloud 請求先アカウントの設定に従って実施されます。
Cloud 請求先アカウントとは、支払いに関する設定(支払い方(クレジットカード or 銀行口座など)の設定や、予算の設定など)を管理するためのリソースです。

2. 今すぐできる予防策 3 選

本章では、「クラウド破産」から身を守るため、今すぐできる予防策を 3 つ紹介しています。

2-1. 予防策①:予算アラートを設定する

予算アラートとは、利用料金が設定した予算の任意の割合(50%、80%、100%など)に及んだとき、メールやSlackなどにアラートを通知する機能です。

以下のセクションでは、予算アラートの設定方法を説明します。
2-1-1 節が事前準備、2-1-2 節が予算アラートの設定方法についてです。
今回、例として作成する予算アラートの設定は、下表の通りです。

設定項目 設定値
1か月あたりの予算 10,000 円
アラートの通知タイミング 利用料金が 50%、80%、100% に及んだとき
通知先 メール

2-1-1. 事前準備:通知チャンネルの設定方法

はじめに、通知チャンネルの設定を行ないます。
通知チャンネルとは、Cloud Monitoring のアラートの通知先(メールやSlackなど)のことです。

Google Cloud コンソール 左上の「ナビゲーションメニュー」から、[Monitoring]の[アラート]をクリックします。

② 画面上の[EDIT NOTIFICATION CHANNELS]をクリックします。

③ 「Email」セクションにて、[ADD NEW]をクリックします。

④ 以下項目を入力し、[SAVE]をクリックします。

  • 「Email Address」:通知先メールアドレスを入力します。
  • 「Display Name」:通知先メールアドレスの任意の名前を入力します。

⑤ メールアドレスが通知チャンネルとして追加されていることを確かめます。

以上で、予算アラートの通知チャンネルの設定は完了です。

2-1-2. 予算アラートの設定方法

次に、予算アラートの設定を行ないます。

Google Cloud コンソール 上部の検索ボックスに「予算とアラート」と入力し、[予算とアラート]をクリックします。

② [予算とアラートのページに移動]をクリックします。

③ 画面上の[予算を作成]をクリックします。

④ 以下項目を入力し、[次へ]をクリックします。

  • 「名前」:予算アラートの任意の名前を入力します。
  • 「期間」:対象の期間を選択します。
  • 「プロジェクト」:対象のプロジェクトを選択します。

⑤ 以下項目を入力し、[次へ]をクリックします。

  • 「予算タイプ」:「指定額」を選択します。
  • 「目標金額」:10,000 と入力します。

⑥ 以下項目を入力し、[終了]をクリックします。

  • 「Set alert threshold rules」:アラートの通知タイミング(50%、80%、100%)を入力します。
  • 「モニタリングメール通知チャネルをこの予算にリンクする」:チェックをつけます。
  • 「通知チャンネル」:アラートの通知先を選択します。

以上で、予算アラートの設定は完了です。
より詳しい情報が必要な方は、公式ドキュメントを参照してください。

2-2. 予防策②:現時点での利用料金をマメに確認する習慣をつける

現時点での利用料金は、プロジェクト単位請求先アカウント単位で確認方法が異なります。
2-2-1 節にて、プロジェクト単位で利用料金を確認する方法を説明します。
2-2-2 節にて、請求先アカウント単位で利用料金を確認する方法を説明します。

2-2-1. プロジェクト単位での利用料金確認方法

Google Cloud コンソール から「お支払い」セクションの[請求の詳細を表示]をクリックします。

② 利用料金のグラフが表示されます。                                                                  

画面下の「日付・SKU」にて、使用しているサービスごとの利用料金を確認できます。
また、画面右の「フィルタ」にて、対象期間などの条件を変更することができます。

2-2-2. 請求アカウント単位での利用料金確認方法

Google Cloud コンソール 左上の「ナビゲーションメニュー」から、[お支払い]をクリックします。

②[リンクされた請求先アカウントに移動]をクリックします。

③利用料金のグラフが表示されます。

2-3. 予防策③:不要になったリソースを停止 or 削除する習慣をつける

GCP は使った分だけ利用料金が発生するため、使わないリソースは停止 or 削除しておくことが大切です。
使い終わった後、忘れないうちに停止 or 削除することを習慣にしましょう。

3. +αの予防策

余裕があれば実施してほしい +α の予防策を 1 つ追加でご紹介します。
2 章の予防策と比べて、ある程度のプロダクト知識が必要な予防策です。

3-1. Google Cloud Pricing Calculator を使って、リソースの立ち上げ前に利用料金を推定する

Google Cloud Pricing Calculator とは、リソースを立ち上げる前に、大まかな利用料金を推定するためのツールです。
ネットワークの通信料や、保存するデータ量などを設定すると、利用料金を推定することができます。

今回は、例として Cloud Storage の 1 か月あたりの利用料金を推定してみます。
詳細な設定値は下表にまとめました。

設定項目 設定値
Location type Region
Location Tokyo(asia-northeast1)
storage class Standard Storage
Total amount of storage 100GB

3-1-1. Google Cloud Pricing Calculator を使った利用料金の推定方法

Google Cloud Pricing Calculator を開き、[+ Add to estimate]をクリックします。

② 利用料金を推定したいプロダクトを選択します。

③ 利用料金を算出するために必要な情報を入力すると、画面右に推定費用が表示されます。

1 か月あたりの利用料金は、317円であることが分かりました。
利用料金が予算内に収まっていることを確認しましょう。

4. まとめ

今回は GCP を使い始めたばかりの初心者向けに、今すぐできる予防策 3 つと、+α の予防策 1 つを紹介しました。
ぜひ実践いただき、「クラウド破産」という大事故を予防しましょう。

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