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LookerStudioでGA4のデータを表示する

2022/12/02に公開

この記事では、これまでにLooker Studio(データポータル)で従来のGA(ユニバーサルアナリティクス)を利用していた方向けに、最新のGA(Google Analytics 4)のデータをLooker Studioで表示する方法について紹介します。

Looker Studioとは?データポータルとの違いは?

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Looker Studioは、Googleが無料で提供しているBI(ビジネスインテリジェンス)ツールで、あらゆるデータを可視化できるツールです。

これまではデータポータル (Data Studio) という名称で、使用されてきました。

2022年10月のGoogle Cloud Next '22 にて、データポータルから Looker Studio へ改名され、 Looker ブランドに統合されました。

そのため、従来のデータポータルとLooker Studioの違いは名称の違いのみで、機能としての違いはありません。

Introducing the next evolution of Looker, your unified business intelligence platform

https://cloud.google.com/blog/products/data-analytics/looker-next-evolution-business-intelligence-data-studio?hl=en

Google アナリティクス 4(GA4)とは?

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「Google アナリティクス 4(GA4)」とは、第4世代のGoogle アナリティクスです。Webやアプリのデータを横断して計測できます。

これまでは第3世代のGoogle アナリティクスである「ユニバーサルアナリティクス(UA)」が使用されてきましたが、2023年7月1日をもって、アナリティクスデータの新規計測が停止される予定です。そのため、現在UAを利用している場合には、GA4への移行が推奨されています。

UAとGA4の違い

UAでは、セッション(ユーザーの訪問単位)軸でのデータ分析を基にしたデータ計測を実施していました。

一方、GA4ではユーザー軸でのデータ分析を基にしたデータ分析を実施しようとしています。

また、UAではニーズに応じて様々な機能が実装されてきた背景から、様々なデータ項目(ページビュー・イベント・ユーザー・ヒットなど)があり、それにより計測方式や実装方式が複雑という問題がありました。

GA4では「イベント」という単位でデータ計測され、設定方式や実装方式が統一されました。これにより、GAで計測したデータを共通のフォーマットとして扱いやすくなりました。

また、GA4では、これまでUAでは有償版のみ実施できたBigQueryへのデータエクスポートが無償版でも使用できるようになりました。

GA4では、通常14ヶ月までの計測データを保持できないため、14ヶ月以上の計測データを保持するためにもBigQueryへのデータエクスポートが推奨されています。

BigQueryエクスポートの設定方法については、以下のGoogle公式ドキュメントより確認できます。

[GA4] BigQuery Export のセットアップ

BigQueryの費用

BigQueryとGA4の連携は無料で実施できますが、連携後はBigQuery側での料金が発生します。

BigQueryの無料インスタンス(BigQueryのサンドボックス)にエクスポートする場合にはBigQuery側の料金は発生しませんが、BigQueryのサンドボックスの制限を超える際には料金が発生します。

BigQueryのサンドボックスについては、以下のGoogle公式ドキュメントより確認できます。

BigQuery サンドボックスを有効にする

BigQueryを使用する際に発生する費用は、以下2つの料金です。

分析料金 クエリを実行するごとに発生する
ストレージ料金 BigQueryにデータを保管することで発生する

BigQueryにデータを保管する際に発生するストレージ費用は、毎月10GBまでの無料枠があります。

クエリを実行するごとに発生する分析料金は、毎月1TBまで無料です。

そのため、大きいクエリを実行しないように活用すれば、BigQueryの費用を抑えることができます。

詳しいBigQueryの料金詳細については、以下のGoogle公式ドキュメントより確認できます。

BigQuery の料金詳細

種類 料金 詳細
クエリ(オンデマンド) $6.0(約660円)/ TB 毎月1TB まで無料
クエリ(月定額) $2,400(約26.4万円)/100slots 追加のスロットは100スロット単位で購入可能
クエリ(年定額) $2,040 (約22.4万円)/100slots(1ヶ月分) 追加のスロットは100スロット単位で購入可能
アクティブストレージ $0.023 (約2.53円)/GB 毎月10GBまで無料
長期保存 $0.016(約1.76円)/GB 毎月10GBまで無料
ストリーミング挿入 $0.012(約1.32円)/200MB 挿入に成功した行が課金対象になります。最小サイズ 1KBで各行が計算されます
BigQuery Storage Write API $0.030(約3.3円)/1GB 毎月最初の2TBまで無料

Looker StudioでGA4のデータを表示させるパターンは2種類

Looker StudioでGA4のデータを表示させるパターンには、2種類あります。

(1)Google Connectorsの「Googleアナリティクス」を使用する

(2)GA4のデータをBigQueryへエクスポートし、Google Connectorsの「BigQuery」を使用する

Google Connectorsの「Googleアナリティクス」を使用する

GA4のデータ取得する際に、Google Analytics Data API を介してデータを取得します。

簡単に設定できますが、2022年11月に、Google Analytics Data API の割当制限が適用されることが発表され、Looker Studioのレポートのデータ量によっては、API上限に引っかかりデータが表示されない問題が発生します。

GA4のデータをBigQueryへエクスポートし、Google Connectorsの「BigQuery」を使用する

GA4のデータ取得する際に、Google Analytics Data API を介することなく、直接BigQueryni

に格納されているGA4データへアクセスします。

Google Analytics Data API の制限に引っかかることなくデータを表示できますので、Looker StudioでGA4のデータを表示させる場合にはこちらの方法が推奨されます。

よく使うBigQueryクエリ集

GA4のデータをBigQuery上で表示させるためには、クエリを作成する必要があります。ここではよく使うBigQueryのクエリをご紹介します。

日別のPV数

SELECT
  DATE(timestamp_micros(event_timestamp), 'Asia/Tokyo') AS eventdate,
  COUNT(1) AS Pageviews,
FROM
  `YOUR_TABLE.events_*`
WHERE
 event_name = 'page_view'
GROUP BY eventdate
ORDER BY eventdate

日別のユーザー数

SELECT
  date(timestamp_micros(event_timestamp),"Asia/Tokyo") as eventdate,
  count(distinct user_pseudo_id) as Users 
FROM
  `YOUR_TABLE.events_*`
GROUP BY event_date

ユーザーごとのセッション数

SELECT
  user_pseudo_id,
  countif(event_name = 'session_start') as number_of_sessions,
FROM
  `YOUR_TABLE.events_*`
GROUP BY user_pseudo_id

デバイス別のPV数

SELECT
  device.browser,
  SUM ( totals.pageviews ) AS total_pageviews
FROM 
  `YOUR_TABLE.events_*`
GROUP BY device.browser

参照元/メディア/キャンペーン別のユーザー数

SELECT
  traffic_source.source,
  traffic_source.medium,
  traffic_source.name as campaign,
  count(distinct user_pseudo_id) as users
FROM
  `YOUR_TABLE.events_*`
GROUP BY
  source,
  medium,
  campaign

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